米軍が最終撤退した瞬間、タリバンは独立の雄たけびを上げて祝砲を鳴らし続けた。中国の第一報はこの場面と、国連安保理対タリバン決議に対する中露の棄権だった。中国は今後どのようにタリバンと向き合うのか? アフガンの夜空に轟く祝砲を報道した中国 8月31日未明、米軍を載せた最後の一機がカブール空港を飛び立った瞬間、カブール空港はタリバンの管轄下に入り、タリバン軍は勝利の雄たけびを上げた。 曳光弾(えいこうだん)(発光体を内蔵した特殊な弾丸)や機関銃などによる祝砲が夜空に向かって打ち上げられ、それは2時間ほど…
ハエの分析でわかった「社会的隔離」で人間の行動が変わる理由
コロナ禍での隔離生活は、人と会えない寂しさと外出できないストレスをもたらすもの。その結果、よく眠れなくなったり、食べる量が増えたり、いろんな影響が出ていますが、私たちの身体は社会的隔離に対してどのように反応しているのでしょうか? 米国の研究チームがハエを使って、そのメカニズムを解明しようとしています。
「それでもルーティンは欠かせない」ハリケーン渦中の路上でワークアウトする男たち
<暴風雨のなかで腕立て伏せに腹筋、傍らには楽しそうに撮影する人々> ハリケーンは何十年、何世紀にわたってメキシコ湾岸に暮らす人々の生活に甚大な被害をもたらしてきた。 29日昼過ぎ、大型ハリケーン「アイダ」がルイジアナ州南部にカテゴリー4の非常に強力な状態で上陸。そんななか、同州最大都市ニューオーリンズの歴史地区の路上で撮影された目を疑うような映像が話題になっている。 ツイッターに投稿されたこの動画は、4人の男性が暴風雨にさらされながら腕立て伏せや腹筋を披露するというもの。傍らには楽しげな様子で彼らにスマホを向ける人々の姿も映っている。 Please don’t put yourself in harm’s way. Try to stay in a safe space if you can. The winds are strong and potentially dangerous. #HurricaneIda @KSLA Credit: Yasmin Renè pic.twitter.com/s1p2U2rCVT— Jade Myers KSLA (@theJadeMyers) August 29, 2021 ルイジアナ州、ミシシッピ州、アラバマ州の各知事はアイダの上陸に先立って非常事態宣言を出し、ルイジアナ州南東部の一部地域では強制避難命令を発出。しかし、ニューオーリンズでは市長の判断によって強制的な避難令は出されなかった。そのため、横殴りの雨の中で彼らは堂々と「日課」をこなした。 午後から夕方にかけて猛烈な風がニューオーリンズを襲い、市内の広い範囲が停電に見舞われた。州内で最も人口の多い地域を通過したため、その影響は100万人以上の住民に及んでいる。 ニューオーリンズは2005年、ハリケーン「カトリーナ」の高潮によって堤防が決壊し、市内の大部分が冠水。壊滅的な被害を受けた。それ以降、同じ規模の嵐を経験しておらず、住民の間には不安が広がっていた。 彼らの行為が軽率な印象を与えたのは言うまでもない。 ===== Please don’t put yourself in harm’s way. Try to stay in a safe space if you can. The winds are strong and potentially dangerous. #HurricaneIda @KSLA Credit: Yasmin Renè pic.twitter.com/s1p2U2rCVT— Jade Myers KSLA (@theJadeMyers) August 29, 2021 ■台風の高波を背景にセルフィする男性も NOT RECOMMENDED: No time for a selfie; this was in south Louisiana ► https://t.co/5Qu3VV9XJp pic.twitter.com/AOjQPOC6i0— KSLA News 12 (@KSLA) August 30, 2021 ===== LAFOURCE PARISH: Part of the roof of Lady of the Sea General Hospital, in Galliano, blew off. @BrennanMatherne told me @LafourcheSO is hearing reports of some broken power poles, roof damage, some structure damage. @wdsu #HurricaneIda pic.twitter.com/iXMmURLNH2— Christina Watkins (@CWatkinsWDSU) August 29, 2021
