イルカも「性の喜び」を知るためのクリトリスを持つと判明!

イルカも人間と同じ「性の喜び」を知るためのクリトリスを持つと判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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イルカたちも「性の喜び」を知っているようです。

海中を泳ぐ優美な姿に似合わず、一部のイルカ(バンドウイルカ)は非常に活発な性行為を行います。

イルカたちの性行為は異性間だけでなく同性間でも頻繁に発生し、オス同士のカップルでは、お互いのペニスをアナルに入れたり、さらには背中の潮吹き穴(呼吸口)にもペニスを突っ込むことが知られています。

潮吹き穴は人間でいう鼻にあたる器官ですが、ホモセクシャルのイルカたちにとってはセクシーに感じられる穴のようです。

一方、メス同士のカップルは鼻先や手足のヒレ、背びれを使って互いのクリトリスを刺激し合います。

オス同士に比べると、まだ理解しやすいかもしれません。

ですがそもそもイルカのクリトリスについて、私たち人類はほぼ「無知」の状態にありました。

そこで今回、米国マウント・ホリヨーク大学(MHC)の研究者たちは、海岸に打ち上げられて死んだイルカを解剖して、クリトリスの秘密を探ることにしました。

研究内容の詳細は1月10日に『Current Biology』にて公開されています。

目次 イルカも「性の喜び」を知るためのクリトリスを持っていた発達したクリトリスは「交尾頻度」を増加させる イルカも「性の喜び」を知るためのクリトリス…

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参考文献

Female dolphins have a clitoris much like humans’
https://www.sciencenews.org/article/dolphin-female-clitoris-sexual-anatomy
“IT FUNCTIONS TO PROVIDE PLEASURE TO FEMALES.”
https://www.inverse.com/science/dolphin-clitoris

元論文

Evidence of a functional clitoris in dolphins
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)01544-X

キツネの視覚には「ターゲットハッド」が存在する可能性

キツネの視覚には「ターゲットハッド」が存在する可能性がある
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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キツネの視覚には”ターゲットハッド”がついているかもしれません。

チェコ生命科学大学の先行研究によれば、雪原などで行われるキツネのジャンプ狩りを分析した結果、ジャンプの方向が北に偏っていることが発見されています。

またジャンプ狩りの成功率を調べたところ、北(正確には北北東)へ向けたジャンプ狩りの成功率が74%なのに対して、それ以外の方向へジャンプした場合の成功率が18%未満と判明。

どうやらキツネのジャンプ狩りの精度は北向きに行うと上がるようです。

研究チームは、キツネの目は「北方向の斜め下側」にターゲットハッドが出現するようになっており、聴覚と組み合わせることで、北方向へ向けたジャンプ狩りの成功率を上げている可能性があると結論しています。

視界内のターゲットハッドといえば、SFに登場する戦闘ロボの索敵シーンなどで描かれてきましたが、どうやら現実世界のキツネも(北限定で)持っているようです。

しかし、いったいどうやってキツネは北方向を感知しているのでしょうか?

本研究の詳細は、2011年3月2日付で科学雑誌『Biology Letters』に掲載されたものです。

 

目次 キツネのジャンプ狩りは「北向き」が多いキツネの視覚には北方向限定で「ターゲットハッド」が存在する網膜に追加情報を表示する基礎技術になる キツネ…

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参考文献

Predation by foxes aided by Earth’s magnetic field
https://phys.org/news/2011-01-predation-foxes-aided-earth-magnetic.html

元論文

Directional preference may enhance hunting accuracy in foraging foxes
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2010.1145

「アシカのヒゲ」は人の指先並に器用で敏感だと判明

アシカはヒゲを人間の指のように使って判断できる
Credit:Robyn Grant(YouTube)_Sealio「アシカのヒゲ」は人の指先並に器用で敏感だと判明ns do task specific whisker touch sensing(2021)

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人間は指先を巧みに動かして、触った対象の形や大きさ、柔らかさなどを知ることができます。

こうした能力は指を器用に使えない動物たちでも、どこかに隠されているのでしょうか?

最近、イギリスのマンチェスター・メトロポリタン大学(Manchester Metropolitan University)理工学部に所属するロビン・グラント氏ら研究チームは、アシカが自分のヒゲを人間の指先のように動かせると発表。

アシカは必要な作業に応じてヒゲの使い方を変えることができるのです。

研究の詳細は、11月5日付の科学誌『Journal of Experimental Biology』に掲載されました。

目次 哺乳類のヒゲには触覚の役割があるアシカは作業に応じてヒゲの動かし方を変更する 哺乳類のヒゲには触覚の役割がある 人間の指先は、触覚として優れた…

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参考文献

Sea lion whiskers can move like human fingertips: here’s how we found out
https://theconversation.com/sea-lion-whiskers-can-move-like-human-fingertips-heres-how-we-found-out-172471

