「脳の構造は非常に複雑だが、脳を変えるのは簡単だ」。『脳メンテナンス大全』の著者で米国の脳科学者クリステン・ウィルミア氏はこう語る。同氏は脳に障害を抱える患者に対し、食事などの生活習慣を変えることで、脳機能を劇的に回復させてきた。本稿では、誰でも実践しやすい「10分で脳を活性化させる方法」を紹介す…
動物界初! イヌは「言語の違い」を聞き分けていると判明
イヌが賢いことは周知の事実ですが、このほど、エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE・ハンガリー)の研究により、新たなイヌの能力が判明しました。
本研究では、イヌの脳が異なる言語に対してどのように反応するかを調査。
その結果、イヌは慣れ親しんだ言語と知らない言語を聞き分けていることが分かったのです。
言語を聞き分ける能力は、ヒト以外の動物では初めてであり、また今のところ唯一とのこと。
研究は、昨年の12月12日付けで学術誌『NeuroImage』に掲載されています。
目次 人の言語を聞き分ける初の動物に 人の言語を聞き分ける初の動物に 今回の研究は、ELTEの神経生物学者で、研究主任のローラ・クアヤ(Laura …
参考文献
Dogs can differentiate between familiar and unfamiliar human languages
https://www.livescience.com/dogs-differentiate-human-languages
Dog brains can distinguish between languages
https://phys.org/news/2022-01-dog-brains-distinguish-languages.html
元論文
Speech naturalness detection and language representation in the dog brain
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S105381192101082X?via%3Dihub
ネコvsイヌ賢いのはどっち?
人間にとって最も身近なペットといえば、それはネコかイヌです。
そして私たちは大抵ネコ派かイヌ派のどちらかに属しており、昔から「どちらをペットにしたいか」という議論がなされてきました。
論点の1つとして「どちらが賢いのか?」といった疑問について考えたこともあるでしょう。
そこで今回は、アメリカのバーナード・カレッジ(Barnard College)で、イヌの認知を研究している専門家アレクサンドラ・ホロウィッツ氏の見解を紹介します。
専門家はネコとイヌのどちらが賢いと考えているのでしょうか?
目次 ネコとイヌを比較した研究は少ないネコとイヌの知能を比較する意味はない ネコとイヌを比較した研究は少ない 「ネコとイヌの賢さを比較する」と言って…
参考文献
Are cats or dogs smarter?
https://www.livescience.com/cats-dogs-intelligence
コーラ戦争「コカ・コーラとペプシの味には実際にどんな違いがあるのか?」
コーラと言えば、「コカ・コーラ」もしくは「ペプシコーラ」のどちらかを思い浮かべる人がほとんどでしょう。
そして、これら2大コーラ会社のマーケティング競争は、「コーラ戦争」と言われるまで激しいものとなってきました。
それぞれに熱烈なファンがいることで有名ですが、実際のところ、味にはどれほどの違いがあるのでしょうか?
ここでは好みの実態を暴く研究を紹介します。
アメリカ・ベイラー医科大学(Baylor College of Medicine)神経科学科に所属するリード・モンタギュー氏ら研究チームは、味ではなく感情や記憶がコーラを飲む人の脳に影響を与えていたと発表したのです。
研究の詳細は2004年10月14日付の科学誌『Neuron』に掲載されました。
目次 コーラのブランド名が好みに大きな影響を与えていた印象的なコーラのCMが、脳に味以外の幸福感を与えていた コーラのブランド名が好みに大きな影響を…
参考文献
The Cola Wars: Is There Actually Any Difference Between How Coca-Cola And Pepsi Taste?
https://www.scienceabc.com/humans/what-is-neuromarketing-coke-better-than-pepsi-cola-wars.html
元論文
Neural Correlates of Behavioral Preference for Culturally Familiar Drinks
https://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(04)00612-9#%20
視覚的イメージが作れない「アファンタジア」とは何なのか?
