デジタルの光、リアルのデジタル・コンヴァージェンス:SZ Newsletter VOL.107[CULTURE]

カームテクノロジーが『陰翳礼讃』のように空間の佇まいや気配を生みだすとすれば、CGがつくりだす“デジタルの光”はそこにどんな陰翳をもたらすだろうか? それらが結局のところ光の波長であるならば、物理的な世界とメタヴァースの間に、はたして「現実」であることの違いはあるのだろうか? 今週のSZメンバーシップのテーマ「CULTURE」に寄せて、現実のデジタル・コンヴァージェンスを考察する編集長からのニュースレター。

メタな世界から千のプラトーへ:SZ Newsletter VOL.106[AI]

フェイスブックの新しい社名「Meta(メタ)」が物語るように、いまやメタヴァースは人類(と独占を狙うテック企業)の新たなフロンティアとして目の前に拡がっている。だが現実を超越(メタ)したその世界はひとつではないし、ましてやひとつの企業のものでもない。そこではあらゆる動植物やロボットやAIが調和のもとに暮らすいくつもの台地(プラトー)が屹立するのだ。今週のSZメンバーシップのテーマである「AI」が準備する世界を描く編集長からのニュースレター。

インフルエンサーの終焉とクリエイターエコノミー:SZ Newsletter VOL.105[CREATOR ECONOMY]

編集された自撮り写真に演出過多な自分語り──ソーシャルメディア時代を象徴するインフルエンサーという存在の意味合いは、おおむね否定的なものに変わりつつあるという。果たして彼ら/彼女らは何を消費し、何を徒花として遺したのだろうか。「クリエイター」という生き方が万人に開かれ民主化される瞬間を前に、今週のSZメンバーシップのテーマでもある「CREATOR ECONOMY」を改めて考察する編集長からのニュースレター。

かくして“未来”は再び生成する〜WIREDカンファレンス2021が描いた未来図:SZ Newsletter VOL.104[FUTURE: re-generative]

社会生物学の父E.O.ウィルソンの有名な言葉に「人類における本当の問題は、旧石器時代の感情と、中世の古臭い社会制度と、神のようなテクノロジーを同時に手にしていることだ」というものがある。今週開催されたWIREDカンファレンスはまさに、都市というテクノロジー、コモンズという古くて新しい社会制度、そして太古から変わらないわたしたちのセルフ+ケアをテーマとしながら、過去と現在が重なり、その先に未来を生成していく足がかりを築く3日間となった。今週のSZメンバ…

森林というコモンズの価値と、その可能性を考える ゲスト:中井照大郎(百森 共同代表、GREEN FORESTERS代表)[音声配信]

世界でも有数の森林大国、日本。森林は長らく人々の生活を支えてきた資源の宝庫でありながら、現在多くの問題を抱えている。日本に暮らすわたしたちが、その豊かな恵みをこれからも享受し続けるために、いったい何が求められているのだろうか? 森林を管理する百森と造林事業を展開するGREEN FORESTERSの代表を務める中井照大郎をゲストに迎え、持続可能な森林の豊かさとそのコモンズとしての価値を訊いた。

リジェネラティヴな都市とは〜WIRED Conference 2021 DAY1の見どころ:SZ Newsletter VOL.103[CITY]

いよいよ来週に迫ったWIRED Conference 2021。その初日Day1のテーマが「CITY」だ。このパンデミックを経て、はたして都市はいかに再生し、あるいは「再生する未来」をその先に提示できるのだろうか? スマートシティから都市の再自然化まで、SZメンバーシップ宛ての今週の編集長からのニュースレターは、いま都市を語る上で絶対に欠かすことのできない視点を提示し、併せてカンファレンスDay1の豪華登壇者とその見どころを紹介する。

データコモンズ、新しい社会契約、ルール?展をめぐる対話 ゲスト:水野 祐(法律家) [音声配信]

テクノロジーの社会実装がほぼルールメイキングそのものだとするならば、法律家・水野祐が『WIRED』雑誌版のテーマを毎号解題する連載「新しい社会契約〔あるいはそれに代わる何か〕」は、その最も先鋭的な論点を端的に示してくれる最重要の2ページだ。現在「21_21 DESIGN SIGHT」にて開催中の「ルール?展」のディレクターも務める水野を迎え、最新号のテーマ「コモンズ」とルール、社会契約をめぐる対話を繰り広げた。

「セルフ」と「ケア」の間にあるもの〜WIRED Conference 2021 DAY3の見どころ:SZ Newsletter VOL.102[SELF+CARE]

いよいよ今月に迫ったWIRED Conference 2021と連動した週替りテーマでお届けしているSZメンバーシップ。そのDay3のテーマとなる「SELF+CARE」は、なぜ「自己(セルフ)」と「ケア」をプラスでつなぐのか、という問いから始まる。セルフが多層化して分人となっていく時代においてケアの技法とはいかなるものなのか? 今週の編集長からのニュースレターは「SELF+CARE」を解題しながら、カンファレンスDay3の豪華登壇者とその見どころを…

コモンズは合意形成のツール以上にその主体を問う:SZ Newsletter VOL.101[DEMOCRACY]

有権者のたった1%の投票で決める自民党総裁選は、国家という壮大なるコモンズの失敗例なのだろうか? 『WIRED』最新号では民主主義と合意形成の未来について紙幅を割いて特集している。そこには優先順位付投票制や液体民主主義といった新たな合意形成ツールの先に、「自律的意思をもった自己(セルフ)」という枠組みをいかに問い直すかという視座が含まれている。今週のSZメンバーシップのテーマ「DEMOCRACY」から最新号の読みどころをひも解く編集長からのニュースレ…

新コモンズ入門:人類の共有地をめぐるビブリオトーク ゲスト:渡邉康太郎(Takram/コンテクストデザイナー)[音声配信]

人類はいかにして豊かな共有地を共に編み上げていけるだろうか? 雑誌『WIRED』日本版の最新号発売日に開催されたエディターズラウンジでは、コンテクストデザイナーの渡邉康太郎(Takram)をゲストに迎え、雑誌の特集テーマ「NEW COMMONS コモンズと合意形成の未来」をさらに深く豊かに読み解くための推薦図書を挙げながら恒例のビブリオトークが繰り広げられた。恰好の「新コモンズ入門」となったその模様を音声記事でお届けしよう。