2021年もまもなく終わりを迎えようとしています。
地上は新型コロナウイルスでさんざんでしたが、ひとたび地球を離れ宇宙へ目を向けると、そこにはさまざまな新しい発見がありました。
火星探査機パーサヴィアランスが火星に降下し、月面の探査機が謎の物質を見たと報告したり、民間人が宇宙へ行ったり…。
その中で今年世間を騒がせた興味深い宇宙関連の記事をランキング形式で紹介します。
SFまがいの夢にあふれる宇宙の話題で今年を壮大に締めくくりましょう。
目次
- 2021年話題を読んだ宇宙関連記事 BEST5
2021年話題を読んだ宇宙関連記事 BEST5
第5位 土星が傾いている原因は「衛星タイタン」に引っ張られたせいだった
土星の傾きは40億年以上前に、海王星軌道が変化した影響だと考えられています。
しかし、1月18日に科学雑誌『 Nature Astronomy』で発表された新しい研究は、土星が傾いた原因は、衛星タイタンの移動の影響で現在もその傾きを大きくしていると報告しています。
この考えでは、土星の軸の傾きは今後数十億年で2倍以上になる可能性があるそうです。
土星については他にも興味深い研究が今年は報告されていて、カリフォルニア工科大学の天文学者マンコビッチ博士は、土星の内部は地面どころか、はっきりした境界を持つコアすらなく曖昧な状態になっている、という研究を発表しています。
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第4位 「木星の大赤斑」の深さは地上から国際宇宙ステーションまでの距離を上回る
木星を周回するNASAの探査機「ジュノー」が、木星のトレードマークともなっている大赤斑の嵐がどのくらいの深さまで広がっているかを明らかにしました。
この報告によると、大赤斑は雲頂から500kmもの深さまで続いているそうです。
これは地球に置き換えた場合、地上から国際宇宙ステーション(ISS)が浮かぶ軌道上よりも長い距離です。
第3位 太陽コロナが熱すぎる理由はナノフレア!?
最近、NASAの観測機パーカー・ソーラー・プローブ が太陽コロナに史上初めて突入したというニュースが話題となりましたが、実は太陽コロナは太陽表面より熱いということをご存知でしょうか?
太陽の表面温度は6000度ですが、なんと表面から離れた大気(コロナ)は100万度以上もあるのです。
これは「コロナ加熱問題」と呼ばれ、太陽最大の謎と言われています。
科学雑誌『Nature Astronomy』に発表された研究は、この問題を説明するナノフレアを確認したと報告しています。
第2位 球状星団の中には無数の小さなブラックホールがある!?
球状星団とは銀河の周辺にある、星々が集まって光の玉のようになっている天体のことです。
この球状星団の中心には、中間質量ブラックホールがあり、それが星々を集めていると考えられていました。
しかし、2月11日に科学雑誌『Astronomy & Astrophysics』で発表された新しい研究は、星団の星の動きを分析した結果、球状星団の中心は小さな複数のブラックホールの集まりになっていると報告したのです。
これは興味深い意外な発見であると同時に、天文学者たちの期待を裏切る発見です。
第1位 ダークマターの正体は「原始ブラックホールの中は別次元の宇宙」!?
宇宙には星の崩壊に依らず、高密度の空間が崩壊することで形成されるブラックホールが存在すると言われています。
それはビッグバン直後の初期宇宙で誕生したとされていて、原始ブラックホールと呼ばれています。
米国物理学専門誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載された研究では、この原始ブラックホールが、実はビッグバン直後に無数に誕生した別の「子」宇宙である可能性を語っています。
そしてそれこそがダークマターの正体である可能性があるそうです。
SFじみた話ですが、研究者はこれが観測によって検証可能だと主張しています。
壮大な宇宙の神秘に触れて、地上での嫌なことは忘れて年を越しましょう。
では良いお年を!