サボテンの棘にヒントを得た「汗採取パッチ」を開発

サボテンの棘にヒントを得た「汗採取パッチ」を開発
Credit: Pohang University of Science & Technology(POSTECH) – Sweat-Collecting Patch Inspired by Cactus Spines(2021)

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汗には、尿素やグルコースといった様々な化学物質が含まれており、健康状態をモニタリングするにはもってこいです。

一方で、汗の分泌量や速度が不規則であるため、サンプリングが困難という問題があります。

しかし、浦項(ポハン)工科大学校(Pohang University of Science & Technology・韓)の研究チームはこのほど、サボテンの棘(とげ)にインスパイアされた新たな「汗採取パッチ」の開発に成功したと発表しました。

パッチは、繰り返し採血しなければならない糖尿病患者の血糖値チェックや、日常的な健康管理のウェアラブルデバイスとして使用できるとのことです。

研究は、8月15日付けで学術誌『Advanced Materials』に掲載されています。

 

目次 電力の要らない「汗採取パッチ」の開発に成功! 電力の要らない「汗採取パッチ」の開発に成功! 開発に当たってベースとした考えは、皮膚に貼り付ける…

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参考文献

Cactus Spine-Inspired Sweat Collection Technology
https://www.medgadget.com/2021/11/cactus-spine-inspired-sweat-collection-technology.html
Sweat-Collecting Patch Inspired by Cactus Spines
https://postech.ac.kr/eng/sweat-collecting-patch-inspired-by-cactus-spines/?pageds=1&k=&c=

元論文

Cactus-Spine-Inspired Sweat-Collecting Patch for Fast and Continuous Monitoring of Sweat
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.202102740

脳に電極を刺し「うつ病スイッチ」を刺激する臨床試験が開始される

脳に電極を刺し「うつ病スイッチ」を刺激する臨床試験が開始!
Credit:JMARCHIN

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うつ病にはスイッチがあるようです。

米国エモリー大学で行われた研究によれば、うつ病の発生源となっている回路に電極を刺し込んで1時間ほど刺激するだけで、薬の効果が無かった患者たちの症状が回復した、とのこと。

薬を用いたうつ病の治療は通常、数か月を要するものなのに、わずか1時間の電気刺激で回復がみられたという結果は非常に驚きです。

研究内容の詳細は11月3日に『Translational Psychiatry』で公開されています。

目次 脳に電極を刺し「うつ病スイッチ」を刺激する治療法が第二相に進出!電気刺激はβ波を抑えてネガディブな思考回路を遮断した臨床試験は第二相がはじまり…

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参考文献

Stimulation of brain’s “depression switch” offers rapid, sustained relief
https://newatlas.com/medical/stimulation-brain-depression-switch-rapid-sustained-relief/
Biomarker Identified for Early Antidepressant Effects of Deep Brain Stimulation
https://www.genengnews.com/neurological-disorders/biomarker-identified-for-early-antidepressant-effects-of-deep-brain-stimulation/

元論文

Intraoperative neural signals predict rapid antidepressant effects of deep brain stimulation
https://www.nature.com/articles/s41398-021-01669-0

いつもの薬「もらうだけ通院」は日本で減らせるか | 健康

毎月、同じ高血圧の薬だけをもらうために通院している。同じ病気で、受診しても簡単なお話と「いつものお薬出しておきますね」という会話だけで終わってしまう。 同じ手間の繰り返しなのだから、いつもの薬の「処方せん」が何度も使えればいいのに――。そう感じたことのある人は少なくないのではないでしょうか。 現実味…

イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見! アルツハイマーを封じ込めることに成功

イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見! アルツハイマーを封じ込めることに成功
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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イキイキ生活をボケ防止に変換してくれる遺伝子があるようです。

