Blu-rayの1万倍も保存できて無限の寿命を持つ「5次元光ストレージ」が登場

2013年に実証されて以来研究が続けられている5D光ストレージ。500TBの容量を持つという。
Credit:University of Southampton

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かつては活躍したCDやDVD、Blu-rayといった記憶媒体ですが、現在では使用頻度はかなり減っている印象があります。

その原因は1つにネット回線が飛躍的に向上したこともありますが、基本的なデータ容量が大きくなりすぎたこと、そして何より記憶媒体の寿命が短いことがあげられます。

一般的なCD、DVDの寿命はせいぜいが十数年程度とされています。

しかし、英国サウサンプトン大学では、フェムト秒レーザーというものを使ったBlu-rayの1万倍も密度の高い新しい記憶媒体を研究しています。

定期的にその成果が更新されているこの記憶媒体は、「5次元光ストレージ」と呼ばれていて、ディスク容量は約500TB、常温での寿命は実質無限だとされています。

この研究の詳細は、10月28日付で科学雑誌『OPTICA』に掲載されています。

目次 5次元光ストレージとは? 5次元光ストレージとは? 現在ほとんどのデータはハードディスクや、ネット上のサーバーに保存されています。 しかし、ハ…

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参考文献

5D data storage technology offers 10,000 times the density of Blu-ray
https://newatlas.com/electronics/5d-data-storage-technology-density-blu-ray/

元論文

High speed ultrafast laser anisotropic nanostructuring by energy deposition control via near-field enhancement
https://www.osapublishing.org/optica/fulltext.cfm?uri=optica-8-11-1365&id=462661

首を傾げるイヌのしぐさは「集中力の高まり」を示していた

イヌが首を傾ぐのは「集中力が高まっている証拠」だった
Credit: jp.depositphotos

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イヌに話しかけると、愛らしくも首を傾げることがあります。

これは一体、何を意味しているのでしょうか?

一部では、混乱や当惑の気持ちを吐露しているとされますが、エトヴェシュ・ロラーンド大学(Eötvös Loránd University・ハンガリー)の最新研究で、まったく別の意味合いが明らかにされました。

それによると、首を傾ぐ仕草は、イヌの集中力や注意力が高まっている証拠とのこと。

特に、ボーダー・コリーのような知能の高い犬種に見られるようです。

研究は、10月26日付けで学術誌『Animal Cognition』に掲載されています。

目次 知能が高いイヌほど、首を傾げる 知能が高いイヌほど、首を傾げる 本研究では、40名の飼い主が飼っている様々な犬種40頭を対象に、月1回、3ヶ月…

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参考文献

New Study Explains Why Dogs Do The Head Tilt, And It’s Honestly Too Cute to Handle
https://www.sciencealert.com/new-study-explains-why-dogs-do-the-head-tilt-and-it-s-honestly-too-cute-to-handle
Dogs that tilt their heads aren’t just adorable: they’re super smart
https://www.zmescience.com/ecology/animals-ecology/dogs-that-tilt-their-heads-arent-just-adorable-theyre-super-smart/

元論文

An exploratory analysis of head-tilting in dogs
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10071-021-01571-8

現代人は「Google検索を自分の知識と勘違い」して自分が賢いと誤解していた

多くの人はGoogle検索で得た知識をもともと自分の知識だったと勘違いしている
Credit:canva

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現代の人々は、「Google」を代表とする検索エンジンによって、常にオンライン情報とつながっています。

何かを知りたいと思ったときに、ネット検索を利用するのは、もはや当たり前のことでしょう。

しかし、テキサス大学オースティン校(UT Austin)の新しい研究は、そのために多くの人々は内部知識と外部知識の境界が曖昧になっていると報告しています。

現代の人々は、自分が実際に見つけ体験し、頭で考えたことと、ネット検索で得た知識の見分けがつかなくなっており、インターネットなしで自分がどれだけ知識を持っているかについて、正しい評価ができなくなっているというのです。

この研究の詳細は、10月26日付で学術誌『米国科学アカデミー紀要 (PNAS)』に掲載されています。

目次 「無知の知」を忘れた現代人自分の知性の誤認 「無知の知」を忘れた現代人 かつて古代ギリシアの哲学者ソクラテスは「無知の知」という考え方の重要性…

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参考文献

We’re Not as Smart as Google Makes Us Think We Are
https://medium.com/texas-mccombs/were-not-as-smart-as-google-makes-us-think-we-are-57ebeebbf135
Do you think with Google? People who use the search engine to find answers think they’re smarter because they mistake the internet’s knowledge for their own memory
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10145245/People-Google-think-theyre-smarter-really-study-shows.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

People mistake the internet’s knowledge for their own
https://www.pnas.org/content/118/43/e2105061118

記憶喪失の原因となるタンパク質を特定! トラウマを消す薬ができる可能性も

記憶喪失薬のターゲットとなるタンパク質を特定!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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嫌な記憶を忘れられる日がくるかもしれません。

英国ケンブリッジ大学で行われた研究によれば、新たに特定されたタンパク質(シャンク)の存在が、既存の記憶喪失薬の効果を測定する指標になるとのこと。

「記憶の喪失レベル」を客観的に判断する指標が判明したことにより、より効果の高い記憶喪失薬の開発につながると期待されます。

 

研究内容は2021年10月2日から5日までオンラインで開催される第34回ECNP年次会議にて発表されました。

目次 記憶喪失が起こるときシナプスでは特定のタンパク質が分解していた記憶を操作できれば不幸な人はいなくなる 記憶喪失が起こるときシナプスでは特定のタ…

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参考文献

Scientists Find Protein That Indicates Whether Emotional Memories Can Be Changed or Forgotten
https://scitechdaily.com/scientists-find-protein-that-indicates-whether-emotional-memories-can-be-changed-or-forgotten/

元論文

34th ECNP Annual conference
https://www.ecnp.eu/Congress2021/ECNPcongress