垂直農法は世界を食べさせることができるか?:農業ヴェンチャーInfarmの挑戦(後篇)

瑞々しいレタスに香り高いバジル。いまや垂直農法は自動化や機械学習によって作物の糖度、酸性度、ビタミン、毒性、抗酸化物質を測定し、風味豊かな植物や新しい味を生み出そうとしている。従来の農法に比べわずかな土地や水しか使わない一方、地球上の食糧自給の解決策としてもビジネスとしても、まだまだ機能していない。真の自給自足へと挑戦を続ける農業ヴェンチャーの挑戦を追う後篇。

垂直農法は世界を食べさせることができるか?:農業ヴェンチャーInfarmの挑戦(前篇)

スーパーマーケットの店内で栄養豊富な水とLEDの光に照らされてトレイに並ぶ新鮮な葉物野菜やハーブを選んで購入する──成長を見せる垂直農法を牽引するのがベルリン発の農業ヴェンチャーInfarm(インファーム)だ。従来の農業に比べて圧倒的に省資源で二酸化炭素排出量が少ない垂直農法は、果たして富裕層向けの付け合わせサラダから、大衆向けの持続可能な作物へと移行することは可能だろうか?

生体電気による「細胞間のインターネット」で失われた手足の再生に挑む(後篇)

いつの日か人間の手足が再生できるようになることは、発生生物学者の誰もが疑っていない。問題は、それがいつ実現するのか、そして再生が実際はどのように機能するかだ。発生生物学者のマイケル・レヴィンは細胞同士のコミュニケーションを司る生体電気こそが「形態形成のコード」だと考えている。果たして生体電気をハックすれば、生物の体を自在にプログラム可能になるのだろうか? 生物学とコンピューターサイエンスが融合した最新研究の後篇をお届けする。

生体電気による「細胞間のインターネット」で失われた手足の再生に挑む(前篇)

シカが角を生やし、人間が肝臓を再生するように、生物は単に傷を治すだけでなく、体の一部を再生することができる。わたしたちの体を構成する細胞が、生体電気を使ってコミュニケーションをとり、自分たちが何になるかを細胞間で決定しているからだと発生生物学者のマイケル・レヴィンは考えている。では生体電気のコードを解読し、コントロールすることは可能なのだろうか?生物学とコンピューターサイエンスが融合した最新研究を前後篇でお届けする。