デジタル人民元は中央銀行デジタル通貨(とディエム構想)の戦略を書き換える

フェイスブックの仮想通貨リブラ(現ディエム)に対抗して誕生したデジタル人民元。中国政府が仮想通貨やフィンテック企業を次々と規制する最近の動きは、自国の「通貨主権」を守り一元化された決済システムやファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)に資するとされる一方で、監視強化のツールとなり、ドルによる金融支配を打破しようという野望も見えてくる。

データコモンズの行方:水野祐が考える新しい社会契約〔あるいはそれに代わる何か〕Vol.7

法律や契約とは一見、何の関係もないように思える個別の事象から「社会契約」あるいはそのオルタナティヴを思索する、法律家・水野祐による連載。21世紀の石油と呼ばれている「データ」を人類共有のコモンズとして捉えるべく、EUによるGDPR以降の「データコモンズ」構想を解題する。(雑誌『WIRED』日本版VOL.42より転載)。

中国で仮想通貨が「全面禁止」になった理由と、矛盾もはらむ政府の思惑

中国人民銀行(中央銀行)が仮想通貨(暗号資産)の決済や取引情報の提供といった関連サーヴィスを全面的に禁止すると発表した。仮想通貨を「投機」とみなして実体経済を重視する方針を打ち出した格好だが、ブロックチェーンの活用という政府の戦略との矛盾もはらんでいる。

ゲームの「ガチャ」が規制されても、また新たな“ギャンブル”がやってくる

ヴィデオゲームにおける「ガチャ」や「ルートボックス」のようなギャンブルの要素がある仕掛けを規制する動きが、世界的に加速している。英国ではルートボックスを「ギャンブル」として規制する法案が提出されたが、政府や当局の動きが遅いなか、仮に規制が実現しても別の仕掛けが登場するいたちごっこになる可能性が高い。

ロシア政府による力ずくの“脅し”の中身と、圧力に屈したアップルとグーグルが本来なすべきだったこと

アップルとグーグルがロシアの総選挙を前に反体制派による投票支援アプリを削除した問題の背景には、実はロシア政府による“腕力”による脅しへの方針転換が大きく影響していた。法改正によって現地オフィスの設置を義務づけた上でその従業員を“人質”にとって脅す手法に屈したテック企業たちには、もっと別の対応ができたのではないか。

巨大化するグーグルが、世界的な「独占禁止法の網」に捕らえられようとしている

影響力を増す大手テック企業に対し、各国の競争当局が独占禁止法に基づく罰金を科すのみならず、ビジネスのやり方を改めるよう求める動きが加速している。なかでもトルコでの独禁法訴訟は、検索エンジンの巨人であるグーグルがもつ“権力”の核心に迫っている。