水で緩やかに遺体を分解する葬儀「アクアメーション」とは?

アルカリ加水分解による葬儀「アクアメーション」とは?
Credit: CBC News/youtube(2020)

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遺体の葬儀方法は、土葬や火葬、あるいは軍隊が洋上に棺を落とす水葬まで様々です。

最近では、菌類から作った棺に遺体を収め、素早く土に還す「菌葬」なども存在します。

しかし、これらとは別に「アクアメーション(Aquamation)」という葬儀があるのをご存知でしょうか。

アクアと付いているように水を使った遺体処理法ですが、水葬とはまったく異なります。

アクアメーションは火葬より環境に優しく、さらに遺骨も30%以上多く残すことが可能です。

では、具体的にどんな処理法なのでしょうか?

目次 「アルカリ加水分解」により有機物をゆっくり分解 「アルカリ加水分解」により有機物をゆっくり分解 日本では火葬が一般的ですが、遺体を燃やして灰に…

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参考文献

You Can Be Decomposed in Water Instead of Being Buried or Cremated
https://interestingengineering.com/you-can-be-decomposed-in-water-instead-of-being-buried-or-cremated

一時的な温暖化が13世紀末の「小氷期」に関わっていた

14世紀半ばから19世紀半ばにかけて地球は小氷期だった
Credit:canva

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実は13世紀末から19世紀にかけて、地球は小氷期と呼ばれる過去1万年間でもっとも寒い期間の1つでした。

この小氷期がなぜ発生したかについては、未解決の問題であり決定的な原因は明らかとなっていません。

しかし、マサチューセッツ大学の新しい研究は、意外なことに小氷期が始まる直前に非常に温暖な時期があり、それが小氷期を起こすきっかけになっていたと報告しているのです。

矛盾した話のようにも感じますが、温暖化が地球全体の寒冷化の引き金になる可能性があるようです。

研究の詳細は、12月15日付でオープンアクセスジャーナル『Science Advances』に掲載されています。

目次 14世紀に始まった地球の小氷期温暖化が急激な寒冷化を招いた太陽活動と地球の空気が綺麗すぎた問題 14世紀に始まった地球の小氷期 一般的なイメー…

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参考文献

Winter is coming: Researchers uncover the surprising cause of the Little Ice Age
https://phys.org/news/2021-12-winter-uncover-ice-age.html

元論文

Little Ice Age abruptly triggered by intrusion of Atlantic waters into the Nordic Seas
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abi8230

世界の終わりを記録して後世に伝える「モノリス」が、まもなく完成

タスマニア島で「人類の最期」を語り継ぐブラックボックスを建設予定
Credit: Earth Black Box – “Earth’s Black Box” to chronicle humanity’s descent into climate chaos(2021)

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温暖化、核戦争、隕石の落下、パンデミック、生態系の崩壊…

人類が滅亡する可能性のあるシナリオはいくつも挙げられますが、そのどれがいつ現実となるかは予想できません。

過去、多くの人々が悲劇に遭遇したとき、自身の生きた証や、悲劇の教訓を後世へ残そうとしてきました。

しかし、人類全体が滅亡するような悲劇の記録は、どうやって残せば良いのでしょうか?

今、そんな人類最期の物語を語り伝えるためのある計画が、オーストラリアのタスマニア島で進行しています。

「Earth’s Black Box(地球のブラックボックス)」と呼ばれるこのプロジェクトでは、世界最後の瞬間に、地球の環境データ、最新の科学・政治情報を自動で記録する巨大モノリスを建造しています。

目次 「人類の最期」を語り継ぐためにブラックボックスを立てる「真の目的」とは 「人類の最期」を語り継ぐために Earth’s Black Boxは、…

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参考文献

This Mysterious, Indestructible ‘Black Box’ Will Tell The Future What Happened to Us
https://www.sciencealert.com/this-mysterious-indestructible-black-box-will-tell-the-future-what-happened-to-us
“Earth’s Black Box” to chronicle humanity’s descent into climate chaos
https://newatlas.com/environment/earths-black-box-climate-change/

海に浮く不思議な都市、2025年に完成

海上都市「Oceanix」
Credit:Oceanix

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現在、世界人口の5人に2人は海岸から100km以内に住んでいます。

