温暖化で「遅くなるハリケーン」が、深刻な被害をもたらす:研究結果

地球温暖化によってハリケーンが米国に上陸するスピードが速くなり、上陸後はゆっくり移動して甚大な被害をもたらす──。そんな研究結果が、このほど発表された。特に沿岸地域には、これまで以上に深刻な被害と洪水をもたらす可能性が高いという。

激しさを増す気候変動により、「都市インフラの再設計」が迫られている

米国に上陸したハリケーン「アイダ」の影響でニューヨークの地下鉄が浸水するなど、異例の豪雨が大都市に多くの被害をもたらした。そこから得られる教訓は、もはや都市インフラが気候変動の影響に追いつかなくなっており、再設計を迫られているという事実だ。

猛烈なハリケーンの被害と「ヒートアイランド現象」が重なると、都市にとって壊滅的な打撃となる

米国を襲ったハリケーン「アイダ」は、ルイジアナ州に大規模な停電をもたらすなど甚大な被害を残した。ところが、そこに気候変動による気温の上昇と都市開発によるヒートアイランド現象が重なったことで、さらなる“大惨事”がもたらされている。

米国で猛威を振るうハリケーン「アイダ」の深刻な被害と、復旧までの困難な道のり

米南部に上陸した大型のハリケーン「アイダ」の影響で、ルイジアナ州では100万世帯もの大規模な停電が発生した。家屋の倒壊や送電線の切断といった被害の全体像を把握しながら地域の電力会社が復旧を目指しているが、コロナ禍の影響もあって道のりは険しい状況が続いている。