全長約18メートル、新種魚竜の化石を発見!

新たに見つかった新種魚竜の頭蓋骨
Credit: Martin Sander et al., Science(2021)

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アメリカ西部ネバダ州の地層から、約2億4600万年前に生息した新種魚竜の化石が発見されました。

見つかった頭蓋骨は長さ約1メートル90センチで、そこから全長約18メートル、体重50トン近くに達したと推定されています。

驚くべきは、種として巨大化するスピードです。

同等のサイズを誇る現代のクジラが数千万年かけて大きくなったのに対し、魚竜はわずか300万年でこのサイズに達したとのこと。

研究は、12月24日付けで学術誌『Science』に掲載されています。

目次 魚竜は恐竜の仲間ではない 魚竜は恐竜の仲間ではない 映画などの影響もあってか、魚竜はよく恐竜と混同されがちです。 しかし正確には、爬虫類の仲間…

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参考文献

These ancient marine reptiles got very big, very fast
https://www.popsci.com/science/giant-ichthyosaur-evolution/
Earth’s First Giant: Newly Discovered Species of Ichthyosaur Was Behemoth of Dinosaurian Oceans
https://scitechdaily.com/earths-first-giant-newly-discovered-species-of-ichthyosaur-was-behemoth-of-dinosaurian-oceans/

元論文

Early giant reveals faster evolution of large body size in ichthyosaurs than in cetaceans
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abf5787

全長2.6mの巨大ヤスデの化石を発見、「史上最大の無脊椎動物」と認定

史上最大のヤスデの化石を発見!
Credit: Neil S. Davies et al., Journal of the Geological Society(2021)

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「ムカデやヤスデは見るのも苦手」

そんな方は、今回の発見に卒倒してしまうかもしれません。

このほど、イギリス北部の東岸にて、約3億年前に生息した絶滅ヤスデの一属アースロプレウラ(Arthropleura)」の化石が発見されました。

しかも、全長が2.6メートルに達すると推定され、これまでに見つかった”史上最大の無脊椎動物”と判明しています。

研究は、12月21日付けで学術誌『Journal of the Geological Society』に掲載されました。

目次 「史上最大の無脊椎動物」を認定! 「史上最大の無脊椎動物」を認定! 化石の発見は、2018年1月。 イングランド北部ノーサンバーランド州ホウィ…

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参考文献

Giant Millipedes “As Big as Cars” Once Roamed Northern England – “Complete Fluke of a Discovery”
https://scitechdaily.com/giant-millipedes-as-big-as-cars-once-roamed-northern-england-complete-fluke-of-a-discovery/

元論文

The largest arthropod in Earth history: insights from newly discovered Arthropleura remains (Serpukhovian Stainmore Formation, Northumberland, England)
https://jgs.lyellcollection.org/content/early/2021/11/19/jgs2021-115

周期的な大量絶滅の原因「太陽の双子ネメシス」の存在を示す新たな証拠

塵の雲に囲まれた連星系HD 98800のイメージイラスト
Credit: NASA/JPL-Caltech/T. Pyle (SSC)

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太陽系は実は2つの恒星を持つ連星系であるという仮説が存在しています。

そのもう1つの星は「ネメシス」と呼ばれていて、非常に暗く小さい褐色矮星で、太陽から9万5000天文単位という非常に離れた軌道を周回しているとされています。

この問題に関連しそうなある事実が、2017年に科学雑誌『王立天文学会月報(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)』に報告されています。

この研究によると、太陽のような星は、基本的に連星で誕生しているというのです。

「ネメシス」は地球の大量絶滅周期に関連するとされており、その名前は「神の怒り」を擬人化したギリシア神話の女神の名に由来します。

 

目次 大量絶滅周期と幻の連星「ネメシス」太陽は双子だったかもしれない 大量絶滅周期と幻の連星「ネメシス」 地球では過去に5回の大量絶滅があったとわか…

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参考文献

Our Sun May Have Been Born With a Trouble-Making Twin Called ‘Nemesis’
https://www.sciencealert.com/our-sun-could-have-been-born-with-a-twin-called-nemesis

元論文

Embedded binaries and their dense cores
https://academic.oup.com/mnras/article/469/4/3881/3795556?login=true

史上最大級の「巨大マンボウ」に遭遇 米カリフォルニア沿岸

史上最大級の巨大マンボウに遭遇(米カリフォルニア州)
Credit: Rich German(livescience) – Enormous sunfish surprises paddleboarders off Laguna Beach(2021)

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今月2日、カリフォルニア州ラグナ・ビーチの近海で、パドルボートをしていた二人組の下に、巨大マンボウが出現しました。

