実は大きい?「古生物の覇者」アノマロカリスの正体とは

アノマロカリスの復元予想
credit: depositphotos

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アンモナイトや三葉虫と並び、有名な古生物「アノマロカリス」をご存知でしょうか。

名前はピンと来なくとも、ロボットや書籍の表紙等で、その変な見た姿を目にした人は多いと思います。

「古生物」とは、絶滅し今は存在しない生物のことですが、化石の研究から様々な憶測がされています。

今回は、そんな「アノマロカリス」の生態についてご紹介します。

目次 アノマロカリスの生態アノマロカリスの最新研究 アノマロカリスの生態 アノマロカリスの分類は、脊椎動物(背骨のある動物)、節足動物門(エビ、虫、…

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参考文献

Anomalocaris, the largest known Cambrian arthropod, D. E. G. Briggs
https://www.google.com/url?q=https://www.palass.org/publications/palaeontology-journal/archive/22/3/article_pp631-664&sa=D&source=docs&ust=1638178732750000&usg=AOvVaw3h4UgvEbpJFXl4hOLyAWU7
Anomalocaris and Other Large Animals in the Lower Cambrian Chengjiang Fauna of Southwest China, Hou Xian‐Guang
https://www.google.com/url?q=https://www.researchgate.net/publication/233050167_Anomalocaris_and_Other_Large_Animals_in_the_Lower_Cambrian_Chengjiang_Fauna_of_Southwest_China&sa=D&source=docs&ust=1638178750800000&usg=AOvVaw2gLG6brn5sokV6dVf5McSy
カンブリア紀のアノマロカリスの遊泳行動の獲得、五十嵐地広(PDFファイル)
http://hokkaido.jspe.or.jp/proc_archive/2017/pdf/17-C-04.pdf

自己複製可能な世界初の生きている機械「ゼノボットMk3」を開発

生きている機械「ゼノボット」に自己複製能力があると判明!
Credit:Sam Kriegman et al . Kinematic self-replication in reconfigurable organisms . PNAS (2021)

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生きている機械「ゼノボット」に自己複製能力が加わったようです。

米国タフツ大学(TU)とバーモント大学(UVM)で行われた研究によれば、カエルの細胞から作られた、生きている機械「ゼノボット」に自己複製能力が確認された、とのこと。

初期型の歩行能力があるゼノボットMk1、自律的に形態変化して遊泳するMk2に続き、Mk3ではついに効率的な自己複製能力が獲得されたようです。

生体機械技術の最先端では、いったい何が起きているのでしょうか?

研究内容の詳細は『PNAS』にて公開されています。

目次 ゼノボットはカエルの細胞から作られるゼノボットは細胞を集めてコネて子孫を作るゼノボットは多細胞生物の先祖返りした姿かもしれない ゼノボットはカ…

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参考文献

Team Builds First Living Robots That Can Reproduce
https://www.uvm.edu/news/story/team-builds-first-living-robots-can-reproduce

元論文

Kinematic self-replication in reconfigurable organisms
https://www.pnas.org/content/118/49/e2112672118

珍獣「イッカク」の正体とは? 角の使いみちに迫る

かわいいイッカク
credit: イラストAC

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イッカクという生き物をご存知ですか?額から長い角のようなものが生えた不思議な海の生き物です。

その長い角が印象的なことから「海のユニコーン」と呼ばれることもあります。イッカクという名前も漢字では「一角」であり、とにかく「角」のイメージが強いイッカクですが、実はあの「角」は角ではないことをご存知でしょうか?

本記事では、イッカクの生態や特徴的な額の「角」について詳しく解説していきます!

目次 イッカクの生態イッカクの角は何でできているのか?イッカクは対人ストレスで脳を損傷することもあるイッカクが見られる水族館 イッカクの生態 イッカ…

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参考文献

ユニコーン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3#%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%A7%92

赤ちゃんの頭の匂いは男性を落ち着かせ、女性を勇敢にすると判明!

