人類の生存がかかる問題に大きな技術的・科学的解決策を提示する:ニール・スティーヴンスンが語るSFの役割(後編)

「メタヴァース」という言葉を生み出したSF『スノウ・クラッシュ』で知られる作家ニール・スティーヴンスンの最新作『Termination Shock』は、人類が住める場所ではなくなった地球を冷却するために、ある億万長者がソーラー・ジオエンジニアリングを試みるストーリーだ。はたして気候変動や地球温暖化という大きな問題を前に、SFが未来を創造するために果たすことのできる役割とは何か。『WIRED』US/UK版が開催したカンファレンス「RE:WIRED」に登…

『スノウ・クラッシュ』はディストピア的表現への風刺でもある:ニール・スティーヴンスンが語るSFの役割(前編)

「メタヴァース」という言葉を生み出したSF作品『スノウ・クラッシュ』が日本でも復刊となり話題だ。著者のニール・スティーヴンスンはこれまで、歯止めがきかないグローバル化、環境汚染、テクノロジー資本主義が地球を変える可能性について先見の明にあふれる作品を残してきた。『WIRED』US/UK版が開催したカンファレンス「RE:WIRED」に登場したスティーヴンスンに最新作と気候変動、メタヴァース、そしてSFが未来を創造するために果たすことのできる役割について…

『DUNE/デューン 砂の惑星』から『フリー・ガイ』まで、2021年という時代を象徴したSF映画たち

この2021年も多くのSF作品が映画館と配信サーヴィスの両方で上映された。『DUNE/デューン 砂の惑星』のような超大作から『フリー・ガイ』のような奇妙な設定の作品、ロマンスタイムループ作品『明日への地図を探して』まで、『WIRED』US版がおすすめする2021年のSF映画の数々を紹介する。

『マトリックス レザレクションズ』は、現実となった“予言”への「警鐘」にも感じられる:映画レヴュー

映画『マトリックス』シリーズ最新作となる『マトリックス レザレクションズ』。シリーズのコンセプトがスクリーンから抜け出して現実のものになりつつあるいま、長年の議論は本作において次の段階へと進む道筋を見出した。そして監督のラナ・ウォシャウスキーが自分の“最悪のアイデア”が現実のものになり始めているさまを目にして、警鐘を鳴らしたいと思っているようにも感じられる──。『WIRED』US版によるレヴュー。

「SFプロトタイピング」で描く2070年の鎌倉と、「将来世代への責任」:「World Marketing Forum 〜人間性のためのテクノロジー Marketing5.0〜」レポート

都市開発は長い時間かけて進められるものの、そのエリアで数十年後に暮らす「将来世代」の意思は開発に反映されない。だが、長期的思考をもって「都市の未来」を想像することで、開発における将来世代への責任を育めるのではないか──。WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所とSF作家の吉上亮は「鎌倉市スーパーシティ構想」が見据えるその先の「2070年」をターゲットに、SFプロトタイピングを実施した。本構想にかかわるメンバーも交えたトークセッションの様子をレポ…

『デューン』を生んだフランク・ハーバートは、未来を見通していた:継承者たる息子が語った、その世界観の本質

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の原作となったフランク・ハーバートの小説『デューン』は、後世のSF作品の多くに影響を与えた。その継承者であり担い手でもある息子で作家のブライアン・ハーバートは、今回の映画化でどのような役割を担い、父の小説が残した“遺産”についてどう評価しているのか。ブライアン・ハーバートに訊いた。

マーベルコミックの全ストーリーを読破してみたら、ひとつの壮大な世界観が見えてきた

過去60年にわたって続いてきたマーベルコミックの世界は、さまざまなキャラクターのストーリーが時空を超えて複雑に絡み合っている。その数なんと27,000冊以上をコミック史家が読破して単一の壮大な作品として捉え直したところ、そこにはマーベル特有の一貫した世界観が浮き彫りになってきた。

SF作家・吉上亮による都市と激甚災害をめぐるSFプロトタイピング小説「…this city never died.」 

二〇七〇年。鎌倉地区に生まれ育った女子高生の宮子は、大規模気候変動による激甚災害の進展で、「10年後に鎌倉が消えてしまう」ことを知った。鎌倉地区の住人はどこで暮らしていくのか。心のよりどころである寺社や史跡をどうするのか。鎌倉地区の未来を考えるため、市が実施したのは未来の当時者となる鎌倉市の子供たちに選択を委ねようという「未成年住民投票」だった──。10月21日に開催される「ワールド マーケティング フォーラム 2021」の1セッション「鎌倉市×SF…

フランク・ハーバートの小説『デューン』と、伝説のフェス「バーニングマン」の知られざる関係

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の原作となったフランク・ハーバートの小説「デューン」。その映像化が不可能とも言われた世界観に影響を受けて誕生した伝説のイヴェントが、ネヴァダ州のブラックロック砂漠で毎年開催される「バーニングマン」だった。その知られざる歴史と、ハーバートが見た砂漠との共通項をひも解く。

原作で描かれた夢の発明「スティルスーツ」は、どこまで再現できたのか? 映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の制作陣が語る舞台裏

映像化が不可能とされた原作をドゥニ・ヴィルヌーヴがかたちにした映画『DUNE/デューン 砂の惑星』。原作者のフランク・ハーバートが“発明”した「スティルスーツ」は、人体の活動すべてをエネルギー源として再利用できる設定だが、どこまで映画では“再現”できたのだろうか? 制作陣に訊いた。