イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見! アルツハイマーを封じ込めることに成功

イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見! アルツハイマーを封じ込めることに成功
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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イキイキ生活をボケ防止に変換してくれる遺伝子があるようです。

米国MIT(マサチューセッツ工科大学)で行われた研究によれば、刺激が多い環境に反応して、認知機能を維持する遺伝子「MEF2」が発見された、とのこと。

教育レベルが高かったり生きがいを得て刺激的な日々を送っている人間、そしてオモチャの多い環境で育ったマウスは「MEF2」が活性化されており、認知症の発生率が大きく下がっていたのです。

研究内容の詳細は11月3日に『Science TranslationalMedicine』で公開されています。

目次 イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見!イキイキマウスはアルツハイマー病になっても症状が抑えられるボケ防止遺伝子を破壊されたマウスに…

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参考文献

Study links gene to cognitive resilience in the elderly
https://news.mit.edu/2021/gene-cognitive-resilience-elderly-1103

元論文

MEF2 is a key regulator of cognitive potential and confers resilience to neurodegeneration
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abd7695

サルの脳に500本の電極を刺し込んで「仲間を見分ける脳回路」を発見

サルの脳に500本の電極を刺し込んで仲間とその他を決定する回路を発見!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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仲間回路の存在がサルで確認されました。

米国ハーバード大学で行われた研究によれば、サルが相手を仲間として認定し、利他的なプレゼントをするときに活性化する「仲間回路」が発見された、とのこと。

またプレゼントをもらったサルは、自分がプレゼントをあげられる状況になると同様の仲間回路を作動させ、お返しをするようです。

仲間回路の存在は、サルの脳に500本の電極を刺し込み、個々の脳細胞の活動を調査することで明らかになりました。

研究内容の詳細は10月22日に『Science』にて公開されています。

目次 サルの脳に500本の電極を刺し込んで仲間とその他を決定する回路を発見!仲間回路を遮断すると嫌いなはずのサルにプレゼントするようになる サルの脳…

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参考文献

Researchers map neurons in the brain involved with social interactions with others in groups
https://www.massgeneral.org/news/press-release/Researchers-map-neurons-in-the-brain-involved-with-social-interactions-with-others-in-groups

元論文

Social agent identity cells in the prefrontal cortex of interacting groups of primates
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abb4149

栄養をたくさん取ると成長が促進されるメカニズムは脳にあった!

100年前より背が高く思春期が早くなった理由を解明! 栄養と成長をつなげるメカニズム
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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栄養と成長をリンクさせる仕組みが解明されました。

英国ケンブリッジ大学で行われた研究によれば、栄養を検知して子供の成長と思春期入りのタイミングを調節する遺伝子を発見した、とのこと。

この遺伝子に異常があると、両親が高身長で十分な栄養をとっている子供でも、背は低くなり、思春期入りも遅くなってしまうとのこと。

研究内容の詳細は11月3日に『Nature』に公開されています。

目次 100年前より背が高く思春期が早くなった理由ダイエットで性欲がなくなる理由も同じ遺伝子のせいかもしれない 100年前より背が高く思春期が早くな…

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参考文献

Protein in the brain uses energy status to influence maturation, body size, new research shows
https://news.umich.edu/protein-in-the-brain-uses-energy-status-to-influence-maturation-body-size-new-research-shows/
Scientists have discovered the receptor in the human brain that is responsible for people growing taller and reaching puberty earlier than ever
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10162351/Scientists-brain-receptor-responsible-people-growing-taller-reaching-puberty-earlier.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

MC3R links nutritional state to childhood growth and the timing of puberty
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04088-9

25万年前に絶滅した小型ヒト属の「こぶしサイズの頭蓋骨」を発見

25万年前のヒト属の子どもの頭蓋骨を発見
Credit: WITS UNIVERSITY(sciencenews) – A child’s partial skull adds to the mystery of how Homo naledi treated the dead(2021)

