コモンズとしてのメタヴァースをつくるという挑戦:連載 The Next Innovators(1) スペースデータ 佐藤航陽

この世の中を変えていくために、常識を疑い、道なき道を切り拓き、誰も想像しなかった未来をつくるべく挑戦し続ける人々がいる。そのエネルギーの源泉に迫る新連載「The Next Innovators」の第1回は、地球全体のデジタルツイン化に挑むスペースデータ代表の佐藤航陽。衛星データを用いてヴァーチャル空間を自動生成し、コモンズとしてのメタヴァースをつくるという挑戦に迫った。

衛星データが、雑草の“侵略”からアフリカを救う

西アフリカの国・ベナンでは、湖面にはびこる水草に対処するために衛星データを活用する試みが始まっている。このプロジェクトを支えるのは、発展途上国が衛星データを活用しやすくすることを目指す米航空宇宙局(NASA)のプログラムだ。

この原子時計が深宇宙の探査に革命をもたらす:NASAの「深宇宙原子時計プロジェクト」

宇宙に飛び立ったトースター大の原子時計が、ミッション中の時間のズレを23日間で10億分の4秒未満に抑えることに成功した。これまで地上との交信に頼ってきた宇宙でのナヴィゲーションだが、米航空宇宙局(NASA)の「深宇宙原子時計プロジェクト」は、人類が深宇宙を探査し、地球以外の惑星で暮らす未来のためには、宇宙船自体に原子時計を載せたリアルタイムでのナヴィゲーションが必要だと考えている。

ダークエネルギーの謎の解明を目指し、ユークリッド宇宙望遠鏡が組み立てられている

ユークリッド宇宙望遠鏡は間もなく、20億個の銀河の観測を開始する。欧州宇宙機関(ESA)が2022年後半に打ち上げるこの観測衛星は、赤外線および可視光線で宇宙を観測し、ダークエネルギーによる宇宙膨張の加速を5倍から10倍の正確さで測定できるようになると期待されている。この驚異の技術の結晶を豊富な写真とともに紹介しよう。

スペースXのスターリンクが成長を続ける一方、光害問題も深刻化しかねない

インターネットサーヴィスを地球の隅々まで届けるためにスペースXが構築する衛星コンステレーション「スターリンク」がいよいよβテスト段階を終了する。競合他社も続々と参入するなか、グローバルコモンズである夜空を光害や宇宙ゴミから守るためにはいかなる対策と協調が可能だろうか。21年10月に国連と国際天文学連合は「科学と社会のための暗く静かな空」会議を共催した。

宇宙に危機をもたらす「スペースデブリ」問題、その解決に向けた取り組みが加速する

ロシアによる対衛星ミサイルの試射によって大量発生したスペースデブリ(宇宙ごみ)が問題視されるなど、そのリスクが改めて注目されている。こうしたなか、米宇宙軍や国際的なイニシアチヴが主導する宇宙ごみ対策の取り組みが加速するなど、宇宙ごみ対策は新たな段階へと移り始めた。

データ販売から「地球モニタリング」のプラットフォーマーへ:フィンランドの人工衛星企業が描く次世代の衛星ビジネス

日照条件に左右されない地球観測衛星として注目される合成開口レーダー(SAR)衛星。民間でこの分野をリードしているのが、フィンランド発のICEYE(アイサイ)だ。そんな同社は、データ販売を主な業務としていたこれまでの衛星ヴェンチャーのあり方を見直し、プラットフォーマーへの進化を遂げようとしている。