自動車と同レベルの「俊足の恐竜」を示す足跡が発見される

足跡から自動車レベルの走行スピードが判明
Credit: Pablo Navarro-Lorbés(iflscience) – Fossil Footprints Could Set A Record For Dinosaur Speed(2021)

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近年の研究で、ティラノサウルスは実は鈍足だったことが分かってきています。

「じゃあ、恐竜は大して足が速くないんだ」というと、もちろんそんなことはありません。

ガタイの良すぎるティラノサウルスは、足への負担が大きかったため、速く走れなかっただけで、恐竜には様々なサイズがいます。

そしてこのほど、ラ・リオハ大学(University of La Rioja・スペイン)の最新研究で、市街地を走る自動車と同等のスピードを誇る恐竜の存在が確認されました。

これは、新たに見つかった2頭の恐竜の足跡から算出された結果で、時速27.7マイル(約44.6キロ)に達したとのことです。

研究は、12月9日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 足跡から最高レベルの「俊足」と判明 足跡から最高レベルの「俊足」と判明 2頭の恐竜の足跡は、スペイン北東部ログローニョのラ・リオハ州で発見され…

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参考文献

Meat-eating dinosaurs were terrifyingly fast, footprints reveal
https://www.livescience.com/fossil-tracks-speedy-dinosaurs
Footprints show some two-legged dinosaurs were agile
https://phys.org/news/2021-12-footprints-two-legged-dinosaurs-agile.html

元論文

Fast-running theropods tracks from the Early Cretaceous of La Rioja, Spain
https://www.nature.com/articles/s41598-021-02557-9

100年前の古新聞に包まれた「古代亀の化石」を発見!

100年前に発掘され、置きっぱにされていた化石を再発見
Credit: University of Alberta – Fossils dug up 100 years ago rediscovered wrapped in old newspaper(2021)

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アルバータ大学(University of Alberta・カナダ)にて、一粒で二度美味しい発見がなされました。

同大の南キャンパスにあるクオンセット(プレハブ工法によるカマボコ型の建物)から、100年前の古新聞に包まれた古代亀の化石が再発見されたのです。

標本に記載してある文字によると、これは、同大初の古生物学者ジョージ・スタンバーグ(George Sternberg)氏が率いた1920年と21年の化石発掘の成果であるという。

しかし、詳しい調査がされないまま、今日まで手付かずの状態で保管されていたと考えられます。

目次 非常にレアな古代亀の化石を発見! 非常にレアな古代亀の化石を発見! クオンセットの棚奥から発見されたのは、20個ほどの様々な化石断片です。 サ…

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参考文献

Fossils dug up 100 years ago rediscovered wrapped in old newspaper
https://www.ualberta.ca/folio/2021/12/fossils-dug-up-100-years-ago-rediscovered-wrapped-in-old-newspaper.html

大型の恐竜は水中で「お尻を浮かせて」泳いでいた?

巨大竜脚類は果たして水中で生活していたのか?
Credit:depositphotos

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ブロントサウルスなどを代表とする巨大竜脚類については、巨大な体重のために水中で生活していたという説と、陸生だったという説で議論がされています。

現在は陸生であったとする説が優勢ですが、これに疑問を唱える足跡の化石が発見されています。

それが白亜紀の恐竜の足跡が数多く見つかる地層(グレン・ローズ層)から発見された、竜脚類の前足だけの足跡化石です。

パデュー大などの調査では、これがかろうじて前足だけがつく状態で、竜脚類が非常に深い水の中を泳ぐようにして歩いていた痕跡ではないかといいます。

研究の詳細は、2019年12月13日付で科学雑誌『Ichnos』に掲載されています。

目次 竜脚類は水の中で生活していた? 竜脚類は水の中で生活していた? 恐竜の中でも、ポピュラーで人気があるのがブロントサウルス、ブラキオサウルス、デ…

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参考文献

Weird Tracks in Texas Indicate Giant Sauropods Walking on Their Front Feet Only
https://www.sciencealert.com/weird-tracks-in-texas-indicate-giant-sauropods-walking-on-their-front-feet-only

元論文

Thunder lizard handstands: Manus-only sauropod trackways from the Glen Rose Formation (Lower Cretaceous, Kendall County, Texas)
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/10420940.2019.1698424?journalCode=gich20

「こん棒の尻尾」を武器にする新種恐竜を発見 チリ大学

新種のアンキロサウルスを南米チリで発見
Credit: Alexander Vargas et al., Nature(2021)