二人によれば、「突如そばに現れ、海底に沈んでいくまで30分ほど一緒にいた」という。

マンボウ属は現時点で、マンボウ・ウシマンボウ・カクレマンボウの3種に分類されます。

今回見つかったのはマンボウで、その種の中では、史上最大級の一つとのことです。

目次 過去最大クラスの一つ、全長3メートルに迫る可能性も 過去最大クラスの一つ、全長3メートルに迫る可能性も 今回のマンボウは突如あらわれたため、正…

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参考文献

Enormous sunfish surprises paddleboarders off Laguna Beach
https://www.livescience.com/giant-sunfish-encounter-paddleboarders

恐竜はくちばしなどの一部だけが「カラフル色」だったという研究

恐竜もカラフルな色を体の一部に持っていた可能性
Credit: Sarah Davis / The University of Texas at Austin(2021)

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ほとんどの鳥は、オウムやクジャクのような例は別として、全身カラフルなわけではありません。

しかし、羽毛以外に目を向ければ、クチバシや足先など明るい色を持った部分がすぐに見つかります。

そしてこのほど、テキサス大学オースティン校(UTA・米)の研究により、絶滅した恐竜たちも、現代の鳥類と同様に「部分的な明色」を持っていた可能性が示唆されました。

鮮やかな色は、仲間とのコミュニケーションやアピールに使われていたと考えられます。

研究は、12月6日付けで学術誌『Evolution』に掲載されました。

目次 恐竜はいかに「カラフルな色」を手にしたのか 恐竜はいかに「カラフルな色」を手にしたのか 恐竜の体色については、現存する鳥類と恐竜の共通祖先であ…

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参考文献

Dinosaur faces and feet may have popped with color
https://phys.org/news/2021-12-dinosaur-feet.html
Non-Avian Dinosaurs May Have Had Bright-Colored Skin, Scales and Beaks
http://www.sci-news.com/paleontology/dinosaur-carotenoid-coloration-10354.html

元論文

Estimating the distribution of carotenoid coloration in skin and integumentary structures of birds and extinct dinosaurs
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/evo.14393

自動車と同レベルの「俊足の恐竜」を示す足跡が発見される

足跡から自動車レベルの走行スピードが判明
Credit: Pablo Navarro-Lorbés(iflscience) – Fossil Footprints Could Set A Record For Dinosaur Speed(2021)

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近年の研究で、ティラノサウルスは実は鈍足だったことが分かってきています。

「じゃあ、恐竜は大して足が速くないんだ」というと、もちろんそんなことはありません。

ガタイの良すぎるティラノサウルスは、足への負担が大きかったため、速く走れなかっただけで、恐竜には様々なサイズがいます。

そしてこのほど、ラ・リオハ大学(University of La Rioja・スペイン)の最新研究で、市街地を走る自動車と同等のスピードを誇る恐竜の存在が確認されました。

これは、新たに見つかった2頭の恐竜の足跡から算出された結果で、時速27.7マイル(約44.6キロ)に達したとのことです。

研究は、12月9日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 足跡から最高レベルの「俊足」と判明 足跡から最高レベルの「俊足」と判明 2頭の恐竜の足跡は、スペイン北東部ログローニョのラ・リオハ州で発見され…

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参考文献

Meat-eating dinosaurs were terrifyingly fast, footprints reveal
https://www.livescience.com/fossil-tracks-speedy-dinosaurs
Footprints show some two-legged dinosaurs were agile
https://phys.org/news/2021-12-footprints-two-legged-dinosaurs-agile.html

元論文

Fast-running theropods tracks from the Early Cretaceous of La Rioja, Spain
https://www.nature.com/articles/s41598-021-02557-9

世界の終わりを記録して後世に伝える「モノリス」が、まもなく完成

タスマニア島で「人類の最期」を語り継ぐブラックボックスを建設予定
Credit: Earth Black Box – “Earth’s Black Box” to chronicle humanity’s descent into climate chaos(2021)

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温暖化、核戦争、隕石の落下、パンデミック、生態系の崩壊…

人類が滅亡する可能性のあるシナリオはいくつも挙げられますが、そのどれがいつ現実となるかは予想できません。

過去、多くの人々が悲劇に遭遇したとき、自身の生きた証や、悲劇の教訓を後世へ残そうとしてきました。

しかし、人類全体が滅亡するような悲劇の記録は、どうやって残せば良いのでしょうか?

