「メタヴァース企業」になるというザッカーバーグの野望と、“陣取り合戦”からの脱却という課題

マーク・ザッカーバーグ率いるメタ(旧社名はフェイスブック)はメタヴァース企業を目指している。だが、これまでのモバイルOSのような“陣取り合戦”に終始せず、プラットフォームの相互運用性を担保して「ひとつのメタヴァース」をつくることができるのか──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

忘却なき現代と「構造」のメディア:「科学を伝える言葉」は、いかにインフォデミックに抗ったのか#3

新型コロナウイルスのパンデミックで起きた情報の混乱「インフォデミック」は、東京オリンピックでも注目された「キャンセルカルチャー」にも通じるメディアのパラダイムシフトが背景にある。ロンドン芸術大学大学院で取り組んだプロジェクトの一環として各国のサイエンスジャーナリストに取材したコントリビューティングライターの森旭彦が連載する第3回。

フェイスブックが「メタヴァース企業」になる前に、ザッカーバーグが対処すべきこと

仮想空間に注力するメタヴァース企業を目指し、社名を「Meta(メタ)」に変更したフェイスブック。未来像として示したメタヴァースを実現させるのであれば、まずは内部告発で明らかになった問題の数々に対処していく必要がある。フェイスブックの現在の社名が何であろうと、危機は終わっていない──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

データコモンズの行方:水野祐が考える新しい社会契約〔あるいはそれに代わる何か〕Vol.7

法律や契約とは一見、何の関係もないように思える個別の事象から「社会契約」あるいはそのオルタナティヴを思索する、法律家・水野祐による連載。21世紀の石油と呼ばれている「データ」を人類共有のコモンズとして捉えるべく、EUによるGDPR以降の「データコモンズ」構想を解題する。(雑誌『WIRED』日本版VOL.42より転載)。

フェイスブックの元従業員たちが書き残した“メッセージ”と、浮かび上がった病巣

安全より利益を優先していたことが内部告発によって明らかになったフェイスブック。こうした問題を多くの従業員たちが認識していたことが、退職した従業員が書き残した「バッジポスト」と呼ばれる社内投稿にも示されている。それらのメッセージからは、フェイスブックという組織の「病巣」が浮き彫りになってきた──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによるレポート。

ザッカーバーグが語っていた「言論の自由」と、害悪と嘘がはびこる場を生み出したフェイスブックの責任

フェイスブックが安全よりも利益を優先し、社会の分断を助長しているとして内部告発された問題が波紋を広げている。そんな同社のCEOであるマーク・ザッカーバーグは、かつて「言論の自由」を擁護する発言をしていたが、人々に“デジタル拡声器”を与えることを成長のエンジンにして害悪と嘘がはびこる場をつくり出してしまった──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

アマゾンの家庭用ロボット「Astro」に見るAIの進歩と、その先にある世界

アマゾンが発表した家庭用ロボット「Astro」。見た目は愛らしいが現時点では用途が見えないこのロボットについて、確実なことがある。これはアマゾンのAI分野における大きな進歩を象徴すると同時に、人間のようにふるまうロボットが「Alexa」を中核とするAIシステムの“歯車”として機能する世界への布石なのだ──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

社会を〈再構築〉するための決意:富士通ソーシャルデザイン事業本部・有山俊朗に訊く「これからの社会と産業のリ・デザイン」

コロナ禍の2020年7月に発足した富士通のソーシャルデザイン事業本部。社会と産業の再構築(リ・デザイン)を目指すこの事業本部のヴィジョンとは何か。「社会課題を解決し切る」と語るソーシャルデザイン事業本部の本部長・有山俊朗にその真意を訊いた。

求めよ、さらば与えられん──来たる「開かれた」仮想世界のために

さあ、メタヴァース時代がやって来る。プラットフォームを独占するテック企業たちが犯した数多の過ちを知るわたしたちは、その二の舞を演じることなく「オープンメタヴァース」を目指す絶好のチャンスを手にしている。仮想空間に拡がる新世界を「真の共有材」とするために、いま何を心得、いかなる行動を起こすべきなのか(雑誌『 WIRED』日本版VOL.42より転載)。

スペースXのミッション「Inspiration4」は、“宇宙旅行”には終わらない:その成功が象徴する新たな宇宙時代の幕開け

スペースXによる完全民間宇宙飛行ミッション「Inspiration4」は、4人のクルーが宇宙での3日間の滞在を終えて地球に帰還した。このミッションは宇宙機関が一切関与していないことで「宇宙飛行の新たな時代の幕開け」とされるが、それだけではない。Inspiration4の偉業が示唆する宇宙開発のこれからと、あるべき姿を読み解いていく。