米国MIT(マサチューセッツ工科大学)で行われた研究によれば、刺激が多い環境に反応して、認知機能を維持する遺伝子「MEF2」が発見された、とのこと。

教育レベルが高かったり生きがいを得て刺激的な日々を送っている人間、そしてオモチャの多い環境で育ったマウスは「MEF2」が活性化されており、認知症の発生率が大きく下がっていたのです。

研究内容の詳細は11月3日に『Science TranslationalMedicine』で公開されています。

目次 イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見!イキイキマウスはアルツハイマー病になっても症状が抑えられるボケ防止遺伝子を破壊されたマウスに…

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参考文献

Study links gene to cognitive resilience in the elderly
https://news.mit.edu/2021/gene-cognitive-resilience-elderly-1103

元論文

MEF2 is a key regulator of cognitive potential and confers resilience to neurodegeneration
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abd7695

栄養をたくさん取ると成長が促進されるメカニズムは脳にあった!

100年前より背が高く思春期が早くなった理由を解明! 栄養と成長をつなげるメカニズム
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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栄養と成長をリンクさせる仕組みが解明されました。

英国ケンブリッジ大学で行われた研究によれば、栄養を検知して子供の成長と思春期入りのタイミングを調節する遺伝子を発見した、とのこと。

この遺伝子に異常があると、両親が高身長で十分な栄養をとっている子供でも、背は低くなり、思春期入りも遅くなってしまうとのこと。

研究内容の詳細は11月3日に『Nature』に公開されています。

目次 100年前より背が高く思春期が早くなった理由ダイエットで性欲がなくなる理由も同じ遺伝子のせいかもしれない 100年前より背が高く思春期が早くな…

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参考文献

Protein in the brain uses energy status to influence maturation, body size, new research shows
https://news.umich.edu/protein-in-the-brain-uses-energy-status-to-influence-maturation-body-size-new-research-shows/
Scientists have discovered the receptor in the human brain that is responsible for people growing taller and reaching puberty earlier than ever
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10162351/Scientists-brain-receptor-responsible-people-growing-taller-reaching-puberty-earlier.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

MC3R links nutritional state to childhood growth and the timing of puberty
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04088-9

肌に押し当てるだけのパッチ型ワクチンの臨床試験が始まる

パッチ型ワクチン接種
Credit:David A. Muller(The University of Queensland)_Needle-free COVID-19 vaccine shows promise(2021)

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現在、世界中で新型コロナウイルスのワクチン接種が行われています。

多くの人が注射器によるワクチン接種を受けたはずです。

そして最近、オーストラリア・クイーンズランド大学(The University of Queensland)化学分子生物科学部に所属するデビッド・ミュラー氏ら研究チームは、新しく皮膚パッチ型のワクチン接種を開発しました。

器具を使って貼るだけで新型コロナウイルスのワクチン接種が完了するため、注射器が嫌いな子供にも効果的です。

研究の詳細は、10月29日付の科学誌『Science Advances』に掲載されました。

目次 新型コロナウイルスのパッチ型ワクチン接種が開発されるパッチ型ワクチンの臨床試験が決定! 新型コロナウイルスのパッチ型ワクチン接種が開発される …

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参考文献

Needle-free COVID-19 vaccine shows promise
https://stories.uq.edu.au/news/2021/needle-free-covid-19-vaccine-shows-promise/index.html
Needle-Free Vaccine Patches Are Just a Matter of Time Now, Latest Results Indicate
https://www.sciencealert.com/new-mouse-study-suggests-needle-free-vaccine-patch-should-be-coming-very-soon

元論文

Complete protection by a single-dose skin patch–delivered SARS-CoV-2 spike vaccine
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj8065

トゲマウスに哺乳類で初となる「腎臓再生」の能力を発見

トゲマウスに哺乳類で初となる「再生能力」を発見
Credit: ja.wikipedia

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魚類や爬虫類、両生類には、傷ついた体の再生能力を持つものがいます。

