腸は第2の脳ではなく、むしろ「脳の方が腸から生まれた」と判明! – ナゾロジー

Credit:Canva . ナゾロジー運営部 全ての画像を見る ニューロンの起源は腸のようです。 ドイツにあるヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)で行われた研究によれば、脳を構成するニューロンの起源は、消化システムの制御を行う細胞であった可能性が高い、とのこと。 近年では腸にもニューロンがあり、脳との関係の深さから…

「自らの未来予測が正しいか」を判断する脳回路がお魚にもあった

予測が上手くいっているかを判断する脳回路を発見! 仮想世界でGO
Credit:理化学研究所

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自分の予測を評価する脳回路があるようです。

日本の理化学研究所で行われた研究によれば、ゼブラフィッシュの脳において、予測の正しさと間違いを感知する回路を発見したとのこと。

さらに予測に間違いが起こることを学んだゼブラフィッシュは、そうでない個体に比べて、リスクを最小化する動きをするようになりました。

ゼブラフィッシュの脳は脊椎動物の中でももっとも単純な構造であるものの、予測の成功と失敗を繰り返すことで、最適な行動を選択できるようです。

研究内容の詳細は『Nature Communications』に掲載されています。

目次 予測が上手くいっているかを判断する脳回路を発見!歪んだ物理法則を体験した魚は世界を疑うようになる 予測が上手くいっているかを判断する脳回路を発…

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参考文献

最適な未来予想の実現化をモニターする神経細胞の発見 -魚の脳内モデル解読のための仮想現実空間実験システムを開発-
https://www.riken.jp/press/2021/20210929_2/index.html

元論文

Zebrafish capable of generating future state prediction error show improved active avoidance behavior in virtual reality
https://www.nature.com/articles/s41467-021-26010-7

「オーガズム瞑想」は脳機能を独特なパターンに変化させる

「オーガズム瞑想」は脳機能を独特なパターンに変化させると判明!
Credit:Canva , ナゾロジー編集部

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瞑想と性感の融合が新たな境地を開くようです。

米国トーマスジェファーソン大学で行われた研究によれば、カップルが瞑想状態に入りながら女性の陰核を刺激する「オーガズム瞑想」によって、脳の接続性が瞑想と性感が合わさったパターンに変化するとのこと。

どうやら私たちの脳内では、清らかな瞑想と俗な性感は互いに排他的ではなく、むしろ兄弟のような存在のようです。

最新科学はスピリチュアルとセクシャルの融合をどのように解き明かしたのでしょうか?

研究内容の詳細は11月11日に『FrontiersinPsychology』にて掲載されています。

目次 「オーガズム瞑想」は脳機能を独特なパターンに変化させると判明!人間の脳は清濁同根 「オーガズム瞑想」は脳機能を独特なパターンに変化させると判明…

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参考文献

‘Orgasmic Meditation’ Alters Brain Function
https://neurosciencenews.com/orgasmic-meditation-brain-function-19640/

元論文

Alterations in Functional Connectivity Measured by Functional Magnetic Resonance Imaging and the Relationship With Heart Rate Variability in Subjects After Performing Orgasmic Meditation: An Exploratory Study
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2021.708973/full

マウスの「うつ状態を20分で治す点鼻薬」が開発される

わずか20分でマウスの「うつ状態」を治す点鼻薬が開発!
Credit:JoVE

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未来の抗うつ薬は点鼻薬が主力かもしれません。

日本の東京理科大で行われた研究によれば、改良された抗うつ剤を点鼻薬でマウスに投与したところ、うつ状態がわずか20分で解消された可能性がある、とのこと。

研究で用いられた抗うつ薬は本来、脳内に直接投与するタイプのものでしたが、改良によって鼻粘膜への投与でも同じ効果を得られるようになったようです。

研究内容の詳細は『Journal of Controlled Release』に掲載されています。

目次 鼻から脳へ届く点鼻薬型の抗うつ薬を開発水責めでマウスを強制的に「うつ状態」にする難治性うつ病が20分で治る未来が来るかもしれない 鼻から脳へ届…

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参考文献

On the Nose: Scientists Optimize Intranasal Anti-Depressant Drug Delivery to the Brain
https://www.tus.ac.jp/en/mediarelations/archive/20211111_8305.html

元論文

Usefulness of cell-penetrating peptides and penetration accelerating sequence for nose-to-brain delivery of glucagon-like peptide-2
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0168365921002947?via%3Dihub

光でマウスの記憶を消すことに成功! MIBの世界に一歩前進!

光でマウスの記憶を消すことに成功! MIBの世界に一歩前進!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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光で記憶が消せるようになりました。

日本の京都大学で行われた研究によれば、脳の特定の場所に光をあてることで、マウスの特定の時期に形成された記憶を消去することに成功した、とのこと。

映画「メン・イン・ブラック」では閃光を放って記憶を消す装置「ニューラライザー」が登場しますが、現実の世界でも同じことができるようになるかもしれません。

研究内容の詳細は11月11日に『Science』に掲載されました。

目次 光でマウスの記憶を消すことに成功! SFの世界に一歩前進!マウスの脳に細い光ファイバーを刺し込む長期記憶は2日目の夜に作られる 光でマウスの記…

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参考文献

Using optogenetics, scientists pinpoint the location and timing of memory formation in mice
https://www.statnews.com/2021/11/11/using-optogenetics-scientists-pinpoint-location-timing-of-memory-formation-in-mice/

元論文

Stepwise synaptic plasticity events drive the early phase of memory consolidation
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abj9195

