NASA探査機が火星のジェゼロクレーターで有機物を発見

パーサヴィアランスの撮影したジェゼロクレーターの三角州。見やすいように色調補正されている。
Credit:NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS

全ての画像を見る

2021年2月に火星へ降り立った探査機「パーサヴィアランス」は、現在火星のジェゼロクレーターを調査しています。

この調査結果の最新情報が、12月15日にアメリカ地球物理学連合秋季大会(American Geophysical Union fall science meeting)で発表されました。

それによると、ジェゼロクレーターは火山から流れ出たマグマがもとになって形成されている可能性が高く、クレーター内の岩石は何度も水と相互作用しており、一部は内部に有機分子を含んでいたとのこと。

これはまだ水があった時代の火星の歴史を明らかにする新しい証拠となりそうです。

 

目次 ジェゼロクレーターの有機分子を含む岩石 ジェゼロクレーターの有機分子を含む岩石 有機分子の発見と聞くと、すぐに生命の痕跡と結びつけて考えてしま…

全ての画像を見る

参考文献

NASA’s Perseverance Mars Rover Makes Surprising Discoveries
https://www.jpl.nasa.gov/news/nasas-perseverance-mars-rover-makes-surprising-discoveries
Organic Molecules Have Been Confirmed in The Jezero Crater on Mars
https://www.sciencealert.com/perseverance-has-discovered-organic-molecules-in-mars-jezero-crater

人工磁場でテラフォーミングされた火星を守るとんでもない計画を発表

太陽風と火星磁気のアーティストイメージ
Credit:NASA/GSFC/Greg Shirah and Ernie Wright and Walt Feimer and Michael Lentz and Chris Smith

全ての画像を見る

映画でもアニメでもネタにされるように、火星には非常に地球に近い部分があり、現在もっともテラフォーミングの可能性を持つ惑星です。

ただ、当然のことながら、現在の火星には地球と異なり大きく不足しているものがあります。

それが磁場の存在です。

火星はかつて地球同様に水を含んだ豊富な大気を持っていましたが、強力な磁場がないためにそれはどんどん吹き飛ばされてしまいました。

そこで火星を人工的な磁場で保護する研究が進められていますが、今回オックスフォード大学の研究チームが発表したのは、火星の月フォボスを利用して火星の周りに磁気のリングを形成させるという、かなりとんでもない計画です。

研究の詳細は、11月12日付でプレプリントサーバー『arXiv』に発表されています。

目次 火星テラフォーミングの障害となる太陽風フォボスを使って火星の周りに荷電粒子のリングを作る 火星テラフォーミングの障害となる太陽風 太陽風は太陽…

全ての画像を見る

参考文献

An Absolutely Bonkers Plan to Give Mars an Artificial Magnetosphere
https://www.universetoday.com/153368/an-absolutely-bonkers-plan-to-give-mars-an-artificial-magnetosphere/

元論文

How to create an artificial magnetosphere for Mars
https://arxiv.org/abs/2111.06887

大腸菌で火星脱出のロケット燃料を作る技術が登場

火星基地のアーティストイメージ
Credit:NASA/Georgia Tech

全ての画像を見る

現在火星で活躍している探査機は、基本的に片道切符で地球へ帰還することは想定されていません。

しかし、今後は人間を火星に送ることも計画されており、火星から地球へ帰ってくるための技術は不可欠なものとなります。

ここでネックとなるのが火星から脱出するためのロケット燃料をどうやって確保するかです。

そこで米国ジョージア工科大学(Georgia Tech)の新しい研究は、大腸菌を利用して火星でロケット燃料を生成させる新しい方法を提案しています。

この方法で生成される 「2,3-ブタンジオール (2,3-BDO)」は、地球大気圏の脱出にはパワーが足りない燃料ですが、重力が弱い火星からの脱出には十分に活躍できるとのこと。

研究の詳細は、10月25日付で科学雑誌『Nature Communications』に掲載されています。

目次 火星発ー地球行の帰還便はとても割高大腸菌が火星で燃料を作る 火星発ー地球行の帰還便はとても割高 現在火星に探査機がいくつも送り込まれていますが…

全ての画像を見る

参考文献

Making Martian Rocket BioFuel on Mars
https://news.gatech.edu/news/2021/10/25/making-martian-rocket-biofuel-mars

元論文

Designing the bioproduction of Martian rocket propellant via a biotechnology-enabled in situ resource utilization strategy
https://www.nature.com/articles/s41467-021-26393-7

メタンを効率的に合成する触媒を開発――火星でロケット燃料の生産も可能に

米シンシナティ大学は、火星の二酸化炭素からロケット燃料のメタンを生成する技術を開発中だ。実現すれば、有人火星探査ロケットに搭載する燃料は行きに必要な量だけで済み、地球上では気候変動の原因となる温室効果ガスの削減が期待でき […]

The post メタンを効率的に合成する触媒を開発――火星でロケット燃料の生産も可能に first appeared on fabcross for エンジニア.

NASAが火星生活の模擬実験の参加者を募集

<1年間にわたって仮想火星居住環境で活動を行う「乗組員」に求められる資質は> 米NASAが、火星での生活を想定した1年間の模擬実験に参加する希望者を募集している。 このミッションは、3回にわたるCHAPEA(乗組員の健康およびパフォーマンス探査研究)の第1弾で、開始は2022年秋を予定している。 各ミッションに参加する乗組員は4人。この4人が、テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センター内にある仮想火星居住環境「マーズ・デューン・アルファ」で一緒に生活および活動を行う。ここは建設用3Dプリント専門…