寝苦しい暑い夜には「全裸でベッド」…たしかな安眠効果が認められる
<体温の低下が質のよい眠りをもたらし、解放感やパートナーとの絆の深さも味わえる> 夏の夜に困るのが、暑さでうまく寝付けないことだ。その手っ取り早い解決法として、パジャマを脱いで裸で寝る人もいる。 睡眠について詳しい臨床心理士のカーラ・マンリーによれば、裸で寝ることがいい睡眠をもたらすかどうかは基本的には各人の好みの問題だ。一見些細なことであっても、自分にとっての快不快を無視するといい眠りを得られなくなる可能性があるという。 「暑さのあまり裸で寝るのを好む人もいれば、寝間着を着ることによる締め付け感が…
「共同富裕」と格差是正を掲げた習近平だが、身内は例外というまやかし
<富裕層や大企業による富の独占を許さないと息巻く習近平だが、もちろん自分の身内に適用されることはない> 国の習近平(シー・チンピン)国家主席が8月17日の演説で「共同富裕(みんなで豊かになろう)」を強調し、大企業や富裕層の間に動揺が広がっている。 習は昨年来、社会への富の還元を掲げて財界への規制を強め、巨大IT企業などに巨額の罰金や資産売却を科してきた。富のさらなる吸い上げを恐れる大企業は、中国共産党への忠誠と社会貢献を必死にアピール。電子商取引大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)は早速、農村開発プロジ…
タリバンがブラックホークを操縦する異常事態、しかも誰かぶら下がっている!
<米軍の兵器を見せびらかすタリバンは、今やアフガン全土に見られる光景だ> タリバンの一員と見られる人物が、米軍の軍用ヘリコプター「ブラックホーク」から吊り下げられて降下する様子を映した動画が拡散している。アフガニスタン南部の都市カンダハルを「パトロール中」のものだというこの映像は、再生回数が200万回を超えた。 この動画を8月29日にツイッターでシェアしたのは、アフガニスタン・イスラム首長国を自称するタリバンの公式ニュースアカウント「Talib Times」だ。映像では、アメリカ軍が残したUH-60ブラックホークと見られるヘリコプターから吊り下げられた男性の姿が確認できる。 動画には、「我々の空軍だ! これは、イスラム首長国の空軍ヘリコプターが、カンダハル上空を飛行しながらパトロールをしているところである」というキャプションが添えられている。 この動画は、内容について第三者の確認は取れていないが、複数のSNSユーザーによってシェアされている。 動画が投稿された8月29日は、アメリカ軍がアフガニスタンから完全撤退するとされていた日の前日だ。 戦争終結とともに アメリカが先頭に立ってきた20年におよぶアフガニスタン戦争は、8月30日(米東部時間)に正式に終結した。アフガニスタンに滞在していたアメリカ人と、戦争中にアメリカに協力したアフガン人協力者を国外に退避させようとする混乱のなか、タリバン支配下にあるカブールの国際空港を、最後の米軍用機が飛び立った。 米大統領ジョー・バイデンは2021年4月に初めて、アフガニスタン駐留アメリカ軍を撤退させると発表した。その際に明言したのが、2021年9月11日までの完全撤退だ。国際テロ組織アルカイダがニューヨークのツインタワーを攻撃した2001年の米同時多発テロから、ちょうど20年目の日だ。 アメリカ軍が2001年にアフガニスタンに軍を派遣したのは、米同時多発テロの報復のためだった。その後アメリカ軍は、アルカイダと同盟関係にあったタリバンの排除に成功した。 だがアメリカ軍とその同盟国軍がアフガニスタンから引き上げるなか、タリバンはたちどころに全土を掌握し、首都も支配下に収めた。 タリバンは、アフガニスタンの実権を再び掌握した際に、アメリカ軍がアフガニスタン政府軍に提供した多数の武器や砲弾などを没収した。そのなかには、ブラックホークや全地形対応の軍用車両「ハンビー」も含まれている。SNSの写真や動画を見ると、8月半ばにはすでに、タリバン戦闘員が各地で武器などを見せびらかしている様子がわかる。 ===== New video of a Taliban operated Black Hawk heli, circulating on pro-TB accounts. #Afghanistan pic.twitter.com/D6tcKmersl— FJ (@Natsecjeff) August 30, 2021 I’m told this video of a Taliban-operated heli is from Kandahar. #Afghanistan pic.twitter.com/DYT07X5diI— FJ (@Natsecjeff) August 30, 2021 アメリカ政府監査院(GAO)の報告書によると、アメリカは2003年から2016年に、アフガン政府軍に対して大量の戦闘機器を提供。各種のライフル銃が35万8530丁、機関銃が6万4000挺以上、自動擲弾発射器(グレネードランチャー)が2万5327基、ハンビーが2万2174台などだ。 アメリカを拠点とするアフガニスタン復興特別査察官(SIGAR)の報告書によると、2021年6月末の段階では、アフガン空軍がそれまでに運用していた航空機は、戦闘ヘリコプターや航空機など167機だった。 SIGARの報告書はさらに、2017年12月から2021年6月までに、少なくとも3012台のハンビーがアフガン軍に提供されたとしている。 (翻訳:ガリレオ) ===== New video of a Taliban operated Black Hawk heli, circulating on pro-TB accounts. #Afghanistan pic.twitter.com/D6tcKmersl— FJ (@Natsecjeff) August 30, 2021 I’m told this video of a Taliban-operated heli is from Kandahar. #Afghanistan pic.twitter.com/DYT07X5diI— FJ (@Natsecjeff) August 30, 2021
他者を思いやり行動する度合い、日本は世界で最も高かった
<他者を思いやり、その要望や願いを汲み取ったうえで、自らの意思を決め、行動する「ソーシャルマインドフルネス」度合いが最も高かったのは日本だった> 今、この瞬間、他者を思いやり、その要望や願いを汲み取ったうえで、自らの意思を決め、行動する「ソーシャルマインドフルネス」の度合いことを「ソーシャルマインドフルネス」という。このような社会的行動の傾向は国によって異なることが明らかとなった。 日本が最も高く、オーストリア、メキシコ、イスラエルがつづく 蘭ライデン大学の心理学者ニールス・ファン=ドソン准教授は、…
「典型的な論者を呼んでも、正直退屈」と講演会で打ち明けられた著述家が、「右でも左でもない」を目指す理由
<新しい同調圧力、新しいプロパガンダが生み出されつつある、と辻田真佐憲著『超空気支配社会』。左右のイデオロギー対立が深まる今の日本社会で、いかに生きていくべきか> ああ、またか。今回のコロナ禍でも、われわれを動かしたのは科学ではなく、やはり空気だった。 もはや誰もが薄々気づいている。緊急事態宣言の発出タイミングにも、それにともなうさまざまな自粛要請の細目にも、科学的な根拠などないのだと。そこにあるのはただ、ひとびとが行楽に出かける大型連休などに合わせて、できるだけ刺激的なメッセージを発することで衆目…
なぜ「ひまわり」は東を向いて咲くのか? 納得の理由があった
ひまわりは漢字で「向日葵」と書くように、太陽の方角を向いて咲くことがよく知られています。でも実際には、太陽に向かって咲くのは一部のひまわりだけで、多くのひまわりは東の方角を向いて咲きます。これは一体なぜでしょうか? 最近、明らかにされたその合理的な理由を説明します。
「米軍撤退で戦争が終わる」は米政権の自己欺瞞(マクマスター元NSC補佐官)
<元安全保障担当補佐官が、現実を直視できないトランプとバイデンがいかにアフガニスタン政策を誤ったかを指摘> H・R・マクマスター元米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、アフガニスタンからの米軍撤退は戦争の終結を意味する、という考えは「自己欺瞞」にすぎないと警告した。 「現代の辺境に命を捧げたわが国の兵士たちを称えるためには、アメリカは、自己欺瞞から抜け出し、この終わりなき永遠の戦争は、米軍の撤退によっては終わらないという現実に直面するべきだ」と、トランプ政権の国家安全保障大統領補佐官だったマクマスタ…