運動好きなマウスの血を輸血すると「脳機能がブーストされる」と明らかに

運動好きなマウスの血液が動かないマウスの脳機能をブーストする
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運動の利点は輸血で伝わるようです。

米国スタンフォード大学で行われた研究によれば、運動を行っているマウスの血を抜き取り、同じ年齢の運動をしていないマウスに輸血したところ、脳機能が大幅に改善していることが判明した、とのこと。

運動をしているマウスの血中に多く含まれる、抗炎症効果があるタンパク質が、運動をしていないマウスの脳の炎症を抑え、海馬に新しいニューロンを生成することで認知機能の改善につながっていました。

運動と脳をつなぐメカニズムが解明されたことで、寝たきりの高齢者など運動が難しい人々の脳に、運動の有益な効果を伝達することが可能になります。

研究内容の詳細は12月8日に『Nature』に掲載されました。

目次 運動好きなマウスの血液が動かないマウスの脳機能をブーストする運動は脳の炎症を抑えるタンパク質を肝臓から分泌する運動を偽装する脳機能改善薬が開発…

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参考文献

Blood from marathoner mice boosts brain function in their couch-potato counterparts
https://med.stanford.edu/news/all-news/2021/12/mouse-blood-exercise.html

元論文

Exercise plasma boosts memory and dampens brain inflammation via clusterin
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04183-x

遺伝操作で「絶対に片方の性別しか生まないマウス」を開発

遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発! 精度100%
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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ファンタジーの世界では、男の子だけあるいは女の子だけしか産まれないようにする「呪い」の話は、しばしば見かけます。

しかし今日に至るまで人類は、この「呪い」と同じ現象を脊椎動物で再現するような科学水準には達していませんでした。

X染色体やY染色体などの性染色体の組み合わせによって性別が決まることが解明され、いくつかの産み分け方法が開発されてはいましたが「絶対に一方の性別しか産ませない」ようにさせるのは、意外に難しかったのです。

しかし英国フランシス・クリック研究所(FCI)で行われた研究によって、人類はマウスの産む子供を100%の精度で、どちらかの性別に限定する技術が開発されました。

絶対に片方の性別しか産まないようにさせる技術は、生物を機械部品のように扱うものだとの懸念もあるでしょうが、不要な性別を排除することで無用な殺処分を減らすことにもつながります。

しかし研究者たちは、いったいどんな方法でファンタジー世界にしかなかった「呪い」のような絶対的な効果を、現実の世界で成し遂げたのでしょうか?

研究内容の詳細は12月3日に『Nature Communications』で公開されました。

目次 遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発!無駄のない畜産業、無駄のない動物実験 遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発!…

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参考文献

Gene-editing used to create single sex mice litters
https://www.crick.ac.uk/news/2021-12-03_gene-editing-used-to-create-single-sex-mice-litters

元論文

CRISPR-Cas9 effectors facilitate generation of single-sex litters and sex-specific phenotypes
https://www.nature.com/articles/s41467-021-27227-2

ブドウの種にマウスの寿命を9%伸ばす「老化除去剤」が存在すると判明!

ブドウの種にマウスの寿命を9%伸ばす「老化除去剤」が存在すると判明!
Credit:Canva

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ブドウの種に含まれる成分が、体から老いを切り取ってくれるようです。

中国科学院(CAS)で行われた研究によれば、ブドウの種に含まれる化学物質には、老化した細胞のみを破壊する老化除去効果があり、老いたマウスに注射すると余命が60%、総寿命が9%も伸び、運動能力も改善したとのこと。

体内の老化細胞のみを除去することで、相対的な若さが得られたようです。

「老化を逆転」させるのではなく「老化を除去」するという戦略をとることで、より合理的な長寿薬の開発につながると考えられます。

研究内容の詳細は12月6日に『Nature Metabolism』にて公開されています。

目次 ブドウの種にマウスの寿命を9%伸ばす「老化除去剤」が存在すると判明!老化を逆転するのではなく除去する ブドウの種にマウスの寿命を9%伸ばす「老…

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参考文献

“WE’RE GOING AFTER A CELL TYPE LIKE ANTIBIOTICS GO AFTER BACTERIA.”
https://www.inverse.com/mind-body/grape-seeds-longevity

