ヴァイキングは「ツノ付き兜」をかぶっていなかった可能性が高い

ヴァイキングは「ツノ付き兜」をかぶっていなかった可能性
Credit: National Museum of Denmark – Horned ‘Viking’ helmets were actually from a different civilization, archaeologists say(2022)

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西暦800年頃から約250年にわたり、西ヨーロッパの海を席巻した強戦士ヴァイキング

ヴァイキングといえば、あの雄牛のような力強いツノで装飾されたヘルメットを思い浮かべるでしょう。

しかし実は、ヴァイキングがツノ付き兜(かぶと)を実際に付けていた証拠はどこにもないのです。

その一方で、「ヴァイキング=ツノ付き兜」のイメージを定着させたヘルメットは実際に存在します。

これまで、そのヘルメットの正確な年代は不明でしたが、オーフス大学(AU・デンマーク)の最新研究により、紀元前900年頃のものであることが判明しました。

詳しい経緯を以下で見ていきましょう。

研究は、昨年の12月21日付けで学術誌『Journal Praehistorische Zeitschrift』に掲載されています。

目次 ヴァイキングは「ツノ付き兜」をかぶっていなかった⁉︎ ヴァイキングは「ツノ付き兜」をかぶっていなかった⁉︎ デンマーク文化省(DMC)によると…

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参考文献

Horned ‘Viking’ helmets were actually from a different civilization, archaeologists say
https://www.livescience.com/horned-viking-helmets-from-different-civilization

元論文

Anthropomorphised warlike beings with horned helmets: Bronze Age Scandinavia, Sardinia, and Iberia compared
https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/pz-2021-2012/html

太陽と月の重力が動植物の行動に影響を与えていると判明

月と太陽の重力は地球の動植物の行動に影響していた
Credit:depositphotos

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地球の生物はすべて、太陽・月による重力変動を受けながら進化してきました。

これは生物の活動リズムと関係する可能性があるということは、以前から指摘されていましたが、それはとても小さな力であるため科学的には軽視されがちでした。

今回、ブラジルのカンピーナス大学(UNICAMP)とイギリスのブリストル大学( University of Bristol)の二人の研究者は、重力潮汐力が生物の活動リズムを常に形成してきた知覚可能な力であることを、新たな研究から示しました。

この研究では、広範な文献のメタ分析を通じて、サンゴの繁殖力や、ひまわりの苗の成長、等脚類の遊泳パターンが太陽・月の重力と関連することを明らかにしています。

研究の詳細は、科学雑誌Journal of Experimental Botany』に11月2日付で掲載されています。

目次 月と太陽が地球に与える影響生命が示すリズム 月と太陽が地球に与える影響 今回の研究の話題に入る前に、まず太陽と月が地球に与えている重力の影響に…

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参考文献

Gravitational action of sun and moon influences behavior of animals and plants, study shows
https://phys.org/news/2022-01-gravitational-action-sun-moon-behavior.html

元論文

Are cyclic plant and animal behaviours driven by gravimetric mechanical forces?
https://academic.oup.com/jxb/advance-article/doi/10.1093/jxb/erab462/6417250

2021年に話題となった「壮大な宇宙ニュース」ランキング

地球から約3100万光年離れた場所にある渦巻銀河「NGC3627」
Credit:ESO/PHANGS

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2021年もまもなく終わりを迎えようとしています。

地上は新型コロナウイルスでさんざんでしたが、ひとたび地球を離れ宇宙へ目を向けると、そこにはさまざまな新しい発見がありました。

火星探査機パーサヴィアランスが火星に降下し、月面の探査機が謎の物質を見たと報告したり、民間人が宇宙へ行ったり…。

その中で今年世間を騒がせた興味深い宇宙関連の記事をランキング形式で紹介します。

SFまがいの夢にあふれる宇宙の話題で今年を壮大に締めくくりましょう。

目次 2021年話題を読んだ宇宙関連記事 BEST5 2021年話題を読んだ宇宙関連記事 BEST5 第5位 土星が傾いている原因は「衛星タイタン」…

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2021年の「年末にガッツリ読みたい科学解説ランキング」ベスト5!

がっつり解説しよう!
Credit:depositphotos

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年末年始の長期休暇で、ボリュームのある科学の解説をじっくり読んでみたいという人向けに、今回は2021年に人気のあったガッツリ読める科学解説記事を5本紹介。

頭の体操にもなりそうな、知的好奇心を刺激するお話で、充実した年末年始を過ごしてください。

目次 2021年ガッツリ読める科学解説記事 BEST5 2021年ガッツリ読める科学解説記事 BEST5 第5位 宇宙を膨張させる未知のエネルギー「…

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太陽型星から宇宙災害「スーパーフレア」の詳しい様子を初検出 太陽系でも発生する恐れ

若い太陽型星「りゅう座EK星」で、スーパーフレアの発生に伴い巨大なフィラメント噴出が起こる様子の想像図
Credit:国立天文台

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スーパーフレアや、それに伴うコロナ質量放出(CME)と呼ばれる現象は、太陽表面で発生する爆発・噴火現象であり、太陽嵐という地球にも大きな被害を及ぼす大災害を引き起こします。

現在のところ、私たちの太陽でスーパーフレアが観測されたことはありませんが、この潜在的に危険な自然現象は、太陽とよく似た星を監視することで研究が進めています。

そして今回、日本の国立天文台や米国コロラド大学などの研究チームが、若い頃の太陽によく似た星「りゅう座EK星(EK Draconis)」から、スーパーフレアに伴って巨大なフィラメントが噴出する様子捉えることに成功しました。

太陽型星でスーパーフレアの可視光線による分光観測がされるのは初めてのことであり、その規模は太陽で起こった史上最大級の質量放出の10倍以上だったとのこと。

これは私たちの太陽でも発生する可能性があるといいます。

研究の詳細は、2021年12月9日付で科学雑誌『Nature Astronomy』に掲載されています。

 

目次 宇宙の危険な自然災害「スーパーフレア」若い太陽から観測された「スーパーフレア」 宇宙の危険な自然災害「スーパーフレア」 太陽の周囲には、コロナ…

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参考文献

太陽型星のスーパーフレアから噴出する巨大フィラメントを初検出 —昔の、そして今の惑星環境や文明に与える脅威—
https://www.nao.ac.jp/news/science/2021/20211210-okayama.html
A young, sun-like star may hold warnings for life on Earth
https://www.colorado.edu/today/2021/12/09/ek-draconis

元論文

Probable detection of an eruptive filament from a superflare on a solar-type star
https://www.nature.com/articles/s41550-021-01532-8