「眠れない夜には、頭の中で羊を数えるとよい」と言われてきました。
実際に頭の中で羊をイメージし、1匹ずつ右から左へと通過させてカウントした人は多いでしょう。
ほとんどの人にとって、このように「頭の中で情景をイメージする」ことは、ごく普通のことです。
しかし中には、頭で映像を作り出せない「アファンタジア(Aphantasia)」という状態に悩まされる人がいます。
今回は、最近徐々に明らかになってきたアファンタジアについて解説します。
目次 脳内イメージが作れない「アファンタジア」アファンタジアの原因は「映像記憶を引き出す神経回路の切断」?Firefoxの創設者である天才プログラマ…
参考文献
What Is Aphantasia?
https://www.scienceabc.com/humans/what-is-aphantasia-definition-cure.html
2022年こそ成果を出したい人が始めるべき新習慣。生産性向上の「基本5項目」を5行で書く! – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
「2022年こそ生活習慣を改善して、仕事で成果を出したい!」 「年明けから日記を始めたい! でも、また三日坊主にならないか心配」 こうした人におすすめなのが、脳神経内科医が推奨する「5行日記」です。箇条書きで手軽に書けるため、時間がない人や日記初心者でも続けやすく、脳の働きをよくする科学的裏づけもありま…
人工培養された脳細胞によるゲームプレイの仕組み 〜自由エネルギー原理について〜|masa_kazama|note
イントロ「実験室内で培養した人の「ミニ脳」にゲームをプレイさせることに成功、AIよりも速いわずか5分で習得」というニュースが話題になっています。 脳細胞をトレーの中で人工培養させて、その細胞に卓球ゲームの「Pong」をプレイさせたところ、たった5分で学習し、ラリーが続くようになったと報告されています。ま…
2021年の「マッドな生物実験ランキング」ベスト5!
2021年を送り2022年を迎える時期となりました。
そこで今回もナゾロジーのマッドサイエンス担当が、2021年に行われたマッドな実験(誉め言葉)を紹介していきます。
コロナ禍が続くなかにあっても、科学者たちによるマッドな実験はたゆむことなく続けられ、数々の衝撃の結果をもたらしました。
・世界を見る目がある人工培養脳
・脳に刺し込んだ電極による精神操作
・幹細胞から卵子や胎児そのものを作成する生命操作
などなど、ワクワクする研究がたくさん発表されています。
倫理の限界に挑戦し、時には踏み越え、マッドな実験は人類に貴重な英知をもたらしてくれました。
それではまず5位からの発表です。
目次 2021年の「マッドな生物実験ランキング」ベスト5! 2021年の「マッドな生物実験ランキング」ベスト5! 第5位:「目がある人工脳」を作り出…
参考文献
ナゾロジー
https://nazology.net/archives/category/technology
突然、高い所から飛び降りたくなる「ボイドの呼び声」とは?
高い所に立ったとき、ふとそこから飛び降りたくなった経験はないでしょうか。
もしこの衝動を抱いたことがあるなら、あなたは「ボイド(虚空)の呼び声」に耳を傾けているのかもしれません。
この心理現象は何も珍しいことではなく、今までに数多くの報告がなされています。
ボイドの呼び声は、自殺願望から来る心の声なのか、それとも精神が不安定な状態にあるサインなのか。
過去の研究で分かっていることを元に、以下で説明していきます。
目次 ボイドの呼び声は「自殺願望」とは無関係 ボイドの呼び声は「自殺願望」とは無関係 ボイドの呼び声には、高所から飛び降りたいという衝動の他に、「運…
参考文献
What is the ‘call of the void’?
https://www.livescience.com/what-is-call-of-the-void
元論文
An urge to jump affirms the urge to live: An empirical examination of the high place phenomenon
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0165032711006847(2012)
High place phenomenon: prevalence and clinical correlates in two German samples
https://bmcpsychiatry.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12888-020-02875-8(2020)
カラスはお気に入りの道具を「保管」すると判明
新たな研究で、カラスは私たちと同じように、道具に価値を見出せることが明らかになりました。
セント・アンドルーズ大学(University of St Andrews・英)の研究によると、ある種のカラスは、木の隙間からエサをかき出す道具として、フック有りの小枝を好むことが判明。
さらに、フックなしの小枝と比べて、フック有りは手元に「保管」される傾向が高かったとのことです。
研究は、12月21日付けで学術誌『eLife』に掲載されています。
目次 カラスは道具に「価値」を付けていた カラスは道具に「価値」を付けていた 本研究では、非常に知能が高いことで知られる「カレドニアガラス(学名:C…
参考文献
Crows Are So Smart They Seem to Understand The Concept of Tool Value
https://www.sciencealert.com/crows-are-so-smart-they-understand-the-concept-of-tool-value
New Caledonian Crows Prefer Hooked Stick Tools, Safely Store Them Underfoot or in Holes
http://www.sci-news.com/biology/new-caledonian-crows-tool-storage-10393.html
元論文
New Caledonian crows keep ‘valuable’ hooked tools safer than basic non-hooked tools
https://elifesciences.org/articles/64829