ボトックス注射でうつ病や不安症のリスクを減らすと判明!

ボトックス注射でうつ病や不安症のリスクを減らすと判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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ボトックス注射が、うつや不安に効くようです。

米国カリフォルニア大学で行われた研究によれば、美容や医療目的のボトックス注射を行った4万人の経過データを分析したところ、額や首など特定の部位に注射された人々において、不安症に陥るリスクが最大で72%も減少していた、とのこと。

また、うつ病になるリスクも大幅に減少していることも確認できました。

ボトックス注射の主成分であるボツリヌス菌の出す「毒素」が脳や神経系に作用して、ネガティブな感情の発生源となる神経活動を抑え込んでいるからだと考えられます。

研究結果の詳細は12月21日に『Scientific Reports』にて公開されています。

目次 ボトックス注射でうつ病や不安症のリスクを減らすと判明!ボツリヌス毒素がネガティブな感情を麻痺させる ボトックス注射でうつ病や不安症のリスクを減…

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参考文献

Beneficial Side Effect: Botox Injections May Reduce Anxiety
https://scitechdaily.com/beneficial-side-effect-botox-injections-may-reduce-anxiety/

元論文

Postmarketing safety surveillance data reveals protective effects of botulinum toxin injections against incident anxiety
https://www.nature.com/articles/s41598-021-03713-x

人工培養脳にテニスゲームを教えると5分で理解し遊び始めると判明!

人工培養脳にテニスゲームを教えると5分で理解し遊び始めると判明!
Credit:In vitro neurons learn and exhibit sentience when embodied in a simulated game-world . bioRxiv (2021)

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人工培養脳が人間のゲームで遊びはじめました。

英国ロンドン大学で行われた研究によれば、培養されたヒトの脳にテニスゲームの遊び方を教えるのに成功した、とのこと。

これまで作られた人工培養脳(脳オルガノイド)は培養漕の中で浮かんだり、目を生やして辺りを見回すくらいしかできませんでした。

今回の脳オルガノイドは目はありませんが、無数の電極と接続されており、ゲーム機からボールの位置情報を受け取ると、自分の意思で「バー」を動かしてボールを跳ね返します

ゲームをプレイする「意思」と「知性」を持った脳オルガノイドの出現により、脳オルガノイドは単なる人体実験の代用品から「生体AI」へと進化すると期待されます。

研究内容の詳細は12月3日にプレプリントサーバーの『boiRxiv』にて公開されています。

目次 人工培養脳にテニスゲームを教えると5分で理解し遊び始めると判明!「ヒト脳オルガノイド」VS「マウス脳オルガノイド」どっちがゲーム上手か?脳オル…

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参考文献

Human brain cells grown in a petri dish learn to play Pong faster than AI: Mini-brains fire off neurons to move the paddle back and forth according to the location of the ball in the video game
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10322247/Human-brain-cells-grown-petri-dish-learn-play-Pong-faster-AII.html#comments

元論文

In vitro neurons learn and exhibit sentience when embodied in a simulated game-world
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.12.02.471005v2.full

うんちの頻度は「遺伝子によって決まっている」可能性がある 豪州研究

「うんち」の頻度は遺伝子によって決まっている可能性があると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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うんちの頻度は遺伝子が決めているようです。

オーストラリアのモナッシュ大学で行われた研究によれば、うんちの頻度は14の異なる遺伝子の領域によってコントロールされている、とのこと。

どうやら私たちの遺伝子は「うんち」の生成だけでなく「うんち」の頻度も規定しているようです。

研究内容の詳細は12月8日に『Cell Genomics』に掲載されました。

目次 「うんち」の頻度は遺伝子によって決まっている可能性があると判明! 「うんち」の頻度は遺伝子によって決まっている可能性があると判明! あまり意識…

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参考文献

How often you may poop may be (partly) written in your genes
https://www.livescience.com/genetics-of-bowel-movement-frequency-poop-and-ibs

元論文

GWAS of stool frequency provides insights into gastrointestinal motility and irritable bowel syndrome
https://www.cell.com/cell-genomics/fulltext/S2666-979X(21)00085-9#%20

奇才の画家ダリやエジソンが使った「創造性を高める睡眠法」 驚きの効果を実証

特殊な睡眠法で創造性が高まる
Credit:Depositphotos

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美術の巨匠であるサルバドール・ダリや発明王トーマス・エジソンには共通点があります。

