東南アジアで新型コロナ感染がピークアウトの兆し

<厳格な行動規制が奏功しつつある東南アジア。国によるバラつきも含めて現状を解説する> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2021年8月26日付)からの転載です。 1――新型コロナ感染がピークアウトの兆し 新規感染者数の推移新型コロナウイルス感染症は昨年、欧米諸国で猛威を奮ったのに対し、東南アジアでは比較的感染拡大が抑え込まれていた。しかし、今年に入ると、東南アジアでも新型コロナウイルスの感染状況が悪化し始め、6月中旬から感染ペースが加速した。ASEAN加盟全10カ国の1日あたりの新規感染者数…

初心者が知らない、勝ち続ける投資家が必ず守る「ルール」

<たとえマーケットでは常識でも、自分のルールに反することは決してしない。個人投資家のマイルールには、成功へのヒントが詰まっている> 勝ち続ける投資家の密かな決め事 刻々と変わる株式相場では、周囲に流されず、粛々と取引を実行することが成功の鍵。そのことを身をもって体験している投資家ほど、独自の売買ルールを持っています。 たとえマーケットでは常識でも、自分のルールに反することは決してしない。個人投資家のマイルールには、成功へのヒントが詰まっています。 ■「PER70倍以上の銘柄は買わない」 成長株投資で…

タリバン勝利の裏に習近平のシナリオーー分岐点は2016年

タリバン勝利の舞台裏には習近平が描いたシナリオがある。きっかけは2016年における米軍によるタリバンのマンスール師暗殺だ。トランプ前大統領に米軍撤退を決意させるまでの、習近平の周到な戦略を考察する。 2016年、マンスール師殺害で中国に助力を求めたタリバン 2016年5月21日、まだオバマ政権下にあったアメリカ軍は、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯で、当時のタリバンの最高指導者だったマンスール師をドローン(無人機)攻撃によって殺害した。これによりタリバンを和平交渉のテーブルに着かせるという考えを…

レイプでも近親相姦でも中絶できず、密告さえ奨励する新法に反発広がる

<ワクチン接種やマスク着用の義務化には反対なのに、女性には本人の意思に関わらず出産を矯正する保守派の矛盾を突く衝撃の動画も> 妊娠6週目以降の人工妊娠中絶を禁じるテキサス州の州法があまりにひどいと、全米に反発が広がっている。政治家や企業、有名人がこぞって反対の声を上げ、この法律を激しく非難する動画は視聴回数が180万回以上に達した。 9月1日に施行されたこの中絶禁止法は、事実上、中絶を不可能にするだけではない。妊娠6週目以降に中絶をした本人だけでなく、中絶を行った医療関係者や中絶を手助けした人も告発するよう、一般市民に奨励する仕組みになっている。権利擁護団体などがこの法律の差し止めを求めて訴えていたが、最高裁判所は9月1日の夜、差し止め請求を退けた。ジョー・バイデン大統領は最高裁の判断を批判する声明を出した。 非難に次ぐ非難のなかでも注目を集めたのが、作家で活動家のドン・ウインズロウが作った動画だ。ウインズロウはこの動画で、中絶禁止法の苛烈さを訴えると同時に、自分の身体に関わる選択権を主張して新型コロナワクチンの接種はこばみながら、女性の選択権を否定する保守派の矛盾を突いている。 3日の夕方、ウインズロウはツイッターにこの動画を投稿し、「共和党員は女性の体を『宿主』と呼んでいる」とツイートした。「テキサスの共和党州議員は、女性とその家族、中絶を行う医師らをつけまわし、通報するウェブサイトを開設した。彼らは女性に戦いを仕掛けている」 **NEW** VIDEO #TexasWarOnWomen Republicans are calling women’s bodies “Host bodies” Texas Republicans set up a website to stalk and report women, their families and the doctors who help them.They are waging a war against women.PLEASE RETWEET & QUOTE TWEET this video! pic.twitter.com/FMzVmOKADo— Don Winslow (@donwinslow) September 3, 2021 強烈なメッセージ 4日の東部標準時午後6時の時点で、この2分足らずの動画の視聴回数は、少なくとも180万回に達し、ウインズロウのツイートだけでも3万件近くリツイートされた。 「もしテキサス州で暴行され、強姦されたら、私は強姦犯人の赤ん坊を出産しなければなりません」というナレーションから、動画は始まる。「テキサス州で父や兄、叔父にレイプされて妊娠した場合、私は私を虐待する身内の赤ん坊を出産しなければなりません。この新しい法律はあまりにもむごいものです。私は中絶したことで訴えられる可能性があり、中絶を行った医者、支えた家族、助言した友人、あるいは私を診療所に乗せていったウーバーの運転手も訴えられる可能性があります」 「こんなことは狂っています」と、ナレーターは語る。「新型コロナワクチンに関しては、自分の体のことは自分で選択すると接種を拒み、抗議している人々が、私には自分の体のことを自分で決めることはできないと言っているのです」 この動画はさらに、テキサス州が学校でのマスク着用義務化を禁止していることも指摘している。学校でマスクをするかしないかは自由なのに、妊娠した場合は、強姦や近親相姦を含むどんな状況であっても、母体に危険がある場合を除いて出産を強制されることになる、と説明する。 ===== ウインズロウは1991年以来、主に犯罪小説の作者として活躍。「野蛮な奴ら」シリーズ、探偵ニール・ケアリーシリーズ、「犬の力」三部作などで知られている。近年は政治的な発言も多く、特にドナルド・トランプ大統領を批判している。ドン・ウインズロウ・フィルムズという映画会社を立ち上げており、昨年10月に反トランプ短編映画を制作。左派で有名なミュージシャン、ブルース・スプリングスティーンとコラボレーションした。 共和党が優勢な他の州の政府も、テキサス州の法律と同様の中絶禁止法案を起草し、可決する動きが広がっている。 テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は2日にCNBCのビジネスニュース番組に出演し、別名「ハートビート(心臓音)法」(胎児の心臓音を検知できる時期以降の中絶を禁じるため)ともいわれるこの中絶禁止法を擁護。中絶に対する州の姿勢は企業を遠ざけるどころか、むしろ引き付けるだろうと語った。 「テキサス州への企業や人の流入が鈍ることはない」と、アボットは番組で語った。「実際、この法律のおかげで、テキサス州への企業投資は加速している」 だがリフトやウーバーなど多くの企業は、この中絶禁止法を激しく非難している。ウェブホスティングサービスのゴーダディは、この法律に基づいて、反中絶団体が運営する通報を奨励する告発ウェブサイトとのプロバイダ契約の打ち切りを発表、24時間以内に他のプロバイダに乗り換えるように通告した。 ===== 【動画】中絶禁止法に抗議のメッセージ **NEW** VIDEO #TexasWarOnWomen Republicans are calling women’s bodies “Host bodies” Texas Republicans set up a website to stalk and report women, their families and the doctors who help them.They are waging a war against women.PLEASE RETWEET & QUOTE TWEET this video! pic.twitter.com/FMzVmOKADo— Don Winslow (@donwinslow) September 3, 2021