赤ちゃんの頭の匂いは男性を落ち着かせ、女性を勇敢にすると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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赤ちゃんの頭には魔法がかかっているようです。

イスラエルのワイツマン研究所(WIS)で行われた研究によれば、人間の赤ちゃんの頭から発せられる揮発性物質には、男性の攻撃性を減らす一方で、女性の攻撃性を増加させる効果があった、とのこと。

男性の攻撃性が減ることで赤ちゃんの虐待が防がれ、女性の攻撃性が増加することで赤ちゃんを守る勇敢さが与えられたと研究者たちは結論付けています。

自分の血を引かない子に対して常習的な子殺しを行っているチンパンジーやライオンと比べて、人間は弱き者を大事にする理性と道徳が備わった存在、とする意見もありますが……少なくとも赤ちゃんが自衛の必要に迫られる程度には、人間もチンパンジーやライオンに近かったようです。

研究内容の詳細は11月19日に『Science Advances』で公開されました。

目次 赤ちゃんの頭の匂いは男性を落ち着かせ、女性を勇敢にすると判明!男性は20%のマイナス、女性は20%のプラス赤ちゃんの頭の匂いは男性による虐待を…

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参考文献

Body Odor Chemical HEX Surprising Effects: Compound Calms Men But Triggers Aggression in Women
https://www.sciencetimes.com/articles/34615/20211120/body-odour-chemical-calms-men-triggers-aggression-women-study.htm

元論文

Sniffing the human body volatile hexadecanal blocks aggression in men but triggers aggression in women
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abg1530

腸は第2の脳ではなく、むしろ「脳の方が腸から生まれた」と判明!

腸は第2の脳ではなくむしろ腸の一部から脳がうまれたと判明!
Credit:Canva . ナゾロジー運営部

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ニューロンの起源は腸のようです。

ドイツにあるヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)で行われた研究によれば、脳を構成するニューロンの起源は、消化システムの制御を行う細胞であった可能性が高い、とのこと。

近年では腸にもニューロンがあり、脳との関係の深さから「腸は第2の脳」と言われるようになりましたが、逆でした。

研究によれば、ニューロンの原形となる細胞は最初に消化システムで誕生し、後に脳に転用されるようになったようです。

つまり順番にこだわるならば、腸は第2の脳ではなくむしろ、脳が第2の腸ということになります。

しかし、研究者たちはこの常識を引っくり返すような結論を、いかにして導き出したのでしょうか?

研究内容の詳細は11月4日に『Science』に掲載されました。

目次 腸は第2の脳ではなくむしろ腸の一部から脳がうまれたと判明!脳は腸の一部が変化して誕生した腸内細菌叢は脳より古い起源をもっている 腸は第2の脳で…

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参考文献

More than a gut reaction
https://www.embl.org/news/science/more-than-a-gut-reaction/

元論文

Profiling cellular diversity in sponges informs animal cell type and nervous system evolution
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abj2949

「死んだふり」を操る遺伝子を発見!

Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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死んだふりに必要な遺伝子があるようです。

東京農業大学で行われた研究によれば、甲虫の死んだふりを操る遺伝子群が発見された、とのこと。

死中に活を見いだす「死んだふり」は虫から脊椎動物まで幅広い動物に採用されています。

いったいどんな遺伝子によって「死んだふり」は操作されているのでしょうか?

研究内容の詳細は11月8日に『Scientific Reports』で公開されています。

目次 「しんだふり」の解明に挑む死んだふりを操る遺伝子を発見「しんだふり」のメカニズムは人間の蘇生にも役立つ 「しんだふり」の解明に挑む 捕食者に食…

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参考文献

世界初! 天敵から逃れる戦略を制御するゲノムの特徴を解明 ~死んだふりを操る遺伝子の全貌を突き止めた~
https://www.nodai.ac.jp/application/files/2616/3607/2242/1.pdf

元論文

Genomic characterization between strains selected for death-feigning duration for avoiding attack of a beetle
https://www.nature.com/articles/s41598-021-00987-z

