菌類を利用して野イチゴの天然香料が発見される

ワイルドストロベリー
Credit:Ural-66(Wikipedia)_Fragaria vesca

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ワイルドストロベリー(和名:エゾヘビイチゴ)を代表とする野生のイチゴ(または野イチゴ)は、商店に並ぶイチゴとは違った魅力があります。

自然で育った野イチゴは濃厚で強い香りと独特の風味があるのです。

ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセン(Justus Liebig University Giessen)に所属する食品科学者ホルガー・ツォーン氏ら研究チームは、菌類である酵母を使用して野イチゴの香りを再現することに成功しました。

研究の詳細は、11月17日付の科学誌『Journal of Agricultural and Food Chemistry』に掲載されています。

目次 果物の搾りかすと菌類から新しい香りを生み出す菌類を利用して甘酸っぱい野イチゴの香りが生成される 果物の搾りかすと菌類から新しい香りを生み出す …

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参考文献

Get this: Fungus can make trash smell like strawberries
https://www.popsci.com/science/fungus-fermentation-waste-aroma/

元論文

Wild Strawberry-like Flavor Produced by the Fungus Wolfiporia cocos─Identification of Character Impact Compounds by Aroma Dilution Analysis after Dynamic Headspace Extraction
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jafc.1c05770#

極寒の南極で「空気中の水素をエサにして生きるバクテリア」を発見

南極東部マッケイ氷河のの北にある氷のない砂漠地帯。バクテリアはここから発見された。
Credit:Ian Hogg

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エネルギーとして得るものが何もなく、乾燥して細胞を維持することさえ困難な環境にも数多くのバクテリアが存在しています。

彼らはいったいどうやって生きるためのエネルギーを得て、細胞を維持しているのでしょうか?

南アフリカのプレトリア大学(UP)の研究チームは、東南極の凍土に潜む451種類のバクテリアを調査し、そのほとんどが空気中の水素を燃料とし、副産物として水を生成していることを明らかにしました。

また遺伝子解析から、これらの細菌は10億年前にこのような形態に分岐したこともわかったといいます。

人間が水素をエネルギー源として活用し始めたのはつい最近のことですが、南極に住むバクテリアは10億年前からそれをしていたようです。

研究の詳細は、11月9日付で科学雑誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載されています。

目次 極限の環境で生きる微生物霞を食べて生きる微生物たち水がない環境でも生命が生存できる可能性 極限の環境で生きる微生物 今回調査が行われたのは、東…

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参考文献

Antarctic bacteria live on air and make their own water using hydrogen as fuel
https://theconversation.com/antarctic-bacteria-live-on-air-and-make-their-own-water-using-hydrogen-as-fuel-171808

元論文

Multiple energy sources and metabolic strategies sustain microbial diversity in Antarctic desert soils
https://www.pnas.org/content/118/45/e2025322118

放射線で成長するクロカビが「生きたシールド」として宇宙飛行士を守る

真菌クラドスポリウムの一種が放射線を防ぐ
Credit:Keisotyo(Wikipedia)_クラドスポリウム

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宇宙空間では、太陽や銀河から届く放射線(宇宙線)が飛び交っています。

そのため、宇宙空間に長期滞在する宇宙飛行士たちは、それらの放射線から守られなければいけません。

アメリカ・ノースカロライナ科学数学学校(NCSSM)に所属するグラハム・シャンク氏ら研究チームは、放射線を防ぐ特殊な菌類について報告しました。

遠い将来、宇宙飛行士を守る「生きたシールド」を形成できるかもしれません。

研究の詳細は11月4日付のプレプリントサーバー『BioRxiv』に掲載されました。

目次 宇宙飛行士を放射線から守るシールド放射線を遮断し、エネルギーにして成長する真菌真菌の放射線シールドの実用化は遠い 宇宙飛行士を放射線から守るシ…

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参考文献

Could a Radiation Shield Made of Fungus Keep Astronauts Safe During Space Travel?
https://www.sciencealert.com/could-a-radiation-shield-made-of-fungus-keep-astronauts-safe-during-space-travel

元論文

A Self-Replicating Radiation-Shield for Human Deep-Space Exploration: Radiotrophic Fungi can Attenuate Ionizing Radiation aboard the International Space Station
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.07.16.205534v6.full

微生物の代謝を利用――排水から電力を生む「微生物燃料電池」を開発

微生物の代謝機能を利用して排水中の有機物を電力エネルギーに変換する微生物燃料電池(MFC)は、環境維持の観点から発電や排水処理の分野で注目されている。UCLAの研究チームは、微生物燃料電池の電力生産効率を大幅に向上させる […]

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2700年前の「うんち」にブルーチーズに必要な菌類が発見される

先史時代のオーストリアではすでにブルーチーズが作られていた?
Credit: jp.depositphotos

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人間の排泄物は、通常、何千年にもわたって残ることはありません。

しかし、オーストリアのザルツカンマーグート地方にある遺跡には、例外的に古代人の「うんち」が見つかっています。

イタリア・オーストリアの共同研究チームはこのほど、そこで採取された約2700年前の排泄物を調べた結果、ブルーチーズとビールの生産に必要な2種の菌類が発見されたと発表しました。

これは先史時代のヨーロッパ人がブルーチーズを作っていたことを示唆する初の証拠です。

研究は、10月13日付けで学術誌『Current Biology』に掲載されています。

目次 2700年前にはすでに「ブルーチーズ」が作られていた? 2700年前にはすでに「ブルーチーズ」が作られていた? 今回調査された遺跡は、ユネスコ…

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参考文献

Ancient poop shows people in present-day Austria drank beer and ate blue cheese up to 2,700 years ago
https://phys.org/news/2021-10-ancient-poop-people-present-day-austria.html
Poop found in ancient Austrian mine shows humans consumed beer and blue cheese 2,700 years ago
https://www.zmescience.com/science/ancient-poop-blue-cheese-austria/

元論文

Hallstatt miners consumed blue cheese and beer during the Iron Age and retained a non-Westernized gut microbiome until the Baroque period
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)01271-9

NEDOがバイオ由来製品生産の実用化に向けスケールアップ実証と人材育成の場を関東圏に提供

NEDOがバイオ由来製品生産の実用化に向けスケールアップ実証と人材育成の場を関東圏に提供 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、8月23日、バイオ由来製品生産(物質生産)技術を産学で実証する拠点を関東圏に提供し、「バイオものづくりに携わる人材を育成する事業を開始すると発表した。 Read More