NASAがクマムシを「光速の30%」まで加速させる宇宙飛行計画を発表

クマムシを「光速の30%」まで加速するNASAの恒星間航行計画が発表(減速装置は未搭載)
Credit:Canva

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恒星間航行をはじめて行う生物はクマムシになりそうです。

NASAが資金提供するカリフォルニア大学の宇宙計画「スターライトプロジェクト」によれば、手のひらサイズの薄い帆を持つ宇宙船を「光速の30%」まで加速させ、恒星間航行を行う計画があるとのこと。

また、宇宙船の搭乗員かつ被検体には、過酷な環境に耐えるクマムシが有力候補として挙がっているようです。

もし計画が実現すれば、恒星間航行(片道切符)を最初に行った生物としてクマムシが歴史に刻まれるでしょう。

研究の詳細は、今年1月付で科学雑誌『Acta Astronautica』にて公開されています。

目次 クマムシを「光速の30%」まで加速する計画 クマムシを「光速の30%」まで加速する計画 クマムシは絶対零度から水の沸点を超える温度に耐え、水や…

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参考文献

Can we – should we – send life to the nearest star?
https://earthsky.org/space/send-life-to-the-nearest-star-tardigrade-wafercraft/

元論文

Interstellar space biology via Project Starlight
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0094576521005518#!

ついに「小惑星リュウグウ」のサンプルを詳細分析した論文が発表される

2018年にはやぶさ2の望遠カメラで20kmの距離から撮影された小惑星リュウグウ
Credit:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

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今から約1年前、探査機「はやぶさ2」が「小惑星リュウグウ」から回収したサンプルを地球へ送り届けました。

その貴重なサンプルが詳細に分析され、今回2本の論文として宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームから発表されました。

それによると、リュウグウは非常に暗く、多孔質であり、これまで科学者たちが入手した物質の中で、もっとも古い太陽系材料が含まれているといいます。

現在のところ予想外の発見があったわけではありませんが、これは45億年前の太陽系形成以来、ほぼ変化がないまま保存されたサンプルであり、太陽系天体の形成を理解するための最上級の手がかりであることは確かです。

この分析結果は、12月20日付で科学雑誌『Nature Astronomy』に2つの論文として発表されています。

目次 もっとも古い太陽系の資料 もっとも古い太陽系の資料 小惑星リュウグウから回収されたサンプルの詳細分析が完了し、今月2本の論文としてその結果が発…

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参考文献

We Finally Have The First-Ever Analysis of Stardust Retrieved From The Ryugu Asteroid
https://www.sciencealert.com/scientists-have-analyzed-ancient-stardust-collected-from-asteroid-ryugu
天文学:持ち帰られたリュウグウの試料の初見
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/13922

元論文

Preliminary analysis of the Hayabusa2 samples returned from C-type asteroid Ryugu
https://www.nature.com/articles/s41550-021-01550-6
First compositional analysis of Ryugu samples by the MicrOmega hyperspectral microscope
https://www.nature.com/articles/s41550-021-01549-z

無理やり地球の自転を急停止させたら、地球はどうなってしまうのか?

自転が止まると地球に何が起こる?
Credit: jp.depositphotos

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日々実感することはありませんが、地球は常にかなりの速度で回転しつづけています。

子供じみた想像かもしれませんが、もしこの地球の自転を、コマを指でつまむようにして急停止させてしまったら、地球には何が起きるのでしょうか?

国立航空宇宙博物館(NASM・米)の名誉地質学者であるジェームズ・ジンベルマン(James Zimbelman)氏は「あくまで思考実験の話ですが、本当に恐ろしいことが起こる」と話します。

その「恐ろしいこと」というのは、以下で見ていきましょう。

目次 地球上のすべてが吹き飛ぶ! 地球上のすべてが吹き飛ぶ! 大前提として、「地球の自転スピードはとても速い」ことを念頭におかなければなりません。 …

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参考文献

What would happen if Earth suddenly stopped spinning
https://www.livescience.com/what-if-earth-stopped-spinning.html