フェイスブックを“解体”する流れは加速する? 反トラスト法訴訟で下された「画期的な判断」の意味

フェイスブック(現社名はメタ・プラットフォームズ)に対する米連邦取引委員会(FTC)による反トラスト法(独占禁止法)に基づく告訴について、米連邦巡回裁判所がこれを受理して審理に進める判断を下した。製品が「無料」でも独占状態が消費者に価格以外の損害を与える恐れがあるという理論を支持した画期的な判断は、グーグルやアマゾン、アップルなどの支配的なプラットフォームをもつ企業にも影響する可能性が出てきた。

Facebookからアルゴリズムを排除したら、“世界”はどう見えてくる? 投稿を「最新順」の時系列表示に変えてわかったこと

フェイスブック元社員の内部告発により、安全より利益を優先するアルゴリズムの問題が注目されているFacebook。実はニュースフィードからアルゴリズムによる操作を排除し、「最新投稿順の表示」に変更することが可能だ。そんな“健全”なニュースフィードを試してみると、世界はいったいどのように見えてくるのか?

トランプ劇場に始まり、“ザッカーヴァース”で終わった茶番の1年:『WIRED』日本版が振り返る2021年(ソーシャルメディア編)

米連邦議会議事堂への乱入事件とトランプ前大統領のSNSアカウント凍結で幕を開けた2021年。音声SNS「Clubhouse」の栄枯盛衰を駆け足で眺めたあとは、フェイスブックの内部告発と、そのダメージを避けるかのような「メタ」への社名変更が続き、SNSの社会的意義と真価が問われ続けた。2021年にオンラインでよく読まれたSNS関連の記事をピックアップし、『WIRED』日本版が振り返る2021年(ソーシャルメディア編)としてお届けする。

「GAFA」の主力製品は、こうして“退化”が加速する

徹底した顧客主義を貫いてきたはずのAmazonのサイトに広告が溢れるなど、巨大テック企業のサーヴィスや製品が“退化”するようになった。この現象はグーグルやフェイスブック、アップル、マイクロソフトといった企業すべてに共通しており、いまや「GAFA」をはじめとする巨大テック企業に蔓延しているのだ──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

Facebookは「進化したAI」で、世界中の“危険なコンテンツ”を監視できるか

さまざまな言語で用いられているFacebookから悪質なコンテンツを排除すべく、AIを用いた新しいモデレーションのシステムを運営元のメタ・プラットフォームズが開発した。必要とするトレーニングデータが従来のシステムと比べてはるかに少ない点が特徴だが、バイアスなどの望ましくない副作用について懸念の声も上がっている。

Facebookによる「2要素認証」の導入加速には、“合理的”な根拠がある

Facebookで、侵害のリスクが最も高いと位置づけられるユーザーのアカウントの認証方法として、パスワード以外の方法を併用する「2要素認証」が義務づけられる。「Facebook Protect」プログラムに登録している政治家や活動家、ジャーナリストなど一部が対象となるが、セキュリティ強化の一環として2要素認証の導入が世の中の流れとなるなか、今回の決定には合理的な根拠がある。

フェイスブックが開発中の「触覚グローヴ」は、VRの未来を切り開けるか

メタヴァース企業を目指すメタ(旧社名はフェイスブック)が、仮想空間で物体を持った際の重さや感触を再現できる触覚グローヴの試作モデルを公表した。このグローヴはメタが思い描くメタヴァースで、視覚と聴覚、触覚の融合によって現実感を高める役割を果たす可能性を秘めている

フェイスブックの「世界を高速インターネットでつなぐ」計画に高まる懸念

メタに社名変更した旧フェイスブックが、世界中に高速インターネットアクセスを提供するプロジェクト「Facebook Connectivity」を発表した。地球上の10億人以上の人々を高速インターネットでつなぐというこの計画。個人情報を巡るさまざまな問題が顕在化してきた同社だけに、インターネットインフラへの関与に懸念を示す声も上がっている。

メタ(フェイスブック)のVR会議アプリ「Horizon Workrooms」はメタヴァースの3本目の柱となる

メタヴァース事業への意欲を見せ社名をこのほど「メタ」に変更したフェイスブックが現在ベータ版として発表しているVRアプリ「Horizon Workrooms」は、アヴァターでVR会議に参加しながら自分のパソコンを操作したり画面を共有することもできる。ザッカーバーグが「無限のオフィス」と呼ぶこの空間は、はたしてその思惑どおりメタヴァースの第三の柱となるのだろうか?

「メタヴァース企業」になるというザッカーバーグの野望と、“陣取り合戦”からの脱却という課題

マーク・ザッカーバーグ率いるメタ(旧社名はフェイスブック)はメタヴァース企業を目指している。だが、これまでのモバイルOSのような“陣取り合戦”に終始せず、プラットフォームの相互運用性を担保して「ひとつのメタヴァース」をつくることができるのか──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。