がん治療の未来はフキノトウが握っているかもしれません。
9月1日に、日本の岐阜大学の研究者たちにより『The Journal of Clinical Investigation』に掲載された論文によれば、日本原産のフキノトウの苦味成分から、極めて強力かつ副作用の少ない、抗がん作用のある化合物「ペタシン」が発見されたとのこと。
効果は動物実験においても確認されており、がんになったマウスの腹腔(横隔膜の下)にペタシンを投与することで、がん細胞の増殖と転移を防ぎ、縮小させることにも成功。
さらにマウスの体には、目立った害も現れなかったそうです。
しかし、どうしてペタシンに、これほどの抗がん作用があったのでしょうか?
以下では、発見につながった研究者たちの地道な努力を紹介しつつ、ペタシンの秘密に迫っていきます。
目次 フキノトウから抽出されたペタシンはがん細胞のミトコンドリアを攻撃するペタシンは動物実験でも抗がん作用が確認されたペタシンは既存のミトコンドリア…
参考文献
日本原産フキノトウから がんの増殖・転移を強く抑制する物質を発見
https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/press/20210826.pdf
元論文
Petasin potently inhibits mitochondrial complex I–based metabolism that supports tumor growth and metastasis
https://www.jci.org/articles/view/139933