また世界の巨大都市の90%が海面上昇の影響を受けやすい状態にあるとも言われています。

こうした地球規模の問題に対処するため、国連ハビタットの支援を受けて、韓国の釜山(プサン)沖に浮く海上都市「Oceanix」が建設されることになりました。

公式サイトでは壮大なイメージ画像が公開されており、2025年までに建設される予定です。

目次 韓国の海上都市「Oceanix」200億円の海上都市!2025年までに建設される 韓国の海上都市「Oceanix」 新しく建設予定の海上都市「…

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参考文献

Sustainable Floating Cities Can Offer Solutions to Climate Change Threats Facing Urban Areas, Deputy Secretary-General Tells First High-Level Meeting
https://www.un.org/press/en/2019/dsgsm1269.doc.htm
Check out the world’s first FLOATING CITY! Flood-proof Oceanix – backed by the UN – will be built in South Korea by 2025
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10230791/The-worlds-FLOATING-CITY-coming-South-Korea-2025.html

アホウドリの夫婦は海水温が高い年に「離婚率が急上昇する」と判明

アホウドリの夫婦に「温暖化離婚」が増加中?
Credit: F. VENTURA(sciencenews) – Albatrosses divorce more often when ocean waters warm(2021)

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鳥類の90%以上は一夫一婦で、ほとんどが生涯パートナーに忠実であると言われています。

中でも貞節さにおいて信頼できるのが、アホウドリです。

アホウドリのカップルは毎年同じ相手と交尾し、めったに別れることはありません。

しかし、このほど発表された最新研究により、これまで知られていなかった驚くべき離婚原因が判明しました。

フォークランド諸島に生息するマユグロアホウドリ(学名:Thalassarche melanophris)は、海面温度が高くなった年に離婚率が急上昇していたのです。

これは、近年の温暖化がアホウドリの夫婦仲を悪化させていることを示唆します。

研究は、リスボン大学(ULisboa・ポルトガル)、モンタナ大学(University of Montana・米)らが中心となり、11月24日付けで学術誌『Proceedings of the Royal Society B』に掲載されました。

目次 アホウドリの世界で「温暖化離婚」が増加中 アホウドリの世界で「温暖化離婚」が増加中 アホウドリは海洋に生息し、飛行できる鳥類の中では最大級の鳥…

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参考文献

Albatross divorce rates found to climb during times of warm sea surface temperature
https://phys.org/news/2021-11-albatross-divorce-climb-sea-surface.html
Albatrosses divorce more often when ocean waters warm
https://www.sciencenews.org/article/albatross-bird-divorce-ocean-warm-breeding-climate

元論文

Environmental variability directly affects the prevalence of divorce in monogamous albatrosses
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2021.2112

2万4000年間の気候変動が一目で分かる世界気温地図が作られる

国際宇宙ステーションからみた地平線の眺め
Credit:NASA

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温暖化は現代のキーワードとも言える、人類の抱える大きな課題となっていますが、地球の気候変動は何も今になって始まったことではありません。

地球の気候は長い年月の中でダイナミックに変化しており、温暖化問題を考える際も、これは自然のサイクルであって人類の活動はあんまり関係ないんじゃないか? と考える人たちも多く存在します。

そこで、米国アリゾナ大学が主導した新しい研究は、、氷河期以降の地球の気候を再構築し、過去2万4000年間の地球上の気温変化を200年間隔でマッピングしました

その研究結果は、いかに人間の活動が自然なサイクルの限界を超えて気温を押し上げているかを浮き彫りにしている、と研究者は話します。

研究の詳細は、2021年11月10日付けで科学雑誌『nature』に掲載されています。

目次 地球の気温変化の歴史を再構築する2万4000年間の地球の気温変化を一目で見る 地球の気温変化の歴史を再構築する 今回の研究は、過去2万4000…

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参考文献

Global Temperatures Over Last 24,000 Years Show Today’s Warming ‘Unprecedented’
https://news.arizona.edu/story/global-temperatures-over-last-24000-years-show-todays-warming-unprecedented
See 24,000 years of climate history at a glance
https://www.popsci.com/science/24000-years-of-climate-history-gif/

元論文

Globally resolved surface temperatures since the Last Glacial Maximum
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03984-4
Globally resolved surface temperatures since the Last Glacial Maximum(Earth ArXiv版)
https://eartharxiv.org/repository/view/2219/

温暖化の影響で、アマゾンの鳥は体が縮んでいる

温暖化でアマゾンの鳥たちに異変が起きつつある
Credit: jp.depositphotos

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温暖化の魔の手は、人間の息がかかっていないアマゾンの熱帯林にまで及び始めているようです。

カリフォルニア統合生態研究所(Integral Ecology Research Center・米)はこのほど、過去40年間で、アマゾンに生息する鳥類の体が小さくなると同時に、翼幅が長くなっていることを明らかにしました。