子育て熱心な父親ほど、脳のある領域が大きいと判明

子育て好きな父親ほど、脳の「視床下部」が大きいことが判明
Credit: jp.depositphotos

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エセックス大学(University of Essex・英)の最新研究により、子育て好きな父親とそうでない父親では、脳のある領域が異なることが明らかになりました。

報告によると、子どもと過ごす時間が長く、子育てに積極的に関わりたいと答えた父親では、そうでない人に比べ、脳の視床下部が大きくなっていたのです。

視床下部は、愛着や愛情に重要な役割を果たすことで知られています。

研究は、10月27日付けで学術誌『Social Neuroscience』に掲載されました。

目次 育児に熱心な父親ほど「視床下部が大きい」 育児に熱心な父親ほど「視床下部が大きい」 研究チームは今回、50人の父親を被験者とし、脳のスキャンや…

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参考文献

Caring, confident dads have structurally different brains – new research
https://theconversation.com/caring-confident-dads-have-structurally-different-brains-new-research-171137
Dads who spend more time with their children have a different BRAIN STRUCTURE to less involved fathers, study finds
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10191463/Dads-spend-time-kids-different-BRAIN-STRUCTURE-involved-fathers.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

Hypothalamus volume in men: Investigating associations with paternal status, self-reported caregiving beliefs and adult attachment style
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/17470919.2021.1997799?journalCode=psns20

砂糖の取りすぎ、精神疾患のリスクに 脳の毛細血管に炎症 都医総研(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

東京都医学総合研究所などの研究班は11日、思春期に砂糖を取りすぎると統合失調症などの精神疾患を発症するリスクの一つになる可能性があると発表した。マウスを使った実験でわかったという。同研究所の平井志伸主任研究員は「砂糖の過剰摂取に気を付けてスイーツを楽しんで」と呼びかけている。 【写真】砂糖が多く含ま…

「母から十分な教育を受けたイヌ」はストレスに強くなることが判明

母イヌの養育により、仔イヌのストレス耐性が上昇
Credit: jp.depositphotos

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麻布大学、日本盲導犬協会の共同研究により、仔イヌは、出生後に母イヌから十分な養育を受けると、ストレス耐性が高まり、日常の恐怖反応も少なくなることが明らかになりました。

哺乳類の性格形成には、幼少期の環境が大きく関係し、母親からの早すぎる分離は、子どもの気質や行動に悪影響をおよぼします。

イヌの発達過程はヒトと似ているため、この結果は、私たちにも当てはまると考えられています。

研究は、9月15日付けで学術誌『Hormones and Behavior』に掲載されました。

目次 母親の養育により「ストレス耐性」が高まる 母親の養育により「ストレス耐性」が高まる 本研究では、成長後のストレス耐性の指標となる「グルココルチ…

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参考文献

母イヌから十分な養育を受けたイヌは成長後ストレスに強くなることを解明
https://research-er.jp/articles/view/104746

元論文

Basal cortisol concentrations related to maternal behavior during puppy development predict post-growth resilience in dogs
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0018506X21001343?via%3Dihub

脳に電極を刺し「うつ病スイッチ」を刺激する臨床試験が開始される

脳に電極を刺し「うつ病スイッチ」を刺激する臨床試験が開始!
Credit:JMARCHIN

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うつ病にはスイッチがあるようです。

米国エモリー大学で行われた研究によれば、うつ病の発生源となっている回路に電極を刺し込んで1時間ほど刺激するだけで、薬の効果が無かった患者たちの症状が回復した、とのこと。

薬を用いたうつ病の治療は通常、数か月を要するものなのに、わずか1時間の電気刺激で回復がみられたという結果は非常に驚きです。

研究内容の詳細は11月3日に『Translational Psychiatry』で公開されています。

目次 脳に電極を刺し「うつ病スイッチ」を刺激する治療法が第二相に進出!電気刺激はβ波を抑えてネガディブな思考回路を遮断した臨床試験は第二相がはじまり…

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参考文献

Stimulation of brain’s “depression switch” offers rapid, sustained relief
https://newatlas.com/medical/stimulation-brain-depression-switch-rapid-sustained-relief/
Biomarker Identified for Early Antidepressant Effects of Deep Brain Stimulation
https://www.genengnews.com/neurological-disorders/biomarker-identified-for-early-antidepressant-effects-of-deep-brain-stimulation/

元論文

Intraoperative neural signals predict rapid antidepressant effects of deep brain stimulation
https://www.nature.com/articles/s41398-021-01669-0

寝る前に音楽を聴くと脳がメロディを処理し続けて睡眠の質が下がる可能性がある

寝る前の音楽は睡眠の質を下げる
Credit:Depositphotos

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「寝る前に音楽を聴いてリラックスしたい」という人は多いかもしれません。

ところがアメリカ・ベイラー大学(Baylor University)心理神経科学科に所属するマイケル・スカリン氏ら研究チームは、就寝前の音楽は睡眠の質を低下させる可能性があると発表しました。

寝る前に音楽を聴くと睡眠中も脳がメロディを処理し続けるため、睡眠が浅くなり夜中に目が覚めてしまうのです。

研究の詳細は、6月9日付の学術誌『Psychological Science』に掲載されました。

目次 音楽が頭にこびりつく「イヤーワーム」現象寝る前の音楽は、睡眠の質を低下させる脳は睡眠中にメロディを思い出して自動再生していた 音楽が頭にこびり…

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参考文献

Study finds listening to music before bed can worsen your sleep by inducing long-lasting earworms
https://www.psypost.org/2021/11/study-finds-listening-to-music-before-bed-can-worsen-your-sleep-by-inducing-long-lasting-earworms-62077

元論文

Bedtime Music, Involuntary Musical Imagery, and Sleep
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797621989724