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南アフリカにある遺跡で、約25万年前の絶滅したヒト属の頭蓋骨が発見されました。

ホモ・ナレディ(Homo naledi)」という非常に小柄なヒト属のもので、大きさは握り拳ほどしかありません。

子どもの頭蓋骨と推定されており、岩壁の間に安置されるように置いてあったとのこと。

ここから、ヒト属における埋葬文化が、従来考えられていたより、ずっと前から存在していたことが示唆されています。

研究は、11月4日付けで学術誌『PaleoAnthropology』に掲載されました。

目次 大人でも身長150cmの「ホモ・ナレディ」とは? 大人でも身長150cmの「ホモ・ナレディ」とは? ホモ・ナレディの化石が初めて見つかったのは…

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参考文献

Child fossil find in South Africa sheds light on enigmatic hominids
https://phys.org/news/2021-11-child-fossil-south-africa-enigmatic.html
A child’s partial skull adds to the mystery of how Homo naledi treated the dead
https://www.sciencenews.org/article/homo-naledi-child-skull-hominid-cave-discovery

元論文

Immature Hominin Craniodental Remains From a New Locality in the Rising Star Cave System, South Africa
https://paleoanthropology.org/ojs/index.php/paleo/article/view/64

首を傾げるイヌのしぐさは「集中力の高まり」を示していた

イヌが首を傾ぐのは「集中力が高まっている証拠」だった
Credit: jp.depositphotos

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イヌに話しかけると、愛らしくも首を傾げることがあります。

これは一体、何を意味しているのでしょうか?

一部では、混乱や当惑の気持ちを吐露しているとされますが、エトヴェシュ・ロラーンド大学(Eötvös Loránd University・ハンガリー)の最新研究で、まったく別の意味合いが明らかにされました。

それによると、首を傾ぐ仕草は、イヌの集中力や注意力が高まっている証拠とのこと。

特に、ボーダー・コリーのような知能の高い犬種に見られるようです。

研究は、10月26日付けで学術誌『Animal Cognition』に掲載されています。

目次 知能が高いイヌほど、首を傾げる 知能が高いイヌほど、首を傾げる 本研究では、40名の飼い主が飼っている様々な犬種40頭を対象に、月1回、3ヶ月…

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参考文献

New Study Explains Why Dogs Do The Head Tilt, And It’s Honestly Too Cute to Handle
https://www.sciencealert.com/new-study-explains-why-dogs-do-the-head-tilt-and-it-s-honestly-too-cute-to-handle
Dogs that tilt their heads aren’t just adorable: they’re super smart
https://www.zmescience.com/ecology/animals-ecology/dogs-that-tilt-their-heads-arent-just-adorable-theyre-super-smart/

元論文

An exploratory analysis of head-tilting in dogs
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10071-021-01571-8

「異性への魅力の正体」は手汗などの生理的反応を同期させる能力だった

魅力の正体が解明! 生理的同期能力が人間を魅力的にみせていた
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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謎に包まれていた魅力の本質が解明されました。

オランダのライデン大学で行われた研究によれば、異性に魅力を感じるかどうかは、鼓動と手汗のにじみ出るパターンの同期に依存していたとのこと。

生理的反応を相手と同期させ感情をコピーする能力が、魅力の正体のようです。

研究内容の詳細は11月1日に『Nature Human Behaviour』に公開されています。

目次 鼓動と手汗のにじむタイミングの同期が第一印象を魅力的にすると判明!魅力の本質は機敏な生理的同期にある同期能力=魅力がなくてもとりあえずテンショ…

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参考文献

The science of love: Copying body language on a date does NOT indicate attraction but ‘sweating in sync’ does, study reveals
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10153011/Sweating-sync-indicates-attraction-date-study-finds.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

Physiological synchrony is associated with attraction in a blind date setting
https://www.nature.com/articles/s41562-021-01197-3

