気候変動対策という点で、2021年は大きな「機会損失」の年だった

コロナ禍が2年目となった2021年。経済活動が本格的に再開されたことで二酸化炭素(CO2)の排出は元通りになったが、米国では大型インフラ投資法案が成立して約1,540億ドル(約17.6兆円)が気候変動対策に割り当てられるなど、重要な動きも少なくない。

未来のエネルギーはどこからやってくる?:『WIRED』日本版が振り返る2021年(サステイナビリティ編)

国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、石炭火力発電が議題に上がった2021年。「WIRED.jp」でよく読まれた記事を見ても、エネルギーや発電に関する記事が多くランクインしている。そんな1年を振り返りながら、未来のエネルギーについて考えていこう。

人類にはカーボンニュートラルな鉄鋼「グリーンスチール」が直ちに必要だ

鉄鋼業界は年間約20億トンを生産し、30億トン以上のCO2を排出している。これは温室効果ガス全体の約7%にあたる。だが、鉄の還元に炭素ではなく再生可能エネルギーで電気分解されたグリーン水素を使う新しい方法によって、2021年夏にはスウェーデンのヴェンチャー企業が“グリーンスチール”を製造した。この技術が広く普及すれば、業界が排出するCO2の9割、世界全体のCO2排出量の6%を減らすことが可能となる。

CO2排出量を削減するために、バイオ燃料の普及が加速する:永田暁彦──「THE WORLD IN 2022」 ALTERNATIVE FUEL

国際的に議論されているCO2排出量の削減目標の達成には、カーボンニュートラルな燃料の普及が鍵を握る。ユーグレナが量産に取り組むバイオ燃料は、その流れを加速させることになる──。本誌特集「THE WORLD IN 2022」に収載した、ユーグレナCEO・永田暁彦へのインタヴュー(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

シリアの種子銀行「国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)」の生き残りをかけた戦い

レバノンのベッカ渓谷にある国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)には14万以上の種子や植物のサンプルが保管されている。ビル・ゲイツが「これほど最貧層の家族が栄養のある食事を食べられるようにしてくれた組織はない」と書くこの研究センターネットワークの種子銀行は、いまやシリア内戦の混乱を乗り越え、温暖化した世界に食糧を供給するのに役立つ遺伝子を見つけるという最重要な課題に取り組んでいる。

Global ClimateTech investment triples, but cash for tech directly cutting emissions lags

Investment from VC and PE into climate tech is booming, reaching $87.5bn over H2 2020 and H1 2021, with in excess of $60bn in the first half of 2021 alone, according to a new report from PWC. This is a 210% increase from the $28.4bn invested in the 12 months prior. Some 14¢ of every […]