大気汚染という「テクノシグネチャー」が地球外文明探査の新たな可能性を拓く

パンデミックの間、世界中で大都市上空のNO2(二酸化窒素)濃度が大幅に低下した。これは、技術文明の存在を示す「テクノシグネチャー」のひとつだ。では、天の川銀河で確認されている太陽系外惑星4,000個以上の大気についてはどうだろう。いまや従来の電波信号だけでなく、惑星の大気中のガスなどに注目して地球外知的生命体を探索する、新たな取り組みが始まっている。

金星で見つかった「生命の痕跡」は幻なのか? 発見に異を唱える研究の意味

金星の大気から検出され、「生命の痕跡」を示す可能性があるとして注目された化合物のホスフィン。この衝撃の発見に異を唱える仮説や研究結果が次々に発表されるなか、ホスフィンが金星の火山活動によって発生したとする説が浮上した。果たして「火山説」と「生命の痕跡説」のどちらが正しいのか、正しくないのか──。議論は白熱するばかりだ。

野生のブタは土を掘り起こして二酸化炭素を放出し、温暖化を加速させる:研究結果

地面を掘り起こして餌を探す野生のブタの習性が、土壌に蓄積された二酸化炭素の大量放出につながっている──。そんな研究結果が、このほど発表された。つまり、野生のブタが増加すれば、地球温暖化の加速につながることになる。

「最初の女性宇宙飛行士」になれなかった82歳が、ベゾスと宇宙を旅したことの意味

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスらによるブルーオリジンの宇宙旅行。その実質的な主役となったのは、60年前に最初の女性宇宙飛行士となるべく訓練を受けて実現しなかった82歳のウォリー・ファンクだった。彼女が宇宙に飛び立ったことで、ブルーオリジンは確かに歴史をつくったと言えるのではないか──。現地で取材した『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

コロナ禍で変化した「睡眠習慣」が、わたしたちの生活にもたらす“効果”

コロナ禍を経てリモートワークや在宅学習が広がり、生活パターンが変化する人も少なくない。こうしたなか、仕事や勉強のスケジュールを睡眠サイクルのほうに最適化すると、心身ともに健康でありながら生産性を高められるという研究結果が注目されている。

“宇宙”から帰還したジェフ・ベゾス、その「10分10秒」の旅と無重力体験の価値

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスらが7月20日、ブルーオリジンの有人宇宙船で“宇宙旅行”を終えて無事に帰還した。わずか10分10秒の飛行と無重力体験は、彼らにとっていかなるものだったのか──。当日の様子を『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィが現地からレポートした。

生体電気による「細胞間のインターネット」で失われた手足の再生に挑む(後篇)

いつの日か人間の手足が再生できるようになることは、発生生物学者の誰もが疑っていない。問題は、それがいつ実現するのか、そして再生が実際はどのように機能するかだ。発生生物学者のマイケル・レヴィンは細胞同士のコミュニケーションを司る生体電気こそが「形態形成のコード」だと考えている。果たして生体電気をハックすれば、生物の体を自在にプログラム可能になるのだろうか? 生物学とコンピューターサイエンスが融合した最新研究の後篇をお届けする。