「未来世代から何かを奪えると思う傲慢さ」:僧侶・松本紹圭に訊く「わたしたちは『グッド・アンセスター』になれるか」

わたしたちは100年前を生きた人々にとっての未来世代であり、過去からの恩恵を受け取って「いまを生き切る」ことから、100年後の未来世代を考えることを始めるべきだ──。このほどローマン・クルツナリックの新著『グッド・アンセスター』を翻訳した僧侶・松本紹圭はこう語る。未来世代と共に長期的思考のもとでコモンズを築くことは、いかにして可能なのか? 「よき祖先」とは何かを起点に松本に訊いた。

かくして“未来”は再び生成する〜WIREDカンファレンス2021が描いた未来図:SZ Newsletter VOL.104[FUTURE: re-generative]

社会生物学の父E.O.ウィルソンの有名な言葉に「人類における本当の問題は、旧石器時代の感情と、中世の古臭い社会制度と、神のようなテクノロジーを同時に手にしていることだ」というものがある。今週開催されたWIREDカンファレンスはまさに、都市というテクノロジー、コモンズという古くて新しい社会制度、そして太古から変わらないわたしたちのセルフ+ケアをテーマとしながら、過去と現在が重なり、その先に未来を生成していく足がかりを築く3日間となった。今週のSZメンバ…

ミラーワールドはデジタルコモンズの夢を見るか〜ケヴィン・ケリーに訊くコモンズの過去・現在・未来:特集「NEW COMMONS」

インターネットカルチャーの黎明期からその思想の根底にあった「コモンズ」の実践は、いまや目の前に拡がる巨大なネクストフロンティアである〈ミラーワールド〉へと受け継がれている。『WIRED』創刊エグゼクティヴエディターのケヴィン・ケリーが語るこれまでの歴史と、30年後の未来のコモンズ(雑誌『WIRED』日本版Vol.42より転載)。

東京オリンピックの首都美化運動とサイバーパンク:SZ Newsletter VOL.94[Sci-Fi]

東京オリンピックに向けて行なわれた「首都美化運動」は日本人のアイデンティティすらをも変えるものだった。だがその後、サイバーパンクといったSFジャンルで舞台となるTOKYOやCHIBAで描かれたのは、当時一掃しようとした混沌の側の世界だ。SZメンバーシップの今週のテーマ「Sci-Fi」から、「デザイン・フィクション」や「SFプロトタイピング」の可能性を考える編集長からのニュースレター。