「音楽」はこれからの時代に“旅のディスティネーション”となるか?:Placy鈴木綜真による連載『Cultivating The CityOS』

音楽フェスティヴァルの世界的増加やミュージシャンの聖地巡礼を背景に、音楽を起点にした観光「ミュージックツーリズム」が注目されている。コンサルティングファーム「Sound Diplomacy」へのインタヴューや、第一次世界大戦後の旅ができない時代の「仮想旅行」を参照しながら、Placy鈴木綜真がパンデミック後の「音楽」と「場所」の関係性をひも解く。

都市こそが生態系保全や生物多様性の鍵を握るという「自然保護論者のパラドックス」

ヤマネコ、コヨーテ、ムササビ、カワウソ……これまであり得なかった多様な動物が都市部で目撃されるにつれ、研究者たちは、都市こそが生物多様性の促進において重要な役割を果たすと考えるようになっている。都市化が生物種や生態系に大きな脅威を与え続けている一方で、都市が多様な生息環境であふれているという「自然保護論者のパラドックス」が起こっているのだ。都市保全生物学というこの新たな分野は、都市こそ「保全が完全に成功する場所だ」と考えている。