SF的構想の実現を目指すNASAの「革新的先進概念(NIAC)」プログラム

月面で建築材料となる金属を採掘するクローラーや、折り畳まれてロケットに積み込み可能な巨大宇宙ステーション、果てはキノコでつくる究極のグリーンビルディングまで、このほど開催されたNASAの「革新的先進概念(NIAC)」プログラムの年次総会は、SFを現実のものにするための最先端の研究発表で溢れていた。そのいくつかを紹介しよう。

月面を覆うレゴリスが、宇宙飛行士による月面活動の最大の脅威となる

宇宙飛行士を再び月面に送り込むアルテミス計画を進めるNASAと民間宇宙企業が、将来の月面基地にとって脅威となる問題に直面している。それは、レゴリスと呼ばれる粉末状の月の石だ。この宇宙空間の厄介な粉塵を防ぐ手段として、NASAは音波や静電デヴァイス、超平滑コーティングといった対策を試すなど、月面着陸を見据えたさまざまなシミュレーションが成長産業へとなっている。

NASA、有人月着陸システムの契約を再び一時停止

NASA が SpaceX を選定した有人月着陸システム (HLS) の契約を再び一時停止したようだ (GeekWire の記事、 The Register の記事、 The Verge の記事)。

HLS 契約では 2 者と契約する意思を示していた NASA が SpaceX のみを選定したことから、候補となっていた Blue Origin と Dynetics が米会計検査院 (GAO) に抗議し、契約は一時停止した。GAO は 7 月 30 日に契約が適切との判断を示しているが、Blue O…