その一方で、ヒトを含む哺乳類は、残念ながら、失われた部位の再生を得意とはしていません。

しかしこのほど、ワシントン大学(University of Washington・米)の研究チームは、トゲマウスというげっ歯類に、腎臓組織を再生する力があることを発見しました。

人為的にダメージを与えた腎臓の構造および機能が再生しただけでなく、腎不全の原因ともなる傷跡も残らなかったとのこと。

こうした臓器の再生能力が哺乳類に見つかるのは初であり、人体の再生医療にも役立つと考えられています。

研究は、11月3日付けで学術誌『iScience』に掲載されました。

目次 損傷から2週間で、腎臓が完全再生「心臓」の再生にも適用できる? 損傷から2週間で、腎臓が完全再生 トゲマウス(Spiny mouse)とは、ネ…

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参考文献

These adorable mice can regenerate their kidneys without scarring
https://www.zmescience.com/science/biology/these-adorable-mice-can-regenerate-their-kidneys-without-scarring/
Spiny Mice Appear to Regenerate Damaged Kidneys
https://www.the-scientist.com/news-opinion/spiny-mice-appear-to-regenerate-damaged-kidneys-69375

元論文

Spiny mice activate unique transcriptional programs after severe kidney injury regenerating organ function without fibrosis
https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(21)01238-4?utm_source=EA

半田病院システム復旧回復のめど立たず 旧PC利用し共有データ作成、新電子カルテ導入も検討|社会|徳島ニュース|徳島新聞電子版

電子カルテのシステムが身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」に感染して使えなくなった、つるぎ町立半田病院は、休診日の3日も復旧作業に当たったが回復のめどは立っていない。10月31日のウイルス感染以降、入院や外来患者の情報を手書きで記録していたため、負担軽減と情報の一元化を図ろうと、倉庫で眠っていたパソ…

2021年8月に発生した、新潟市ジュニア合唱団内における新型コロナウイルス集団感染に関する検証報告書について | ニュース – りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

2021年8月に発生した、新潟市ジュニア合唱団内における新型コロナウイルス集団感染に関する検証報告書について ご報告 既報のとおり本年8月中旬、新潟市ジュニア合唱団において、新型コロナウイルスの集団感染が発生いたしました。合唱団を運営する新潟市芸術文化振興財団りゅーとぴあ支配人として、心からお詫び申し上…

亜鉛に「ウイルス感染の予防と治療効果がある」と明らかに

亜鉛がウイルス感染の予防と治療の両方に効果があると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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亜鉛はウイルスに効くようです。

オーストラリアのウェスタンシドニー大学で行われた研究によれば、亜鉛を摂取するとウイルスによる呼吸器感染症の予防と治療の両方に効果がある、とのこと。

日本では、亜鉛といえば男性の性力増強に関連していると考える風潮が強いですが、どうやらウイルス感染に対しても大きな効果があるようです。

しかし、なぜ金属に過ぎない亜鉛を摂取するだけで、ウイルス感染の予防と治療ができるのでしょうか?

研究内容の詳細は『BMJ Open』で公開されています。

目次 亜鉛がウイルス感染の予防と治療の両方に効果があると判明!早めの亜鉛が風邪に効く 亜鉛がウイルス感染の予防と治療の両方に効果があると判明! 亜鉛…

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参考文献

Zinc Supplements May Help To Stave Off Respiratory Infections Such As Colds, Flu, and COVID-19
https://scitechdaily.com/zinc-supplements-may-help-to-stave-off-respiratory-infections-such-as-colds-flu-and-covid-19/
New Study Reveals Zinc Really Might Help Treat a Cold, But There’s a Catch
https://www.sciencealert.com/zinc-is-back-in-the-light-as-a-potential-for-treating-respiratory-infections

元論文

Zinc for the prevention or treatment of acute viral respiratory tract infections in adults: a rapid systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
https://bmjopen.bmj.com/content/11/11/e047474