これまでにも、鳥の体が小さくなっているという報告はありましたが、そのほとんどは渡り鳥が対象であり、要因も狩猟や殺虫剤、森林破壊が挙げられていました。

しかし今回は、人の手が入っていないアマゾンの鳥たちであり、温暖化が原因と見て間違いないようです。

研究は、11月12日付けで学術誌『Science Advances』に掲載されています。

目次 体は小さくなり、翼は長くなる長くなる翼は「飛行能力」を保つため? 体は小さくなり、翼は長くなる 研究チームは、1970年代から約40年にわたり…

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参考文献

Climate Change May Have Done 2 Odd And Contradictory Things to Birds in The Amazon
https://www.sciencealert.com/climate-change-has-done-2-odd-and-contradictory-things-to-birds-in-the-amazon
Amazon Rainforest birds’ bodies transform due to climate change
https://phys.org/news/2021-11-amazon-rainforest-birds-bodies-due.html

元論文

Morphological consequences of climate change for resident birds in intact Amazonian rainforest
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abk1743

大腸菌で火星脱出のロケット燃料を作る技術が登場

火星基地のアーティストイメージ
Credit:NASA/Georgia Tech

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現在火星で活躍している探査機は、基本的に片道切符で地球へ帰還することは想定されていません。

しかし、今後は人間を火星に送ることも計画されており、火星から地球へ帰ってくるための技術は不可欠なものとなります。

ここでネックとなるのが火星から脱出するためのロケット燃料をどうやって確保するかです。

そこで米国ジョージア工科大学(Georgia Tech)の新しい研究は、大腸菌を利用して火星でロケット燃料を生成させる新しい方法を提案しています。

この方法で生成される 「2,3-ブタンジオール (2,3-BDO)」は、地球大気圏の脱出にはパワーが足りない燃料ですが、重力が弱い火星からの脱出には十分に活躍できるとのこと。

研究の詳細は、10月25日付で科学雑誌『Nature Communications』に掲載されています。

目次 火星発ー地球行の帰還便はとても割高大腸菌が火星で燃料を作る 火星発ー地球行の帰還便はとても割高 現在火星に探査機がいくつも送り込まれていますが…

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参考文献

Making Martian Rocket BioFuel on Mars
https://news.gatech.edu/news/2021/10/25/making-martian-rocket-biofuel-mars

元論文

Designing the bioproduction of Martian rocket propellant via a biotechnology-enabled in situ resource utilization strategy
https://www.nature.com/articles/s41467-021-26393-7

ソニーがSF作家と協力し「2050年の未来予想図」を発表

2050年に人類が暮らすのは「海上ポッド」?
Credit: Sony(interestingengineering) – Sony’s ‘Tokyo 2050’ Envisions Humans Living on Floating Pods in the Sea(2021)

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西暦2050年というと、ひと昔前はSF世界の話でしたが、今やすでに2021年。そう遠い先の話ではありません。

2050年を迎えた時、人類はどのような暮らしをしているのでしょうか。

その未来は覗けませんが、予想することはできます。

ソニーグループは、8月31日〜9月13日に開催された「ONE DAY, 2050 / Sci-Fi Prototyping」にて、“「2050年の東京」のものがたり”をテーマとした未来構想を発表しました。

この未来構想は、同社クリエイティブセンターのデザイナーと日本のSF作家が協力して、考察しています。

目次 2050年の人類の家は「海上ポッド」? 2050年の人類の家は「海上ポッド」? チームが用いた「Sci-Fiプロトタイピング」は、SFの知識や…

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参考文献

Sony’s ‘Tokyo 2050’ Envisions Humans Living on Floating Pods in the Sea
https://interestingengineering.com/sonys-tokyo-2050-envisions-humans-living-on-floating-pods-in-the-sea?utm_source=rss&utm_medium=article&utm_content=19102021

「街路樹や庭木でも暑さ対策への効果が期待できる」との研究結果

<森林だけでなく、街路樹や庭木といった単木でも、一定の冷却効果があることが明らかとなった> 樹木の下では、樹冠の陰と葉の蒸散作用によって気温や地表面温度が下がる。2021年7月9日に学術雑誌「エンバイロメンタル・リサーチ・レターズ」で発表された研究論文によると、森林だけでなく、街路樹や庭木といった単木でも、一定の冷却効果があることが明らかとなった。 街路樹や庭木といった単木でも、冷却効果があった 米アメリカン大学の研究チームは、2018年8月28日、夜明け前の5〜6時、午後14〜15時、夕方18〜1…