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南米チリの亜南極域にて、奇妙な尻尾をもつ新種のアンキロサウルスの化石が発見されました。

最大の特徴は、殺傷性の高い武器のような尻尾で、既知種では見られません。

チリ大学(University of Chile)の古生物学者で、本研究主任のアレクサンダー・バルガス(Alexander Vargas)氏は「アステカの棍棒として知られる、マクアフティル(macuahuitl)に似ている」と指摘します。

それだけでなく、新種の化石は、アンキロサウルスの進化について、これまで知られていなかった物語を明らかにしてくれました。

研究は、12月1日付けで学術雑『Nature』に掲載されています。

目次 尻尾はまるで「アステカの棍棒」 尻尾はまるで「アステカの棍棒」 化石の発見は2018年2月のこと。約7490万〜7170万年前に当たる白亜紀の…

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参考文献

‘Very weird’ ankylosaur’s tail looked like an Aztec war club
https://www.livescience.com/new-ankylosaur-dinosaur-chile
New dinosaur species from Chile had a unique slashing tail
https://phys.org/news/2021-12-dinosaur-species-chile-unique-slashing.html

元論文

Bizarre tail weaponry in a transitional ankylosaur from subantarctic Chile
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04147-1

実は間違いだった!映画『ジュラシック・パーク』の真実10選

映画『ジュラシック・パーク』の科学的な間違いトップ10
Credit: jp.depositphotos

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スピルバーグ監督の大ヒット映画『ジュラシック・パーク』(1993)。

本作がきっかけで、恐竜好きになったり、古生物学者になろうと決心した人も多いでしょう。

しかし一方で、恐竜学の歴史は非常に浅く、今も毎日のように新知見や新種の化石が発見され続けています。

そのため、30年近くも前に公開された本作には、科学的事実と異なるシーンがたくさん見受けられるのです。

そこで今回は、実は間違いだった『ジュラシック・パーク』の真実10選を紹介していきます。

※ジュラシック・シリーズは全部で5作公開されており、1作目以外の作品に触れている箇所もあります。

1.蚊から「恐竜DNA」は抜き出せない 映画内で、恐竜をどのように蘇らせたか覚えているでしょうか。 琥珀の中に保存された蚊から恐竜の血液を取り出し、…

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参考文献

Here’s Just How Wrong Jurassic Park Is About Dinosaurs
https://www.ranker.com/list/factual-inaccuracies-in-jurassic-park/beth-elias?ref=browse_list

マンモスの絶滅により「草原火災」が急増していた

大型草食動物の絶滅により、草原での火災が増えていた
Credit: scitechdaily – Extinction of Ancient Grazers Triggered a Global Rise in Fires(2021)

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5万年前から6000年前にかけて、マンモスやジャイアントバイソン、古代馬など、大型の草食動物たちが姿を消しました。

エール大学(Yale University・米)の研究チームはこのほど、これらの草食種が失われたことによる生態系への影響を調査。

その結果、草を食む動物の絶滅により、草原における自然火災が劇的に増加していたことが判明しました。

研究は、11月26日付けで学術誌『Science』に掲載されています。

目次 絶滅率が高い地ほど、草原火災が急増 絶滅率が高い地ほど、草原火災が急増 エール大の研究チームは、ユタ自然史博物館(Utah Natural H…

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参考文献

Extinction of Ancient Grazers Triggered a Global Rise in Fires
https://scitechdaily.com/extinction-of-ancient-grazers-triggered-a-global-rise-in-fires/

元論文

Global response of fire activity to late Quaternary grazer extinctions
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abj1580

「肉食なのに歯がない」新種のクチバシ恐竜が発掘される

肉食なのに歯がない新種の「クチバシ恐竜」を発見
Credit: Geovane Alves de Souza et al., Scientific Reports(2021)

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ブラジル南部パラナ州にて、非常にめずらしい新種の恐竜化石が発見されました。

この恐竜は、約7000万年前の白亜紀後期に存在し、ノアサウルス科という肉食類に属します。

ところが、ブラジル国立博物館(Brazil’s National Museum)の声明によると、肉食類なのに歯がなく、代わりに「クチバシ」を持っているというのです。

一体どのような食生活をしていたのか、研究者たちの注目を集めています。

研究は、11月18日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。

目次 肉食なのに歯がない? 肉食なのに歯がない? 新種の化石は、2011年〜2014年にかけて、パラナ州の田舎道沿いにある岩石層から発見されました。…

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参考文献

Remains of ‘very rare’ dinosaur species discovered in Brazil
https://phys.org/news/2021-11-rare-dinosaur-species-brazil.html

元論文

The first edentulous ceratosaur from South America
https://www.nature.com/articles/s41598-021-01312-4

人間サイズのアンモナイト「パラプゾシア」が巨大進化した理由とは?