どちらも創造性を発揮するために特殊な睡眠法を行っていたのです。

フランス・パリ脳研究所(ICM)に所属するデルフィン・オウディエッテ氏ら研究チームは、ダリやエジソンが使った睡眠法の効果を実証しました。

深い睡眠に入った段階ですぐに目を覚ますと、創造性が高まっていたのです。

研究の詳細は、12月8日付の科学誌『Science Advances』に掲載されました。

目次 ダリやエジソンが使った創造性を高める睡眠法作業前にカップを手に持って仮眠すると結果が大きく変わる?深い睡眠に入った瞬間に起きると創造性が向上す…

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参考文献

Sleep technique used by Salvador Dalí really works
https://www.livescience.com/little-known-sleep-stage-may-be-creative-sweet-spot
Interrupting sleep after a few minutes can boost creativity
https://www.newscientist.com/article/2300883-interrupting-sleep-after-a-few-minutes-can-boost-creativity/?utm_campaign=RSS%7CNSNS&utm_source=NSNS&utm_medium=RSS&utm_content=news

元論文

Sleep onset is a creative sweet spot
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj5866

運動好きなマウスの血を輸血すると「脳機能がブーストされる」と明らかに

運動好きなマウスの血液が動かないマウスの脳機能をブーストする
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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運動の利点は輸血で伝わるようです。

米国スタンフォード大学で行われた研究によれば、運動を行っているマウスの血を抜き取り、同じ年齢の運動をしていないマウスに輸血したところ、脳機能が大幅に改善していることが判明した、とのこと。

運動をしているマウスの血中に多く含まれる、抗炎症効果があるタンパク質が、運動をしていないマウスの脳の炎症を抑え、海馬に新しいニューロンを生成することで認知機能の改善につながっていました。

運動と脳をつなぐメカニズムが解明されたことで、寝たきりの高齢者など運動が難しい人々の脳に、運動の有益な効果を伝達することが可能になります。

研究内容の詳細は12月8日に『Nature』に掲載されました。

目次 運動好きなマウスの血液が動かないマウスの脳機能をブーストする運動は脳の炎症を抑えるタンパク質を肝臓から分泌する運動を偽装する脳機能改善薬が開発…

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参考文献

Blood from marathoner mice boosts brain function in their couch-potato counterparts
https://med.stanford.edu/news/all-news/2021/12/mouse-blood-exercise.html

元論文

Exercise plasma boosts memory and dampens brain inflammation via clusterin
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04183-x

たった10分のランニングで「快適気分」が誘発されると判明

10分間のランニングで快適気分が誘発される
Credit: jp.depositphotos

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筑波大学の研究により、ややきついと感じるランニングを10分間行うことで、脳活動が促進され、気分が向上することが初めて実験で証明されました。

ランニングが健康を促進することはよく指摘されてきましたが、ラボ内での運動負荷試験で得られた健康効果は、自転車をこぐ「ペダリング運動」によるものがほとんどでした。

そのため、全身をダイナミックに使うランニングが、脳活動や認知機能に与える影響はあまり分かっていなかったとのこと。

研究は、筑波⼤学体育系ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センターにより、11月22日付で学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 たった10分のランニングで気分向上 たった10分のランニングで気分向上 本研究では、ウォーキング・ランニングマシーンの「トレッドミル」を用い、…

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参考文献

A 10-minute run can boost brain processing
https://medicalxpress.com/news/2021-12-minute-boost-brain.html
ランニングで快適に認知機能向上 筑波大学 初めて実験で証明
https://newstsukuba.jp/35382/28/11/

元論文

Benefit of human moderate running boosting mood and executive function coinciding with bilateral prefrontal activation
https://www.nature.com/articles/s41598-021-01654-z

自虐ネタが得意な人は脳構造が特殊で創造性が高い可能性がある!

自虐ネタが得意な人は脳構造が特殊で創造性が高い可能性があると判明!
Credit:Canva

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自虐ネタは創造性と関連していました。

中国の首都師範大学(CNU)で行われた研究によれば、自虐ネタを使いこなす人は脳領域(眼窩前頭皮質)の灰白質(細胞量)が大きく、発想力に代表される創造性に優れている可能性がある、とのこと。

自虐ネタは自分をネタにするテンプレートのないユーモアであり、即興性や演出力も求められるため、創造性がかかわる分野だったようです。

研究内容の詳細は『Brain Imaging and Behavior』に掲載されています。

目次 創造性にあふれた大物たちは自虐ネタでレジェンドを作っている自虐ネタが好きな人は特殊な脳構造をしていおり創造性が干渉する 創造性にあふれた大物た…

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参考文献

Neuroimaging study reveals link between self-defeating humor, creativity, and gray matter in the frontal cortex
https://www.psypost.org/2021/12/neuroimaging-study-reveals-link-between-self-defeating-humor-creativity-and-gray-matter-in-the-frontal-cortex-62195

元論文

Relationship between self-defeating humor and the Gray matter volume in the orbital frontal cortex: the moderating effect of divergent thinking
https://link.springer.com/article/10.1007/s11682-020-00412-5

