“自律走行車”を個人で保有する時代が訪れる? 「CES 2022」で見えた自動車業界の新しいトレンド

これまで自律走行車は、自動運転タクシーのように個人が所有しないモビリティとして普及するとされてきた。ところが、自動車メーカーが戦略を修正する流れが、このほど開催された「CES 2022」で見えてきた。個人向けのクルマに完全自動運転の機能を搭載することで、技術の普及と収益化を図ろうというのだ。

CES 2022:「自律走行車」が、一部の分野で現実のものになり始めた

世界最大級の家電見本市「CES 2022」では、さまざまな企業が自律走行車に関する取り組みを発表した。こうしたなか、自動運転技術の開発に取り組むふたりのキーパーソンへのインタヴューからは、すでに一部の分野において“自律走行”が現実のものになりつつあること、そして実用段階ゆえの課題が改めて浮き彫りになってくる。

農機大手のジョンディアは、AIで動く「完全自動運転トラクター」で農業に革新をもたらすか

農機大手のジョンディアが、自律走行する完全自動運転トラクターを「CES 2022」で発表した。農家の負担軽減が期待される一方で、そもそも農業に従事する人々が必要なくなる「ロボット農場」へと発展する可能性も懸念されている。

完全なる自動運転の時代に向け、自動車産業のエコシステムの変化が加速する:「THE WORLD IN 2022」 AUTONOMOUS CARS

運転支援技術の高度化が進み、いまでは市販車にも浸透し始めている。こうしたなか、将来的に自動運転が「レヴェル3」から「レヴェル4」へと移行することは、単に数字がひとつ上がるだけの連続的な変化ではない。産業全体の構造が根本からひっくり返る可能性がある「ディスラプション型」の変化だ。こうした変化に対応すべく自動車業界では2022年、自動運転の技術そのものに加えて、その周辺にあるエコシステムの変化が加速していくことになる。

自動運転システムの訓練に特化、テスラの独自チップから見えた“クルマの未来”

テスラが自動運転技術の開発を加速させるべく、人工知能(AI)の学習に用いる独自プロセッサー「D1」を発表した。その狙いを読み解くと、巨大なニューラルネットワークを高度化することで自動車の自律性を高める戦略が透けて見えてくる。

Cruise is buying solar energy from California farmers to power its electric, self-driving fleet

Cruise, the self-driving car company under General Motors, has launched a new initiative called Farm to Fleet that will allow the company to source solar power from farms in California’s Central Valley. The San Francisco Chronicle was the first to report the news that Cruise is directly purchasing renewable energy credits from Sundale Vineyards and […]

自律走行車の“頭脳”を束ねれば、分散型のスーパーコンピューターになる? 壮大なアイデアの実現可能性と課題

自動運転に用いるコンピューターチップは加速度的に進化しており、いまやノートPC200台分に相当する能力をもつクルマもあるという。こうしたなか、この処理能力をネットワーク経由で利用することで、分散型のスーパーコンピューターとして活用するアイデアが浮上した。仮想通貨のマイニングや世界規模の課題解決に役立てられる可能性も開けるが、実現には課題も山積している。

AIの“過ち”をデータベースに蓄積せよ:米国の非営利団体による取り組みの理由

自律走行車による交通事故から顔認識技術のミスによる誤認逮捕まで、人工知能(AI)のミスが原因となった事件や事故が増えている。こうしたAIの“過ち”を集めて登録したデータベース「AIインシデント・データベース」の構築に、米国の非営利団体が取り組んでいる。その目的とは、AIの開発においてテック企業に「アメとムチ」を与えることで、AIの進歩を「正しい方向」へと誘導することにある。