人種差別のトラウマは虐待や暴行より強い反応を脳に引き起こす

人種差別は脳の健康に悪影響を及ぼすかもしれない
Credit:Depositphotos

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人種差別は世界的な問題の1つですが、それが健康に与える影響はあまり知られていません。

しかし最近、アメリカ・エモリー大学(Emory University)に所属する臨床神経心理学者のネガール・ファニ氏ら研究チームは、人種差別が脳に虐待や暴行を超える悪影響を及ぼしていると発表しました。

生涯を通して人種差別を経験してきた人は、脅威に対して脳が強く反応し、精神的・身体的健康リスクが高まるおそれがあるのです。

研究の詳細は、7月28日付の学術誌『JAMA Psychiatry』に掲載されました。

目次 健康格差の原因の1つは人種差別かもしれない人種差別を経験してきた脳は、脅威に対してより強く反応する 健康格差の原因の1つは人種差別かもしれない…

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参考文献

Brain scans of Black women who experience racism show trauma-like effects, putting them at higher risk for future health problems
https://www.psypost.org/2021/09/brain-scans-of-black-women-who-experience-racism-show-trauma-like-effects-putting-them-at-higher-risk-for-future-health-problems-61867

元論文

Association of Racial Discrimination With Neural Response to Threat in Black Women in the US Exposed to Trauma
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2782454

疑似的な脳と脊髄を持つ「4つ足ロボット」をMITが開発

隙間を飛び越えるロボットを開発した研究チーム
Credits:MIT News,One giant leap for the mini cheetah(2021)/Photo courtesy of the researchers

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非常に俊敏な動作を行う4つ足のロボットは、最近動画などでよく見かけるようになりました。

しかし、こうしたロボットの動作が向上してくると、地形のわずかな隙間を飛び越えることが難しくなってきます

マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究チームは、この問題をロボット前方に搭載したカメラによる視覚情報のみを使って解決させる、新しい制御システムを開発しました。

隙間のクリアには視覚情報が重要となりますが、俊敏なロボットに視覚制御はあまり適していません。

視覚を使ってパワフルなロボットを制御する今回のシステムは、4つ足ロボットの対応地形をさらに広げる可能性があります。

研究の詳細は、、来月開催される「Conference on Robot Learning」で発表される予定です。

目次 制御が難しくなった4つ足ロボット視覚情報をリアルタイムに処理して動きを制御する 制御が難しくなった4つ足ロボット 野生のチーターは起伏のある複…

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参考文献

One giant leap for the mini cheetah
https://news.mit.edu/2021/one-giant-leap-mini-cheetah-1020

元論文

Learning to Jump from Pixels
https://openreview.net/forum?id=R4E8wTUtxdl

会社で評価される「数字に強い」という能力の、意外に低いハードル

<ビジネスの現場で求められる「数字に強い」という能力は、具体的にどういうもので、どうすれば身につけられるのか> ※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。 数学的能力は一般的に、ビジネスパーソンに必須の能力とされています。実際、「どうも数字が苦手で」「数字を使って、きちんと報告してください」……こういった言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。 そこで今回は、ビジネス数学教育家として活躍し、『そもそも「論理的に考える」ってどうすればできるの?』(三笠書房…

うつ病に治療のための、新たな脳深部刺激療法が開発される

<うつ病の症状に関連する脳部位に神経刺激装置を埋め込んで電気刺激を与えるという「治療抵抗性うつ病」の新たな治療法の原理証明に初めて成功した> 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、うつ病の症状に関連する脳部位に神経刺激装置を埋め込んで電気刺激を与えるという「治療抵抗性うつ病(TRD:抗うつ薬に反応しないうつ病)」の新たな治療法の原理証明(PoP)に初めて成功した。 その研究成果は2021年10月4日に生物医学ジャーナル誌「ネイチャーメディシン」で公開されている。 うつ病に関与する脳部…