ハッブル宇宙望遠鏡が約1400光年離れたハービック・ハロー天体を観測

<ハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」の観測データをもとに、オリオン座方向で輝くハービック・ハロー天体の画像が公開された> 欧州宇宙機関(ESA)は、2021年8月30日、ハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」の観測データをもとに、地球から約1400光年離れたオリオン座方向で青い剣のように輝く画像を公開した。 特殊な条件下で形成される珍しい天体現象 この「青い剣」の正体は、生まれたばかりの恒星「IRAS 05491+0247」の両極から宇宙へと噴出する電離気体のジェットから…

「涙が溢れそうに」 ロックダウンで叔母の葬儀逃した羊飼い、羊で追悼メッセージ 豪

<オーストラリアの厳しい移動制限により、葬儀で別れを告げることは不可能に。しかし、羊飼いは諦めなかった> オーストラリアの田舎町で農家として暮らす29歳のベン・ジャクソン青年は、愛する叔母をがんで亡くした。2年間の闘病生活を立派に闘った彼女に最後の別れを告げたいと考えたが、どうやら叶いそうにない。 オーストラリアでは厳しい感染対策が敷かれ、州をまたぐ移動は大きく制限されている。葬儀が執り行われるブリスベンはクイーンズランド州に位置し、ジャクソン氏が住むニューサウスウェールズ州からの入境を禁じていた。…

ロシア・ベラルーシ合同軍が西側と戦う?

<9月1日、旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領がこう発言した。ベラルーシ軍とロシア軍は「実質的に一つ」だ> ベラルーシ軍とロシア軍は、「実質的に一つ」である──旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領は9月1日、こう発言し、仮に西側との戦争が勃発すれば「ベラルーシ軍がまず先頭に立って戦い、すぐにロシア西部軍が加わり共同で防衛する」と表明した。 同国には間もなくロシアから戦闘機やミサイル防空システムなどが供与されるという。 これらの発言は、両国が9月半ばに予定している20万人規模の合同軍事演習に先立つも…

国外脱出のチャーター機をタリバンが足止め?──「事実上の人質状態」と米議員

<アメリカにタリバン政権を承認させるための人質、との見方もあるが、米国務省にも有効な手段なし> アフガニスタンの実権を掌握したイスラム主義組織タリバンはここ数日、国外脱出を希望する人々を乗せた飛行機の離陸に待ったをかけているらしい。この状況について米政界では「人質を取られている」ようなものだとの声も上がっている。 AP通信は5日、北部マザリシャリフの空港で、少なくとも4機の航空機がはっきりしない理由で足止めされていると伝えた。アフガニスタンの当局者は、数百人の乗客は全てアフガニスタン人で、ビザがなか…

ハリケーン「アイダ」のルイジアナ州上陸はあのカトリーナからちょうど16年目の同じ日だった

死者1800人という未曽有の被害を出した巨大ハリケーン「カトリーナ」からちょうど16年目に当たる8月29日、カテゴリー4の大型ハリケーン「アイダ」が米ルイジアナ州ニューオーリンズを直撃した。 写真は翌日の路上。なぎ倒された電柱を呆然と眺める女性の姿があった。 送電網も壊滅的な被害を受けており、停電が数週間にわたって続くとみられる。9月5日時点で、ルイジアナ州では今も約60万の住宅・企業が停電中だ。 「アイダ」はその後、東海岸でも甚大な被害をもたらしており、ニューヨーク州でも17人の死者が出ている。 …

高利回りで人気の分散型金融「DeFi」、本当にリスクに見合う運用法なのか

<ブロックチェーンを使った「分散型金融」に仮想通貨を預けることで高い利息を得ることができるDeFiだが、実際にはどれほどのリスクがあるのか> 仮想通貨業界のニュースを追っている方は、DeFiという言葉を聞いたことがあるかもしれません。直訳すると「分散型金融」。ブロックチェーンを使って世界中に分散するユーザーが相互にチェックし合うことによって、預金や融資などの金融サービス提供を、銀行などの仲介業者を頼らずに個人間で(P2P)で実現するという壮大な実験です。 最初にDeFiブームが起きたのは、2020年…