最強生物クマムシは「体内の水分を抜きタンパク質をゲル化」して無敵になっていた

クマムシの無敵モード「乾眠」を可能にするメカニズムとは?
Credit: ja.wikipedia

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クマムシの驚異的な環境適応力は、「乾眠」という特殊な脱水状態によって発動されます。

しかし、生き物は普通、体内の水分を抜くと生きていけません。

クマムシについても、乾眠を可能にするメカニズムはほとんど何も分かっていませんでした。

自然科学研究機構・生命創成探究センター(ExCELLS・日本)は今回、クマムシの乾燥耐性の仕組みを調査。

その結果、脱水ストレスがかかると、細胞内のタンパク質が集まってゲル状のファイバーを作ることが明らかになりました。

このファイバーが、乾燥した細胞を保護している可能性があるようです。

研究は、11月4日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 脱水に反応して、タンパク質が集合 脱水に反応して、タンパク質が集合 クマムシは過酷な環境にさらされると、体の水分を抜いて「乾眠」に移行します。…

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参考文献

“地上最強生物”クマムシの乾燥耐性の仕組みの解明に挑む ―水分消失に伴って細胞の中のタンパク質が集まってファイバーをつくることを発見
https://research-er.jp/articles/view/104621

元論文

Desiccation-induced fibrous condensation of CAHS protein from an anhydrobiotic tardigrade
https://www.nature.com/articles/s41598-021-00724-6

哺乳類の鼻は「祖先の上アゴ」から進化したと明らかに

哺乳類における鼻と上あごの分化の秘密を解明
Credit: 東京大学 – 哺乳類の顔を作ったダイナミックな進化過程 ~哺乳類の鼻は祖先の口先だった~(2021)

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哺乳類の顔は、考えてみれば不思議なかたちをしています。

ヘビやカエルなど、他の脊椎動物では、上あごの先端に鼻がありますが、哺乳類では、上あごと別に動く鼻があります。

こうした哺乳類の顔の進化はまったくの謎でした。

しかし今回、東京大を中心とする国際研究チームにより、顔面形成の進化プロセスが明らかにされました。

これまで同じプロセスと見なされていた顔面形成が、哺乳類において大幅に変更していたようです。

研究は、11月2日付けで学術誌『PNAS』に掲載されています。

目次 「上あご」と「鼻」はどうやって分かれた? 「上あご」と「鼻」はどうやって分かれた? 哺乳類の顔は、上あごから独立した鼻を持つことが大きな特徴で…

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参考文献

哺乳類の顔を作ったダイナミックな進化過程 ~哺乳類の鼻は祖先の口先だった~
https://research-er.jp/articles/view/104473
Mammals’ noses come from reptiles’ jaws: Evolutionary development of facial bones
https://phys.org/news/2021-11-mammals-noses-reptiles-jaws-evolutionary.html

元論文

Mammalian face as an evolutionary novelty
https://www.pnas.org/content/118/44/e2111876118

腸と乳腺はつながっている! 腸の免疫細胞が「母乳の抗体」を作っていた

腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動して「母乳中の抗体」を作っていると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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母乳に抗体が含まれる仕組みが解明されました。

9月7日に日本の東北大学の研究者たちにより『Cell Reports』に掲載された論文によれば、腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動し、母乳に含まれる抗体(IgA)を生産していたとのこと。

母乳には赤ちゃんの健康を助ける抗体が含まれていることが古くから知られていましたが、本研究によってその出所が世界ではじめて、明らかになりました

また研究では、特定の腸内細菌2種(後述)が母乳に含まれる抗体の生産に重要な役割を果たしていることも示されました。

腸内細菌と母乳に含まれる抗体との間に、いったいどんな関係があるのでしょうか?

 

目次 母乳の抗体を作る細胞は乳房以外の場所で作られている腸から乳腺に抗体を作る免疫細胞が移動している母乳に十分な抗体ができるには腸内細菌が必須母乳の…

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参考文献

腸管と乳腺はつながっている! ~腸内微生物が母乳中の抗体産生を促す~
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/09/press20210908-01.html

元論文

The gut microbiota induces Peyer’s-patch-dependent secretion of maternal IgA into milk
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)01098-6