コロナ禍で世界経済を回復させるには、地域間格差が深刻な課題になる:「THE WORLD IN 2022」 GLOBAL ECONOMY

このコロナ禍から世界が前へと進むためには、力強い経済成長が欠かせない。ところが、すでに経済成長を促す施策が限界に達しつつあるうえに、先進国と途上国との間にワクチン接種率の大きな格差が存在する。こうした状態が続く限りは、ボーダレスである世界経済が再び成長軌道に乗ることは困難になる可能性が高い。

完全なる自動運転の時代に向け、自動車産業のエコシステムの変化が加速する:「THE WORLD IN 2022」 AUTONOMOUS CARS

運転支援技術の高度化が進み、いまでは市販車にも浸透し始めている。こうしたなか、将来的に自動運転が「レヴェル3」から「レヴェル4」へと移行することは、単に数字がひとつ上がるだけの連続的な変化ではない。産業全体の構造が根本からひっくり返る可能性がある「ディスラプション型」の変化だ。こうした変化に対応すべく自動車業界では2022年、自動運転の技術そのものに加えて、その周辺にあるエコシステムの変化が加速していくことになる。

宇宙の謎の物質「ダークマター」の正体に、新しい天文台が迫りゆく:「THE WORLD IN 2022」 SPACE OBSERVATION

チリで建設が進むヴェラ・C・ルービン天文台の運用が2022年に開始される。この天文台には口径8.4mの巨大な望遠鏡が設置され、天体物理学に飛躍的な進歩をもたらす可能性がある。なかでも期待されるのは、宇宙の膨張を加速させている「ダークエネルギー」や、宇宙に存在する物質の85パーセントを構成すると考えられているダークマター(暗黒物質)の謎の解明につながるデータの収集だ。

食の安全を、サイバーセキュリティが左右する──「THE WORLD IN 2022」 FOOD SECURITY

急速なデジタル化に伴い、サイバー攻撃に対する脆弱さが露呈した食品業界。安心・安全・安価な食品を継続的に供給するには、システムのみならず、業界全体のアップデートも不可欠だ(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

NFTアートは熱狂的な投機を経て、日常的に2桁成長するようになる──「THE WORLD IN 2022」NFT ART

NFT(ノンファンジブルトークン)は、2021年に記録的な売り上げを達成した。22年には多くのアーティストが、ブロックチェーンを創造性と融合させる大胆な新しい方法を模索する(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

投資はアイデアという最後のフロンティアへ:大川内直子──「THE WORLD IN 2022」 IDEA CAPITALISM

かつてSF作家のJ.G.バラードは「地球に残されている最後の資源、それは想像力」と語ったが、いまや資本主義はアイデアを投資の対象に据えた。その真贋は、どう担保されるのか? 本誌特集「THE WORLD IN 2022」に収載した、『アイデア資本主義』の著者・大川内直子へのインタヴュー(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

政府、民間の垣根を越え、デジタルの団結が変革を促す:オードリー・タン──「THE WORLD IN 2022」 GLOBAL NEIGHBORHOOD

デジタル世界における政府と市民のグローバルな同盟関係によって、ウイルスなど刻一刻と状況が変わる事態や多様な市民のニーズにも迅速に対応できるとオードリー・タンは期待を込める(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

CO2排出量を削減するために、バイオ燃料の普及が加速する:永田暁彦──「THE WORLD IN 2022」 ALTERNATIVE FUEL

国際的に議論されているCO2排出量の削減目標の達成には、カーボンニュートラルな燃料の普及が鍵を握る。ユーグレナが量産に取り組むバイオ燃料は、その流れを加速させることになる──。本誌特集「THE WORLD IN 2022」に収載した、ユーグレナCEO・永田暁彦へのインタヴュー(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

プラスティック汚染を解決する拘束力ある世界条約を──「THE WORLD IN 2022」 PLASTICS TREATY

世界中の政府が海洋汚染に取り組むために団結し、2022年には拘束力ある条約をとりまとめる予定だ。プラスティックの循環型経済への取り組みが加速する未来をエレン・マッカーサーは描く(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

抗体をカスタムメイドする時代がすぐそこまで来ている──「THE WORLD IN 2022」 CUSTOMIZED ANTIBODIES

有害な病原体からわたしたちの身体を守る免疫システム。2022年は、人工的につくる抗体を利用することで、既存の治療法、医薬品では対処できなかったがんやウイルスを攻撃できるようになる(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。