SF作家かあるいは預言者か? 中国SFと陳楸帆の「空想科学リアリズム」

国内であらゆる文学賞を受賞し、近年評価の高い作家を数多く輩出する中国SFの第一人者となった陳楸帆(ちんしゅうはん)。代表作『荒潮』は国内外で注目を集め、評論家は彼のことを「中国のウィリアム・ギブスン」と称賛する。だが中国人SF作家は商業的な圧力だけでなく、政治的な風向きにも敏感でなければならないし、地政学的な覇権争いにも巻き込まれている。中国の現実に「空想科学リアリズム」で対峙する陳の超現実的な生活に追る。