今、そんな人類最期の物語を語り伝えるためのある計画が、オーストラリアのタスマニア島で進行しています。

「Earth’s Black Box(地球のブラックボックス)」と呼ばれるこのプロジェクトでは、世界最後の瞬間に、地球の環境データ、最新の科学・政治情報を自動で記録する巨大モノリスを建造しています。

目次 「人類の最期」を語り継ぐためにブラックボックスを立てる「真の目的」とは 「人類の最期」を語り継ぐために Earth’s Black Boxは、…

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参考文献

This Mysterious, Indestructible ‘Black Box’ Will Tell The Future What Happened to Us
https://www.sciencealert.com/this-mysterious-indestructible-black-box-will-tell-the-future-what-happened-to-us
“Earth’s Black Box” to chronicle humanity’s descent into climate chaos
https://newatlas.com/environment/earths-black-box-climate-change/

遺伝操作で「絶対に片方の性別しか生まないマウス」を開発

遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発! 精度100%
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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ファンタジーの世界では、男の子だけあるいは女の子だけしか産まれないようにする「呪い」の話は、しばしば見かけます。

しかし今日に至るまで人類は、この「呪い」と同じ現象を脊椎動物で再現するような科学水準には達していませんでした。

X染色体やY染色体などの性染色体の組み合わせによって性別が決まることが解明され、いくつかの産み分け方法が開発されてはいましたが「絶対に一方の性別しか産ませない」ようにさせるのは、意外に難しかったのです。

しかし英国フランシス・クリック研究所(FCI)で行われた研究によって、人類はマウスの産む子供を100%の精度で、どちらかの性別に限定する技術が開発されました。

絶対に片方の性別しか産まないようにさせる技術は、生物を機械部品のように扱うものだとの懸念もあるでしょうが、不要な性別を排除することで無用な殺処分を減らすことにもつながります。

しかし研究者たちは、いったいどんな方法でファンタジー世界にしかなかった「呪い」のような絶対的な効果を、現実の世界で成し遂げたのでしょうか?

研究内容の詳細は12月3日に『Nature Communications』で公開されました。

目次 遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発!無駄のない畜産業、無駄のない動物実験 遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発!…

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参考文献

Gene-editing used to create single sex mice litters
https://www.crick.ac.uk/news/2021-12-03_gene-editing-used-to-create-single-sex-mice-litters

元論文

CRISPR-Cas9 effectors facilitate generation of single-sex litters and sex-specific phenotypes
https://www.nature.com/articles/s41467-021-27227-2

「こん棒の尻尾」を武器にする新種恐竜を発見 チリ大学

新種のアンキロサウルスを南米チリで発見
Credit: Alexander Vargas et al., Nature(2021)

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南米チリの亜南極域にて、奇妙な尻尾をもつ新種のアンキロサウルスの化石が発見されました。

最大の特徴は、殺傷性の高い武器のような尻尾で、既知種では見られません。

チリ大学(University of Chile)の古生物学者で、本研究主任のアレクサンダー・バルガス(Alexander Vargas)氏は「アステカの棍棒として知られる、マクアフティル(macuahuitl)に似ている」と指摘します。

それだけでなく、新種の化石は、アンキロサウルスの進化について、これまで知られていなかった物語を明らかにしてくれました。

研究は、12月1日付けで学術雑『Nature』に掲載されています。

目次 尻尾はまるで「アステカの棍棒」 尻尾はまるで「アステカの棍棒」 化石の発見は2018年2月のこと。約7490万〜7170万年前に当たる白亜紀の…

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参考文献

‘Very weird’ ankylosaur’s tail looked like an Aztec war club
https://www.livescience.com/new-ankylosaur-dinosaur-chile
New dinosaur species from Chile had a unique slashing tail
https://phys.org/news/2021-12-dinosaur-species-chile-unique-slashing.html

元論文

Bizarre tail weaponry in a transitional ankylosaur from subantarctic Chile
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04147-1

実は間違いだった!映画『ジュラシック・パーク』の真実10選

映画『ジュラシック・パーク』の科学的な間違いトップ10
Credit: jp.depositphotos

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スピルバーグ監督の大ヒット映画『ジュラシック・パーク』(1993)。

本作がきっかけで、恐竜好きになったり、古生物学者になろうと決心した人も多いでしょう。

しかし一方で、恐竜学の歴史は非常に浅く、今も毎日のように新知見や新種の化石が発見され続けています。

そのため、30年近くも前に公開された本作には、科学的事実と異なるシーンがたくさん見受けられるのです。

そこで今回は、実は間違いだった『ジュラシック・パーク』の真実10選を紹介していきます。

※ジュラシック・シリーズは全部で5作公開されており、1作目以外の作品に触れている箇所もあります。

1.蚊から「恐竜DNA」は抜き出せない 映画内で、恐竜をどのように蘇らせたか覚えているでしょうか。 琥珀の中に保存された蚊から恐竜の血液を取り出し、…

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参考文献

Here’s Just How Wrong Jurassic Park Is About Dinosaurs
https://www.ranker.com/list/factual-inaccuracies-in-jurassic-park/beth-elias?ref=browse_list