<新しい同調圧力、新しいプロパガンダが生み出されつつある、と辻田真佐憲著『超空気支配社会』。左右のイデオロギー対立が深まる今の日本社会で、いかに生きていくべきか> ああ、またか。今回のコロナ禍でも、われわれを動かしたのは科学ではなく、やはり空気だった。 もはや誰もが薄々気づいている。緊急事態宣言の発出タイミングにも、それにともなうさまざまな自粛要請の細目にも、科学的な根拠などないのだと。そこにあるのはただ、ひとびとが行楽に出かける大型連休などに合わせて、できるだけ刺激的なメッセージを発することで衆目…
池内恵、細谷雄一、待鳥聡史が語り合った「山崎正和論」〈1周忌〉
<日本を代表する知識人・山崎正和が2020年8月19日にこの世を去り、1年がたった。池内恵・東京大学教授、細谷雄一・慶応義塾大学教授、待鳥聡史・京都大学教授という70年代生まれの論客が語り合った、山崎正和との出会いと思い出を再録する> ※座談会は2020年8月28日放送の「国際政治チャンネル」より。本稿は『別冊アステイオン それぞれの山崎正和』(CCCメディアハウス)所収。 「文学便覧」の人 ■池内 山崎先生は私たちの共通の、何と言うんでしょうね? ■細谷 「メンター」じゃないですか? ■池内 私た…
育休制度があっても、日本の男性の取得率が極めて低い理由
<所属集団の流動性が低い日本社会では、法律よりも会社の決まりが優先されるという思い込みが強い> 育児・介護休業法が改正され,男性の育休取得が促されることになった。こうした法改正は、世論に押されてのことであるのは間違いない。それほどまでに、日本の父親の育休取得状況はひどい。全国の至る所で、育休取得を申し出た男性社員がハラスメントに遭っている。 いわゆる会社(上司)の無理解だが、これを正さない限り、男性の育休取得促進は難しい。だが,父親の育休取得を阻んでいる要因としてはもっと大きなものがある。それは後述…
権力を私物化する政治家が「保守」派とは思えない──に納得した
<「真の保守派こそ、誇りをもっていまの政治を叱り飛ばすべき」と主張する憲法学者の著書が教えてくれること> 『「人権」がわからない政治家たち』(小林節・著、日刊現代)は、2017年10月から2021年3月まで『日刊ゲンダイ』に掲載されたコラム「ここがおかしい 小林節が斬る!」の中から主要原稿を抜粋し、加筆・修正してまとめた書籍。 「現実の政治的な課題について、民主主義と人権を守る」という観点から評価を加え、解決策を提案しているのだという。 などと聞くと難しそうにも思えてしまうが、決して堅苦しいものでは…
福岡市長が、「福岡市から日本を変える」ことにこだわる合理的な理由
<福岡市の高島宗一郎市長は、なぜ福岡市での改革が「日本を変える」近道になると考えているのか。挑戦の核心と展望を聞く> ※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。 史上最年少36歳で福岡市長に就任し、福岡市という現場で10年もの間、改革をリードしてきた高島宗一郎市長。福岡市の改革の実績をベースに日本を最速で変える方法を提示し、チャレンジャーたちの背中を押すのが新著『日本を最速で変える方法』(日経BP)です。 福岡市は、国に先駆けてハンコレスを実現するなど「データ連携」を…