2021年の「年末にガッツリ読みたい科学解説ランキング」ベスト5!

がっつり解説しよう!
Credit:depositphotos

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年末年始の長期休暇で、ボリュームのある科学の解説をじっくり読んでみたいという人向けに、今回は2021年に人気のあったガッツリ読める科学解説記事を5本紹介。

頭の体操にもなりそうな、知的好奇心を刺激するお話で、充実した年末年始を過ごしてください。

目次 2021年ガッツリ読める科学解説記事 BEST5 2021年ガッツリ読める科学解説記事 BEST5 第5位 宇宙を膨張させる未知のエネルギー「…

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ついに「小惑星リュウグウ」のサンプルを詳細分析した論文が発表される

2018年にはやぶさ2の望遠カメラで20kmの距離から撮影された小惑星リュウグウ
Credit:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

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今から約1年前、探査機「はやぶさ2」が「小惑星リュウグウ」から回収したサンプルを地球へ送り届けました。

その貴重なサンプルが詳細に分析され、今回2本の論文として宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームから発表されました。

それによると、リュウグウは非常に暗く、多孔質であり、これまで科学者たちが入手した物質の中で、もっとも古い太陽系材料が含まれているといいます。

現在のところ予想外の発見があったわけではありませんが、これは45億年前の太陽系形成以来、ほぼ変化がないまま保存されたサンプルであり、太陽系天体の形成を理解するための最上級の手がかりであることは確かです。

この分析結果は、12月20日付で科学雑誌『Nature Astronomy』に2つの論文として発表されています。

目次 もっとも古い太陽系の資料 もっとも古い太陽系の資料 小惑星リュウグウから回収されたサンプルの詳細分析が完了し、今月2本の論文としてその結果が発…

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参考文献

We Finally Have The First-Ever Analysis of Stardust Retrieved From The Ryugu Asteroid
https://www.sciencealert.com/scientists-have-analyzed-ancient-stardust-collected-from-asteroid-ryugu
天文学:持ち帰られたリュウグウの試料の初見
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/13922

元論文

Preliminary analysis of the Hayabusa2 samples returned from C-type asteroid Ryugu
https://www.nature.com/articles/s41550-021-01550-6
First compositional analysis of Ryugu samples by the MicrOmega hyperspectral microscope
https://www.nature.com/articles/s41550-021-01549-z

周期的な大量絶滅の原因「太陽の双子ネメシス」の存在を示す新たな証拠

塵の雲に囲まれた連星系HD 98800のイメージイラスト
Credit: NASA/JPL-Caltech/T. Pyle (SSC)

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太陽系は実は2つの恒星を持つ連星系であるという仮説が存在しています。

そのもう1つの星は「ネメシス」と呼ばれていて、非常に暗く小さい褐色矮星で、太陽から9万5000天文単位という非常に離れた軌道を周回しているとされています。

この問題に関連しそうなある事実が、2017年に科学雑誌『王立天文学会月報(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)』に報告されています。

この研究によると、太陽のような星は、基本的に連星で誕生しているというのです。

「ネメシス」は地球の大量絶滅周期に関連するとされており、その名前は「神の怒り」を擬人化したギリシア神話の女神の名に由来します。

 

目次 大量絶滅周期と幻の連星「ネメシス」太陽は双子だったかもしれない 大量絶滅周期と幻の連星「ネメシス」 地球では過去に5回の大量絶滅があったとわか…

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参考文献

Our Sun May Have Been Born With a Trouble-Making Twin Called ‘Nemesis’
https://www.sciencealert.com/our-sun-could-have-been-born-with-a-twin-called-nemesis

元論文

Embedded binaries and their dense cores
https://academic.oup.com/mnras/article/469/4/3881/3795556?login=true

占星術を妄信する人はナルシストでIQが低い傾向があるという研究結果

占星術を妄信する人はナルシストでIQが低い傾向があると判明! 
Credit:Canva

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星占いを妄信する人々の特性が明らかになりました。

スウェーデンのルンド大学で行われた研究によれば、占星術を妄信する人々はナルシズムであり、IQが低い傾向にある、とのこと。

ナルシストにとって占いが自己満足の燃料にされたり、「占星術=科学」と思っている人々が存在するためだと考えられます。

研究内容の詳細は11月20日に『Personality and Individual Differences』に掲載されました。

(※なお今回の研究は占星術を貶めるために行われたものではありません。詳しくは後述)

目次 占星術を妄信する人はナルシストでIQが低いと判明!女性と老人は占星術を信じやすいがナルシストでも低IQでもない 占星術を妄信する人はナルシスト…

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参考文献

New study shows that people who believe in astrology tend to be more narcissistic and less intelligent
https://www.psychnewsdaily.com/people-who-believe-in-astrology-more-narcissistic/

元論文

Even the stars think that I am superior: Personality, intelligence and belief in astrology
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0191886921007686?via%3Dihub

今週19日は月を見て。98%も欠ける「ほぼ皆既」部分月食を観測できます

月食のイメージ
Credit: David Paleino / SPACE.com

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今月は月がかなり大きく欠ける部分月食が見られると、天文好きの間で話題になっています。今の時期は月がきれいに見えるうえ、天候に恵まれそうな日が多いので期待大ですね。

そこで今回は、より月食を楽しめる情報をお伝えしたいと思います。

目次 「ほぼ皆既」の部分月食が見られる!月食にはどんな種類がある?月食の色の違い月食がコロンブスを救った!?次回の月食はいつ? 「ほぼ皆既」の部分月…

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参考文献

11月19日は部分月食(2021年11月)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2021/11-topics03.html
Why Does the Moon Turn Red?
https://www.timeanddate.com/eclipse/why-does-moon-look-red-lunar-eclipse.html
10 Surprising Facts About Lunar Eclipses
https://www.space.com/30669-10-surprising-lunar-eclipse-facts.html