「ダークマターを含まない銀河」は、いかに形成されたのか? 新たな発見が意味すること

この銀河系を含む銀河の多くは、ダークマター(暗黒物質)と呼ばれる物質に支えられているとみられてきた。こうしたなか、このダークマターを含まないとみられる新たな銀河が発見され、観測に基づくデータと共に新たに研究結果として発表された。

宇宙の謎の物質「ダークマター」の正体に、新しい天文台が迫りゆく:「THE WORLD IN 2022」 SPACE OBSERVATION

チリで建設が進むヴェラ・C・ルービン天文台の運用が2022年に開始される。この天文台には口径8.4mの巨大な望遠鏡が設置され、天体物理学に飛躍的な進歩をもたらす可能性がある。なかでも期待されるのは、宇宙の膨張を加速させている「ダークエネルギー」や、宇宙に存在する物質の85パーセントを構成すると考えられているダークマター(暗黒物質)の謎の解明につながるデータの収集だ。

ダークエネルギーの謎の解明を目指し、ユークリッド宇宙望遠鏡が組み立てられている

ユークリッド宇宙望遠鏡は間もなく、20億個の銀河の観測を開始する。欧州宇宙機関(ESA)が2022年後半に打ち上げるこの観測衛星は、赤外線および可視光線で宇宙を観測し、ダークエネルギーによる宇宙膨張の加速を5倍から10倍の正確さで測定できるようになると期待されている。この驚異の技術の結晶を豊富な写真とともに紹介しよう。