コンヴィヴィアルなAIと、自転車の(意外な)歴史:SZ Newsletter VOL.91

かつてスティーブ・ジョブズがパーソナルコンピューターを「知性の自転車」に喩えたように、イヴァン・イリイチ以来、自転車は人間にとっての「コンヴィヴィアルな(ちょうどいい)道具」とされてきた。でもその歴史にはひとひねりがある。果たして人工知能(AI)は自転車のようなコンヴィヴィアルなテクノロジーとなりえるのだろうか? SZメンバーシップの今週のテーマ「AI」を「コンヴィヴィアル」という視点から読み解く編集長からのニュースレター。

AIは動物の“言葉”をどこまで翻訳できるのか? 鍵となる世界認識と語彙の違い

人工知能(AI)による“動物語”の解読が始まっている。まるでGoogle翻訳のように機械学習によって動物を“翻訳”する試みは、霊長類やイルカからタコのような頭足類まで、そもそも動物が人間にとって理解可能な世界観や語彙をもっているという前提に立っている。だがこの技術が進めば、人間は自らが知らない世界への畏敬の念を深め、自身の先入観や偏見から解放されるかもしれない。