元論文

California sea lions employ task-specific strategies for active touch sensing
https://journals.biologists.com/jeb/article/224/21/jeb243085/273347/California-sea-lions-employ-task-specific

トナカイがサンタに「ソリ引き」として抜擢された5つの理由

トナカイがソリを引くのに適した5つの理由
Credit: jp.depositphotos

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もうすぐクリスマス。

クリスマスに活躍する動物と言えば、サンタの乗ったソリを引くトナカイです。

乗り手がサンタかどうかは別にしても、実際に、トナカイは古くからソリを引くために使用されてきました。

では、なぜトナカイがソリを引く動物として抜擢されたのでしょうか?

ここでは、その5つの理由をトナカイの生態に寄せて紹介します。

目次 ソリを引くのに適した5つの理由 ソリを引くのに適した5つの理由 防寒能力 トナカイは北極圏に生息しており、冬の夜長にはマイナス30℃を下回るこ…

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参考文献

Five ways reindeer are perfectly evolved for pulling Santa’s sleigh
https://theconversation.com/five-ways-reindeer-are-perfectly-evolved-for-pulling-santas-sleigh-173548

マンモスの絶滅により「草原火災」が急増していた

大型草食動物の絶滅により、草原での火災が増えていた
Credit: scitechdaily – Extinction of Ancient Grazers Triggered a Global Rise in Fires(2021)

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5万年前から6000年前にかけて、マンモスやジャイアントバイソン、古代馬など、大型の草食動物たちが姿を消しました。

エール大学(Yale University・米)の研究チームはこのほど、これらの草食種が失われたことによる生態系への影響を調査。

その結果、草を食む動物の絶滅により、草原における自然火災が劇的に増加していたことが判明しました。

研究は、11月26日付けで学術誌『Science』に掲載されています。

目次 絶滅率が高い地ほど、草原火災が急増 絶滅率が高い地ほど、草原火災が急増 エール大の研究チームは、ユタ自然史博物館(Utah Natural H…

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参考文献

Extinction of Ancient Grazers Triggered a Global Rise in Fires
https://scitechdaily.com/extinction-of-ancient-grazers-triggered-a-global-rise-in-fires/

元論文

Global response of fire activity to late Quaternary grazer extinctions
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abj1580

赤ちゃんの頭の匂いは男性を落ち着かせ、女性を勇敢にすると判明!

赤ちゃんの頭の匂いは男性を落ち着かせ、女性を勇敢にすると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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赤ちゃんの頭には魔法がかかっているようです。

イスラエルのワイツマン研究所(WIS)で行われた研究によれば、人間の赤ちゃんの頭から発せられる揮発性物質には、男性の攻撃性を減らす一方で、女性の攻撃性を増加させる効果があった、とのこと。

男性の攻撃性が減ることで赤ちゃんの虐待が防がれ、女性の攻撃性が増加することで赤ちゃんを守る勇敢さが与えられたと研究者たちは結論付けています。

自分の血を引かない子に対して常習的な子殺しを行っているチンパンジーやライオンと比べて、人間は弱き者を大事にする理性と道徳が備わった存在、とする意見もありますが……少なくとも赤ちゃんが自衛の必要に迫られる程度には、人間もチンパンジーやライオンに近かったようです。

研究内容の詳細は11月19日に『Science Advances』で公開されました。

目次 赤ちゃんの頭の匂いは男性を落ち着かせ、女性を勇敢にすると判明!男性は20%のマイナス、女性は20%のプラス赤ちゃんの頭の匂いは男性による虐待を…

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参考文献

Body Odor Chemical HEX Surprising Effects: Compound Calms Men But Triggers Aggression in Women
https://www.sciencetimes.com/articles/34615/20211120/body-odour-chemical-calms-men-triggers-aggression-women-study.htm

元論文

Sniffing the human body volatile hexadecanal blocks aggression in men but triggers aggression in women
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abg1530

「母から十分な教育を受けたイヌ」はストレスに強くなることが判明

母イヌの養育により、仔イヌのストレス耐性が上昇
Credit: jp.depositphotos

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麻布大学、日本盲導犬協会の共同研究により、仔イヌは、出生後に母イヌから十分な養育を受けると、ストレス耐性が高まり、日常の恐怖反応も少なくなることが明らかになりました。

