金星で見つかった「生命の痕跡」は幻なのか? 発見に異を唱える研究の意味

金星の大気から検出され、「生命の痕跡」を示す可能性があるとして注目された化合物のホスフィン。この衝撃の発見に異を唱える仮説や研究結果が次々に発表されるなか、ホスフィンが金星の火山活動によって発生したとする説が浮上した。果たして「火山説」と「生命の痕跡説」のどちらが正しいのか、正しくないのか──。議論は白熱するばかりだ。

都市に「Airbnbの物件」が増えると犯罪も増える? ある研究が浮き彫りにした地域社会の課題

ある都市においてAirbnbに登録された民泊物件が増えると、1年ほど経ってから犯罪件数が増加する──。そんな研究結果が波紋を呼んでいる。民泊を利用する観光客が犯行に及んだり、犯罪を引き寄せたりしているわけではない。鍵を握るのは地域コミュニティの崩壊だ。

野生のブタは土を掘り起こして二酸化炭素を放出し、温暖化を加速させる:研究結果

地面を掘り起こして餌を探す野生のブタの習性が、土壌に蓄積された二酸化炭素の大量放出につながっている──。そんな研究結果が、このほど発表された。つまり、野生のブタが増加すれば、地球温暖化の加速につながることになる。

「最初の女性宇宙飛行士」になれなかった82歳が、ベゾスと宇宙を旅したことの意味

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスらによるブルーオリジンの宇宙旅行。その実質的な主役となったのは、60年前に最初の女性宇宙飛行士となるべく訓練を受けて実現しなかった82歳のウォリー・ファンクだった。彼女が宇宙に飛び立ったことで、ブルーオリジンは確かに歴史をつくったと言えるのではないか──。現地で取材した『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

「コンヴィヴィアル・テクノロジー」入門:「ちょうどいい道具」とは何か? ゲスト:緒方壽人(Takram デザインエンジニア)[音声配信]

行き過ぎた現代のテクノロジーを「ちょうどいい道具」として再び取り戻すことはいかにして可能だろうか──。思想家イヴァン・イリイチが提唱した概念「コンヴィヴィアリティ(自立共生)」を足がかりに、これからの人間とテクノロジーのあり方を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー』を上梓した緒方壽人。『WIRED』の通奏低音でもあり続けた「人間とテクノロジーが共に生きる社会」の実装へのヒントを緒方に訊いた。

コロナ禍で変化した「睡眠習慣」が、わたしたちの生活にもたらす“効果”

コロナ禍を経てリモートワークや在宅学習が広がり、生活パターンが変化する人も少なくない。こうしたなか、仕事や勉強のスケジュールを睡眠サイクルのほうに最適化すると、心身ともに健康でありながら生産性を高められるという研究結果が注目されている。

“宇宙”から帰還したジェフ・ベゾス、その「10分10秒」の旅と無重力体験の価値

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスらが7月20日、ブルーオリジンの有人宇宙船で“宇宙旅行”を終えて無事に帰還した。わずか10分10秒の飛行と無重力体験は、彼らにとっていかなるものだったのか──。当日の様子を『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィが現地からレポートした。

オフィスに再び人を呼び戻す「通勤手当」は本当に必要か? 英国で巻き起こった議論の争点

オフィスに人を呼び戻すうえで壁となる「通勤」。海外企業のなかにはパンデミック以前より手厚い通勤手当で人を呼び戻そうとしているところもあり、英国では手当の必要性が議論の的になっている。だが、これにはいくつかの英国固有の問題もある。

中国のハッキング活動は、手口が強圧化する「新たな段階」へと突入した

米国や日本、EUなどの政府や組織が、中国による一連のハッキング活動に関する共同声明を発表した。中国の国家安全部がハッカー集団と連携しているとして名指しで批判した今回の共同声名からは、中国によるハッキング活動の手口が悪質かつ強圧化する新たな段階へと突入したことが浮き彫りになってくる。

生体電気による「細胞間のインターネット」で失われた手足の再生に挑む(後篇)

いつの日か人間の手足が再生できるようになることは、発生生物学者の誰もが疑っていない。問題は、それがいつ実現するのか、そして再生が実際はどのように機能するかだ。発生生物学者のマイケル・レヴィンは細胞同士のコミュニケーションを司る生体電気こそが「形態形成のコード」だと考えている。果たして生体電気をハックすれば、生物の体を自在にプログラム可能になるのだろうか? 生物学とコンピューターサイエンスが融合した最新研究の後篇をお届けする。