ユーザーや修理業者による製品の修理を拒む姿勢を示してきたアップルが、修理マニュアルの提供や交換用部品の販売を含む「Self Service Repair(セルフ・サーヴィス・リペア)」のプログラムを米国から開始すると発表した。政府から圧力も受けたことによるアップルの大きな方針転換は、「修理する権利」にとっての追い風になるか。
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VR会議システムのスタートアップは、こうしてNFTビジネスに“路線変更”した
VRヘッドセットを使って仮想空間に入り込み、3Dアヴァターとしてオンライン会議に出席する──。そんなサーヴィスを展開してきた米国のスタートアップSpatialが、デジタル資産のNFT(ノンファンジブル・トークン)のアートを販売できる仮想ギャラリーへと事業の方向性を転換させた。「働き方の未来」とも称されたVR会議システムは、なぜここまで大胆な方針転換を決めたのか。
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「Raspberry Pi Zero 2 W」は、小さなサイズはそのままに大きな進化を遂げた:製品レヴュー
安価な小型のシングルボードコンピューターの代名詞となっている「Raspberry Pi」の新モデル「Raspberry Pi Zero 2 W」が英国で発売された。形状とサイズは旧モデルと同じまま性能がアップした新モデルは、PCとしても驚くほど実用的であり、自作プロジェクトに最適なコンピューターに仕上がっている──。『WIRED』UK版によるレヴュー。
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マルチスピーシーズ人類学が暗示する「この先デザインが思考していくべき領域」とは?:奥野克巳×ソニーデザイン
多岐にわたる領域でのデザイン活動が今後ますます求められているソニーグループ クリエイティブセンター。これからも先進的で、斬新で、アメイジングなアウトプットを出し続けていくべくSci-Fiプロトタイピングを導入した彼らは、さらに考察を進め、「4つのキーワード」を導き出した。そのひとつである「マルチスピーシーズ」への理解を深めるべく、マルチスピーシーズ人類学を専門にする文化人類学者・奥野克巳のもとを訪ねた。
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フェイスブックが開発中の「触覚グローヴ」は、VRの未来を切り開けるか
メタヴァース企業を目指すメタ(旧社名はフェイスブック)が、仮想空間で物体を持った際の重さや感触を再現できる触覚グローヴの試作モデルを公表した。このグローヴはメタが思い描くメタヴァースで、視覚と聴覚、触覚の融合によって現実感を高める役割を果たす可能性を秘めている
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行動遺伝学とリベラルな進歩主義者との闘い(第4部):社会の平等とDNAの関係
行動遺伝学者のキャスリン・ペイジ・ハーデンの著作『The Genetic Lottery: Why DNA Matters for Social Equality(遺伝の宝くじ──社会の平等とDNAの関係)』[未邦訳]は道徳的な新機軸を打ち立てようとする極めて野心的な作品だ。彼女は、単純に運で決まる遺伝の役割を正しく理解することで、社会のすべての人がもっと尊厳に満ちた快適な暮らしを楽しむ確率を増やすことができると考えている。遺伝学の最新の知見と社会的…
第3世代のAirPodsには、「価格」という避けて通れぬ問題がある:製品レヴュー
第3世代へと進化したアップルのワイヤレスイヤフォン「AirPods」。これまでひとり勝ち状態だった製品のはずが、成長著しい他社の製品群と比べて次第に新鮮味を失っているように見える。重要なポイントは「金額に見合う価値」があるのか、という点だろう──。『WIRED』UK版によるレヴュー。
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信頼のネットワークから生まれる新たなネイバーフッドへの道標:有山俊朗(富士通ソーシャルデザイン事業本部長)×山崎亮
オンラインイヴェント「WIRED CONFERENCE 2021 FUTURE:re-generative」の初日、「人のつながりから考える、CITYの『これまで』と『これから』」と題したセッションでは、富士通ソーシャルデザイン事業本部長有山俊朗と、コミュニティデザイナーの山崎亮が登壇した。コロナ禍によって変化した「つながり」を起点にいかに信頼関係を築いていくか、多くのヒントが導き出された本セッションの全貌をレポートする。
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人の後ろをついてくる「追従型ロボット」が、農場や店舗で活躍し始めている
人間の後を追ってついてくる追従型ロボットが、農場や店舗などで活用され始めた。農作物や荷物を運べるこうしたロボットはコンピューターヴィジョンやAIによって実用レヴェルに進化したが、さらに活用の場を広げるには乗り越えるべき課題もある。
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行動遺伝学とリベラルな進歩主義者との闘い(第3部):遺伝子と知性のあいだ
遺伝的要因は不変であり、環境要因は変わりやすいという安直な区別をわたしたちが続ける限り、行動遺伝学に関する議論は不毛な堂々巡りを繰り返すと行動遺伝学者のキャスリン・ペイジ・ハーデンは考えている。遺伝子が人の学業成績に影響するという説を否定するのは「フェイクニュース」である一方、科学的人種差別に加担せずに、遺伝子と知性あるいは遺伝子と行動の関係について議論することはいかに可能だろうか? その迷宮をめぐる短期連載3回目。
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