元論文

The flavonoid procyanidin C1 has senotherapeutic activity and increases lifespan in mice
https://www.nature.com/articles/s42255-021-00491-8

LOL ゲーミングマウスおすすめ7選! Logicool G LoL K/DAシリーズが人気

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人気ストリーマー仕様で復刻! ロジクールのゲーミングマウス「G303SH」

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マウスの「うつ状態を20分で治す点鼻薬」が開発される

わずか20分でマウスの「うつ状態」を治す点鼻薬が開発!
Credit:JoVE

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未来の抗うつ薬は点鼻薬が主力かもしれません。

日本の東京理科大で行われた研究によれば、改良された抗うつ剤を点鼻薬でマウスに投与したところ、うつ状態がわずか20分で解消された可能性がある、とのこと。

研究で用いられた抗うつ薬は本来、脳内に直接投与するタイプのものでしたが、改良によって鼻粘膜への投与でも同じ効果を得られるようになったようです。

研究内容の詳細は『Journal of Controlled Release』に掲載されています。

目次 鼻から脳へ届く点鼻薬型の抗うつ薬を開発水責めでマウスを強制的に「うつ状態」にする難治性うつ病が20分で治る未来が来るかもしれない 鼻から脳へ届…

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参考文献

On the Nose: Scientists Optimize Intranasal Anti-Depressant Drug Delivery to the Brain
https://www.tus.ac.jp/en/mediarelations/archive/20211111_8305.html

元論文

Usefulness of cell-penetrating peptides and penetration accelerating sequence for nose-to-brain delivery of glucagon-like peptide-2
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0168365921002947?via%3Dihub

光でマウスの記憶を消すことに成功! MIBの世界に一歩前進!

光でマウスの記憶を消すことに成功! MIBの世界に一歩前進!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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光で記憶が消せるようになりました。

日本の京都大学で行われた研究によれば、脳の特定の場所に光をあてることで、マウスの特定の時期に形成された記憶を消去することに成功した、とのこと。

映画「メン・イン・ブラック」では閃光を放って記憶を消す装置「ニューラライザー」が登場しますが、現実の世界でも同じことができるようになるかもしれません。

研究内容の詳細は11月11日に『Science』に掲載されました。

目次 光でマウスの記憶を消すことに成功! SFの世界に一歩前進!マウスの脳に細い光ファイバーを刺し込む長期記憶は2日目の夜に作られる 光でマウスの記…

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参考文献

Using optogenetics, scientists pinpoint the location and timing of memory formation in mice
https://www.statnews.com/2021/11/11/using-optogenetics-scientists-pinpoint-location-timing-of-memory-formation-in-mice/

元論文

Stepwise synaptic plasticity events drive the early phase of memory consolidation
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abj9195

振動する超分子薬で脊椎を損傷したマウスを再び歩かせることに成功!

振動する超分子薬で脊椎を損傷したマウスを再び歩かせることに成功!
Credit:Z. ÁLVAREZ et al . Bioactive scaffolds with enhanced supramolecular motion promote recovery from spinal cord injury . Science (2021)

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事故後の車椅子生活が過去のものになるかもしれません。

米国ノースウェスタン大学で行われた研究によれば、脊椎を損傷して後ろ足が動かなくなったマウスに新開発の「振動する超分子薬」を注射したところ、再び歩けるようになった、とのこと。

脊椎の再生技術が実現すれば、多くの人々が再び自分の脚であるけるようになるでしょう。

しかし新開発の「超分子薬」とは、いったいどんなものなのでしょうか?

研究内容の詳細は11月11日に『Science』に掲載されています。

目次 脊椎を損傷したマウスを再び歩かせることに成功!振動する超分子薬で神経細胞にショックを与えて再生させる人間も注射1本で脊椎損傷を回復できるかもし…

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参考文献

‘Dancing molecules’ successfully repair severe spinal cord injuries
https://news.northwestern.edu/stories/2021/11/dancing-molecules-successfully-repair-severe-spinal-cord-injuries/
In Astonishing Feat, a New Drug Reversed Paralysis in Mice With Spinal Cord Injury
https://www.sciencealert.com/new-drug-reversed-paralysis-in-mice-with-spinal-injuries

元論文

Bioactive scaffolds with enhanced supramolecular motion promote recovery from spinal cord injury
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abh3602