NASAがクマムシを「光速の30%」まで加速させる宇宙飛行計画を発表

クマムシを「光速の30%」まで加速するNASAの恒星間航行計画が発表(減速装置は未搭載)
Credit:Canva

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恒星間航行をはじめて行う生物はクマムシになりそうです。

NASAが資金提供するカリフォルニア大学の宇宙計画「スターライトプロジェクト」によれば、手のひらサイズの薄い帆を持つ宇宙船を「光速の30%」まで加速させ、恒星間航行を行う計画があるとのこと。

また、宇宙船の搭乗員かつ被検体には、過酷な環境に耐えるクマムシが有力候補として挙がっているようです。

もし計画が実現すれば、恒星間航行(片道切符)を最初に行った生物としてクマムシが歴史に刻まれるでしょう。

研究の詳細は、今年1月付で科学雑誌『Acta Astronautica』にて公開されています。

目次 クマムシを「光速の30%」まで加速する計画 クマムシを「光速の30%」まで加速する計画 クマムシは絶対零度から水の沸点を超える温度に耐え、水や…

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参考文献

Can we – should we – send life to the nearest star?
https://earthsky.org/space/send-life-to-the-nearest-star-tardigrade-wafercraft/

元論文

Interstellar space biology via Project Starlight
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0094576521005518#!

「原子を透明にする現象」が実験で観測される

原子を極端に冷やしたり押しつぶしたりすると、光を散乱させる能力が抑制されることが新しい研究で確認された
Credit: Christine Daniloff, MIT

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通常、私たちは原子にぶつかった光(光子)が散乱し、目に届くことで物質を見ることができます。

ところがMITのある研究者は30年前に、原子を超低温状態で、隙間なく高密度に配置したとき、光子がぶつかったエネルギーを散乱させる余地がなくなるため、原子が透明化するという予想をしていました。

そして今回、MITの研究チームはレーザーを使った超低温技術で実験を行い、実際に原子が光の散乱を38%も低下させるのを確認したと報告しています。

チームの考えでは、完全な絶対零度を実現できた場合には、原子は完全に光を散乱できなくなって見えなくなるといいます。

この研究の詳細は、11月18日付で、科学雑誌『Science』に掲載されています。

目次 満席状態のスタジアム原子の透明化 満席状態のスタジアム 量子力学には「パウリの排他原理」という理論があります。 これは簡単にいうなら、電子には…

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参考文献

How ultracold, superdense atoms become invisible
https://news.mit.edu/2021/atoms-ultracold-scatter-light-1118
MIT Physicists Use Fundamental Atomic Property To Turn Matter Invisible
https://scitechdaily.com/mit-physicists-use-fundamental-atomic-property-to-turn-matter-invisible/

元論文

Pauli blocking of light scattering in degenerate fermions
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abi6153