水深60メートル、世界最深のプールで目にする「未知の世界」

<この夏ドバイにオープンしたギネス記録の新名所には「わくわくする」との声とともに、「不気味」という意見も> 船舶機関士のアブドラ・アルセナーニはダイビングが趣味。7月29日には「これから世界で一番深いプールにダイブする」と書いて、動画投稿サイトTikTok(ティックトック)に映像を投稿した。 水が黒っぽく見えることを除けば、どこにでもありそうな屋内プールだ。だがカメラが映し出したプール内部には「水中都市」が広がり、深淵へ続く筒状の道があった。 「僕はダイバーだから未知の世界を発見することにわくわくす…

アフガニスタン撤退は、バイデンの「英断」だった

<「永遠の戦争」を続ける必要はない。アメリカは中国や温暖化などの、戦略課題にシフトするべき時だ> タリバンの攻勢を前にアフガニスタン政府軍はひとたまりもなく敗走し、アシュラフ・ガニ大統領はそそくさと国外に逃亡。残された市民は空港に殺到し、離陸する米軍機にしがみついて死者まで出る騒ぎに──。 こうした光景を目の当たりにして世界中のメディアが抗議の声を上げ、ジョー・バイデン米大統領は轟々たる非難の矢面に立たされた。 アメリカはアフガニスタンを失い、メンツも失った。「いざというとき頼りにならない国」として…

イーロン・マスクのスペースX、宇宙で毎週1600件のニアミス事故

<大量の人工衛星により、安価で高速なネット環境を整える計画だが…> 革新的な民間ロケット開発で知られるイーロン・マスク氏のスペースX社で、もうひとつの野心的なプロジェクトが進行している。大量の衛星によって地球全域に高速な通信網を整備する、「スターリンク計画」だ。 スターリンクは地上の敷設ケーブルに頼らず、衛星経由でインターネット網を提供する。これにより同社は、アラスカなどの極地も含めた広い地域に、安価かつ高速な通信回線をもたらすとしている。 2019年11月から「Better than Noth…

<裁判>大谷元同僚スキャッグスが薬物死したのはエンゼルスのせい──遺族

<大谷翔平とも仲が良かったスキャッグス投手。その彼が急死したのは、薬物依存症の球団職員が選手相手に麻薬をさばいていたからだったと、連邦検事は主張する> 2021年8月20日にテキサス州フォートワースで提出された新たな法廷文書で連邦検事が主張するところによれば、メジャーリーグ(MLB)の「ロサンゼルス・エンゼルス」の元広報部長エリック・ケイは、2019年に薬物の過剰摂取で死亡した投手のタイラー・スキャッグスのほか、少なくともあと5名の選手に違法薬物を提供していた可能性がある。 スキャッグスが薬物の過剰…

虫の捕食と花粉媒介を共存させるユニークな食虫植物を発見

<北米西海岸の湿地に生息し、北アメリカの都市近郊にも広く生息する植物が食虫植物であることが初めて確認された> オモダカ目チシマゼキショウ科イワショウブ属に分類される単子葉植物「ウェスタン・フォルス・アスフォデル」は、米アラスカ州からカリフォルニア州までの北米西海岸の湿地に生息し、夏には、粘着性のある腺毛で覆われた長い茎にブヨやユスリカのような小さな虫がくっつく。 このほど、北アメリカの都市近郊にも広く生息するこの植物が食虫植物であることが初めて確認され、一連の研究成果が2021年8月17日付の「米国…

アジア歴訪中のカマラ・ハリス一行を襲った?「ハバナ症候群」とは何か

<ベトナムに向かうハリス副大統領一行の出発を遅延させたのは、2016年以来、米外交関係者に原因不明の体調不良を引き起こす「ハバナ症候群」とみられるが> ハノイにある在ベトナム米大使館によると8月24日、シンガボールからベトナムに向かおうとしていたカマラ・ハリス米副大統領の一行の出発が数時間遅れた。原因は、「異常な健康事案」の発生だった。 AP通信の報道によれば、この「異常な健康事案」は、「ハバナ症候群」とみられている。2016年後半にキューバの首都ハバナに駐在していたアメリカの外交官や米政府職員が初…

メスのサメしかいない水槽で赤ちゃんが生まれる

<科学者たちは大興奮! DNA検査で証明されれば、ホシザメとして初めての事例に> イタリア・サルデーニャ島の水族館で、メスだけの水槽からホシザメの赤ちゃんが誕生した。科学者によると、今回の出来事は、この種による無性生殖の初めての事例となる可能性があるという。 サルデーニャ島にあるカーラ・ゴノネ水族館では、10年前から今回のサメの生みの親であるメスと他のメス1匹が同じ水槽で飼育されていたとイタリアの通信社AGIが報じている。 単為生殖とは、本来有性生殖(受精によって子孫を残す)を行う生物のメスが単独で…

90年代以降に急増した博士号取得者に、活躍の場はあるか?

<今や日本の人口の209人に1人いる「博士号」を取得した知的人材は、日本社会でどう活用されているのか> 「末は博士か大臣か」という言葉がある。将来有望な子どもが言われたことだが、学位令が公布された明治中期では、博士号学位は国の大臣と同じくらいの稀少性があった。だが時代とともに授与数は増え、年間1000、2000、1万となり、最近では毎年1万5000人ほどの博士が生まれている。 長年にかけてこれが累積し、今の日本社会にはどれほどの博士がいるのか。文科省の『博士・修士・専門職学位の学位授与状況』には、1…

アフガニスタン政府軍はなぜあんなに弱かったのか、米政府はこの浪費を説明せよ

<2兆ドルも費やして戦果はゼロ。アフガン軍が弱い金食い虫だった責任の一端は、アメリカが大々的に戦争を委託した民間軍事会社のせいもあるのではないか> カブール陥落以後の1週間、これほどアフガニスタンについての情報があふれたことはないだろう。だが、アフガニスタンにおけるアメリカの戦争が、不透明で説明責任とは無縁の民間軍事会社に大々的に委託されていた事実については、ほとんど触れられることがない。 民主的なアフガニスタン建設のためとされた戦争は、これ以上なく非民主的なやり方で遂行されていたのだ。 いかにして…

タリバンの本質は20年前のまま、国際社会に受け入れられる努力は実るか

<米軍撤退に乗じて全土を掌握したタリバンだが、柔軟姿勢の指導部と凶暴な戦闘員はどっちが本物?> 略奪や処刑を伝える話が国中から聞こえてくる。首都カブール在住の市民は海外にいる友人知人に電子メールを送り、タリバンの戦闘員が住宅に押し入って女性のジャーナリストや医師を連行する様子を伝えている。 だが電光石火でアフガニスタン全土を制圧して以来、タリバン指導部はまさに真逆のメッセージを世界に発信している。現場の戦闘員には乱暴を慎めと命じ、国民に向けては自分たちの「善意」を信じろと呼び掛けている。 前政権で働…