哺乳類の性格形成には、幼少期の環境が大きく関係し、母親からの早すぎる分離は、子どもの気質や行動に悪影響をおよぼします。

イヌの発達過程はヒトと似ているため、この結果は、私たちにも当てはまると考えられています。

研究は、9月15日付けで学術誌『Hormones and Behavior』に掲載されました。

目次 母親の養育により「ストレス耐性」が高まる 母親の養育により「ストレス耐性」が高まる 本研究では、成長後のストレス耐性の指標となる「グルココルチ…

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参考文献

母イヌから十分な養育を受けたイヌは成長後ストレスに強くなることを解明
https://research-er.jp/articles/view/104746

元論文

Basal cortisol concentrations related to maternal behavior during puppy development predict post-growth resilience in dogs
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0018506X21001343?via%3Dihub

トゲマウスに哺乳類で初となる「腎臓再生」の能力を発見

トゲマウスに哺乳類で初となる「再生能力」を発見
Credit: ja.wikipedia

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魚類や爬虫類、両生類には、傷ついた体の再生能力を持つものがいます。

その一方で、ヒトを含む哺乳類は、残念ながら、失われた部位の再生を得意とはしていません。

しかしこのほど、ワシントン大学(University of Washington・米)の研究チームは、トゲマウスというげっ歯類に、腎臓組織を再生する力があることを発見しました。

人為的にダメージを与えた腎臓の構造および機能が再生しただけでなく、腎不全の原因ともなる傷跡も残らなかったとのこと。

こうした臓器の再生能力が哺乳類に見つかるのは初であり、人体の再生医療にも役立つと考えられています。

研究は、11月3日付けで学術誌『iScience』に掲載されました。

目次 損傷から2週間で、腎臓が完全再生「心臓」の再生にも適用できる? 損傷から2週間で、腎臓が完全再生 トゲマウス(Spiny mouse)とは、ネ…

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参考文献

These adorable mice can regenerate their kidneys without scarring
https://www.zmescience.com/science/biology/these-adorable-mice-can-regenerate-their-kidneys-without-scarring/
Spiny Mice Appear to Regenerate Damaged Kidneys
https://www.the-scientist.com/news-opinion/spiny-mice-appear-to-regenerate-damaged-kidneys-69375

元論文

Spiny mice activate unique transcriptional programs after severe kidney injury regenerating organ function without fibrosis
https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(21)01238-4?utm_source=EA

哺乳類の鼻は「祖先の上アゴ」から進化したと明らかに

哺乳類における鼻と上あごの分化の秘密を解明
Credit: 東京大学 – 哺乳類の顔を作ったダイナミックな進化過程 ~哺乳類の鼻は祖先の口先だった~(2021)

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哺乳類の顔は、考えてみれば不思議なかたちをしています。

ヘビやカエルなど、他の脊椎動物では、上あごの先端に鼻がありますが、哺乳類では、上あごと別に動く鼻があります。

こうした哺乳類の顔の進化はまったくの謎でした。

しかし今回、東京大を中心とする国際研究チームにより、顔面形成の進化プロセスが明らかにされました。

これまで同じプロセスと見なされていた顔面形成が、哺乳類において大幅に変更していたようです。

研究は、11月2日付けで学術誌『PNAS』に掲載されています。

目次 「上あご」と「鼻」はどうやって分かれた? 「上あご」と「鼻」はどうやって分かれた? 哺乳類の顔は、上あごから独立した鼻を持つことが大きな特徴で…

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参考文献

哺乳類の顔を作ったダイナミックな進化過程 ~哺乳類の鼻は祖先の口先だった~
https://research-er.jp/articles/view/104473
Mammals’ noses come from reptiles’ jaws: Evolutionary development of facial bones
https://phys.org/news/2021-11-mammals-noses-reptiles-jaws-evolutionary.html

元論文

Mammalian face as an evolutionary novelty
https://www.pnas.org/content/118/44/e2111876118

腸と乳腺はつながっている! 腸の免疫細胞が「母乳の抗体」を作っていた

腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動して「母乳中の抗体」を作っていると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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母乳に抗体が含まれる仕組みが解明されました。

9月7日に日本の東北大学の研究者たちにより『Cell Reports』に掲載された論文によれば、腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動し、母乳に含まれる抗体(IgA)を生産していたとのこと。

母乳には赤ちゃんの健康を助ける抗体が含まれていることが古くから知られていましたが、本研究によってその出所が世界ではじめて、明らかになりました

また研究では、特定の腸内細菌2種(後述)が母乳に含まれる抗体の生産に重要な役割を果たしていることも示されました。

腸内細菌と母乳に含まれる抗体との間に、いったいどんな関係があるのでしょうか?

 

目次 母乳の抗体を作る細胞は乳房以外の場所で作られている腸から乳腺に抗体を作る免疫細胞が移動している母乳に十分な抗体ができるには腸内細菌が必須母乳の…

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参考文献

腸管と乳腺はつながっている! ~腸内微生物が母乳中の抗体産生を促す~
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/09/press20210908-01.html

元論文

The gut microbiota induces Peyer’s-patch-dependent secretion of maternal IgA into milk
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)01098-6