最大のアンモナイト「パラプゾシア」の標本。画像のものは直径1.8mに達する
Credit:Wikipedia

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アンモナイトはすでに絶滅している種ですが、多くの人がすぐ頭に思い浮かべられるほど有名な巻き貝です。

そのアンモナイトの一種、白亜紀後期に登場した「パラプゾシア(Parapuzosia)」は、発見された化石の直径が2m近くもある非常に巨大化した種です。

これまでパラプゾシアが、どのように巨大な進化を遂げたのかはわかっていませんでしたが、ドイツのハイデルベルク大学などの国際研究チームは、さまざまなサイズの154のアンモナイト化石から、進化の様子を明らかにしています。

これまでパラプゾシアの巨大化の原因は気候変動だと考えられてきました。

しかし今回の研究は、巨大化の時期が当時の気候変動とうまく一致していない可能性を示しています。では、なにがパラプゾシアを巨大化させたのでしょうか?

研究の詳細は、11月10日付で、科学雑誌『PLOS ONE』に掲載されています。

目次 世界最大のアンモナイト巨大化した進化の流れを発見! 世界最大のアンモナイト アンモナイトは、現在のオウムガイの仲間とされる巨大な殻を持った軟体…

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参考文献

We May Finally Understand Why These Gargantuan Mollusks Got So Huge
https://www.sciencealert.com/here-s-the-possible-reason-why-the-world-s-largest-ammonite-got-so-danged-huge
Human-size ammonites swam the Atlantic Ocean 80 million years ago
https://www.livescience.com/largest-ammonites-evolved-80-million-years-ago
Shelled krakens of the Mesozoic deep
https://eartharchives.org/articles/shelled-krakens-of-the-mesozoic-deep/index.html
Parapuzosia
https://oriasokfoldjen.hu/parapuzosia/

元論文

Ontogeny, evolution and palaeogeographic distribution of the world’s largest ammonite Parapuzosia (P.) seppenradensis (Landois, 1895)
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0258510

5億年前のペニスワームが「ヤドカリ風の貝殻生活」を発明していた

5億年前の「ペニスワーム」は貝殻を身にまとっていた
Credit: Martin R. Smith et al., A ‘hermit’ shell-dwelling lifestyle in a Cambrian priapulan worm(2021)

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地球には奇っ怪な形をした生き物がたくさんいます。

中でも奇妙なのが、海に棲む「プリアプルス」です。

プリアプルスは、容姿が男性器に似ていることから、英名では「ペニスワーム(penis worm)」と呼ばれています。

普段は海底の泥砂にもぐって身を隠し、姿を見せようとはしません。海中をふらふらと泳ぐには、あまりに無防備な姿だからです。

ところが今回、イギリスと中国の研究チームによって発見された、約5億年前のプリアプルスの化石は様子が違っていました。

なんと太古のプリアプルスは、泥砂にもぐるのではなく、手頃な貝殻を身につけるヤドカリスタイルで暮らしていたのです。

これは、貝殻を保護のために使う甲殻類の出現より、遥かに前のこと。

プリアプルスは、引きこもりの先駆者だったのかもしれません。

研究は、11月7日付けで学術誌『Current Biology』に掲載されています。

目次 天敵から身を守るために「貝殻」をまとった? 天敵から身を守るために「貝殻」をまとった? プリアプルスという名は、ギリシャ神話に登場する男性の生…

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参考文献

Ferocious ‘penis worms’ were the hermit crabs of the ancient seas
https://www.livescience.com/penis-worms-hermit-shell-behavior
Ancient Penis Worms Invented the “Hermit Crab” Lifestyle 500 Million Years Ago
https://scitechdaily.com/ancient-penis-worms-invented-the-hermit-crab-lifestyle-500-million-years-ago/

元論文

A ‘hermit’ shell-dwelling lifestyle in a Cambrian priapulan worm
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)01357-9?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982221013579%3Fshowall%3Dtrue