「バイアグラ」がアルツハイマー病発症リスクを70%低下させる可能性がある

大規模研究の結果、ED治療薬バイアグラはアルツハイマー病リスクの低下と関連していることが示された
Credit:canva

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バイアグラといえば、広く知られているED(勃起不全)治療薬です。

そのバイアグラが、EDとはまるで無関係の意外な症状に効果を発揮する可能性が明らかとなりました。

米国クリーブランドクリニック(Cleveland Clinic)の研究者が主導した新たな研究は、バイアグラの有効成分シルデナフィルを服用した場合、非使用者と比較してアルツハイマー病の発症リスクが約70%低下していると報告。

これは720万人を超える大規模研究から示されたもので、シルデナフィルがアルツハイマー病(AD)の予防と治療に役立つ有望な薬剤候補である可能性を示すものです。

研究の詳細は、12月6日付で、科学雑誌『Nature Aging』に掲載されています。

目次 バイアグラの意外な効能予防法が見つからないアルツハイマー病 バイアグラの意外な効能 アルツハイマー病とバイアグラというのは、一般的な認識ではま…

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参考文献

Harnessing Endophenotypes for Alzheimer’s Disease Drug Repurposing
https://www.lerner.ccf.org/news/details/?Harnessing+Endophenotypes+for+Alzheimer%E2%80%99s+Disease+Drug+Repurposing&76a77dde946648f22990f170b9414613b9b8c440&48b73ec132819095396f4eb49f0c61ddc71c2b58

元論文

Endophenotype-based in silico network medicine discovery combined with insurance record data mining identifies sildenafil as a candidate drug for Alzheimer’s disease
https://www.nature.com/articles/s43587-021-00138-z

ボクサーやアメフト選手はアルツハイマー病のリスクが3倍高い 米研究

ボクシングやアメフトをするとアルツハイマー病のリスクが高くなる
Credit:Depositphotos

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ボクシングやアメフトなどの、競技者同士が力いっぱいぶつかり合うフルコンタクトスポーツでは、毎回脳に強い衝撃が加わります。

新しい研究では、アメリカ・ボストン大学(Boston University)アルツハイマー病研究センターに所属するマイケル・アロスコ氏ら研究チームが、脳をMRIで見えたときの白い斑点が、アルツハイマー病に関連していると発表しました。

特にフルコンタクトスポーツの選手はこの傾向が大きく、アルツハイマー病のリスクは3倍だと判明したそう。

研究の詳細は、11月24日付の科学誌『Neurology』に掲載されています。

目次 加齢によって進行する「大脳白質病変」ボクサーやアメフト選手は大脳白質病変が進行しやすく、アルツハイマー病のリスクも高い 加齢によって進行する「…

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参考文献

Brain Lesions on MRI Linked to Years of Playing Football
https://www.bumc.bu.edu/busm/2021/11/26/brain-lesions-on-mri-linked-to-years-of-playing-football/
Men who were in boxing clubs as youngsters may be THREE times as likely to develop Alzheimer’s disease, study warns
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10246103/Health-Men-boxed-youngsters-THREE-times-likely-develop-Alzheimers.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

Association Between Antemortem FLAIR White Matter Hyperintensities and Neuropathology in Brain Donors Exposed to Repetitive Head Impacts
https://n.neurology.org/content/early/2021/11/23/WNL.0000000000013012

暴力的なゲームは「人間を攻撃的にしない」 独研究所

暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明!
Credit:Grand Theft Auto V

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ゲームで人格は変わらないようです。

独マックス・プランク研究所で行われた研究によれば、暴力的なゲームを長期間にわたって毎日行った場合でも、被験者たちの攻撃性や社会性に変化がないことが判明した、とのこと。

なお実験に使われた「暴力的なゲーム」は世界中で大ヒットした「GTA5(グランド・セフト・オート5)」でした。

GTA5はゲーム開始直後に銀行強盗となってプレーヤーを操作しながら警官を撃ち殺していくシーンからはじまり、その後も暴力と不道徳を足して2で割らないような展開が続いていきます。

いや、割らないんかい。

研究内容の詳細は『Molecular Psychiatry』に掲載されています。

目次 暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明! 暴力的なゲームが人間性を攻撃的にすることはないと判明! ゲームが人間の人格に及ぼす可能…

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参考文献

Longitudinal study finds no evidence that violent video games lead to aggression
https://www.psypost.org/2021/11/longitudinal-study-finds-no-evidence-that-violent-video-games-lead-to-aggression-62183

元論文

Does playing violent video games cause aggression? A longitudinal intervention study
https://www.nature.com/articles/s41380-018-0031-7