フェイスブックが社名を変えただけでは、その本質的な問題は解決できない

内部告発によって安全より利益を優先していたと糾弾されたフェイスブックが、社名変更を検討していることが明らかになった。社名変更はフェイスブックにとって「信頼の赤字」を克服するチャンスになるかもしれないが、決して表面をとりつくろうだけでは根本的な問題は解決できない。

インフルエンサーの終焉とクリエイターエコノミー:SZ Newsletter VOL.105[CREATOR ECONOMY]

編集された自撮り写真に演出過多な自分語り──ソーシャルメディア時代を象徴するインフルエンサーという存在の意味合いは、おおむね否定的なものに変わりつつあるという。果たして彼ら/彼女らは何を消費し、何を徒花として遺したのだろうか。「クリエイター」という生き方が万人に開かれ民主化される瞬間を前に、今週のSZメンバーシップのテーマでもある「CREATOR ECONOMY」を改めて考察する編集長からのニュースレター。

民衆のブラック・ツイッター史 第3部:Getting Through (2016年–現在)

喜びと苦しみ、調和と衝突、組織と混沌──ブラック・ツイッターの複雑で、いまも続く遺産をひとつの方法で定義することはできない。それでも、現代における最大の社会正義運動を胚胎し、ブラックカルチャーの揺るぎない震源地となった黒人たちのツイッター史を数々の証言から綴る連載最終回は、トランプの当選、そして#BLMを経てブラックネス(黒人らしさ)のいまを改めて問う。

ザッカーバーグが語っていた「言論の自由」と、害悪と嘘がはびこる場を生み出したフェイスブックの責任

フェイスブックが安全よりも利益を優先し、社会の分断を助長しているとして内部告発された問題が波紋を広げている。そんな同社のCEOであるマーク・ザッカーバーグは、かつて「言論の自由」を擁護する発言をしていたが、人々に“デジタル拡声器”を与えることを成長のエンジンにして害悪と嘘がはびこる場をつくり出してしまった──。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レヴィによる考察。

LinkedInの中国撤退と、強まるテック企業への「強硬姿勢」が象徴していること

ビジネスに特化したソーシャルネットワーク「LinkedIn」の中国での運営について、年内に終了するとマイクロソフトが発表した。今回の発表は米中のテック関係と、テック業界の規制における中国の新たな強硬姿勢を象徴している。

「クリエイターエコノミー」が約束する未来(とその現実)

広告モデルに根差したインフルエンサーの意味合いが否定的なものとなり、個々の視聴者からサブスクリプションや投げ銭(チップ)、クラウドファンディングなどを通して直接報酬を受け取るクリエイターエコノミーがそれに取って代わりつつある。そのエコシステムを支える新たなプラットフォームやツールはクリエイターに力やオーナーシップを与えると約束する。だが実際には、デジタルコンテンツの製作をギグワークに変えつつある。

民衆のブラック・ツイッター史 第2部:Rising Up (2012–16年)

黒人少年の痛ましい死を伝えたTwitterは、主流のニュースメディアが何十年も無視し続けてきた黒人のリアルを白日のもとにさらし、もはや不可逆のムーヴメントを生み出していった。いまも続くハッシュタグ・アクティヴィズムの源流は、街頭へと出ていったこのブラック・ツイッターから始まったのだ。現代における最大の社会正義運動である「#BlackLivesMatter」や「#OscarsSoWhite」の誕生、それに人種の垣根を超えた「#MeToo」ムーヴメントを…

インド政府の意向に従う巨大テック企業と、「民主的な価値観」との深まる溝

民主主義の危機が指摘されるインドにおいて、報道の自由を支える生命線となりうるソーシャルメディアへの圧力が強まっている。こうしたなかツイッターに代表される米国の巨大テック企業は、インド政府の意向に沿うかたちで投稿の削除やアカウントの停止を繰り返すなど、情報の統制に“加担”している。西側諸国における民主的な価値観との溝は深まるばかりだ。

“群衆の英知”によるファクトチェックはアルゴリズム依存のソーシャルメディアを救うか?

みんなのものであるはずの未来が偽情報によって次々と書き換えられていく時代に、「群衆によるファクトチェック」は解決策となり得るだろうか? 新たに発表された研究結果によると、素人の集団はたとえ少人数であっても、専門のファクトチェッカーと同等またはそれ以上の成果を上げるのだという。アルゴリズムに依存し偽情報を拡散してきたソーシャルメディアへの解決策として注目される、“群衆の英知”によるファクトチェックの可能性を探る。

「ナチュラルすぎる自撮り」で人気者のゴリラ、親友の腕の中で息を引き取る

<ソーシャルメディアを通じて世界中で愛されたマウンテンゴリラ「ンダカシ」と、支え続けた飼育員の友情> 飼育員の自撮りに直立状態で写り込み、ネット上を賑わせたメスのマウンテンゴリラ「ンダカシ」が、長期にわたる闘病の末、9月26日の夜に死亡した。 ヴィルンガ国立公園(コンゴ民主共和国)のプレスリリースによると、このゴリラは、世話人、そして友人でもあるアンドレ・バウマの腕の中で息を引き取ったという。 「このような愛すべき生き物を支え、世話することができて幸せだった。特にンダカシが幼い頃、どんなトラウマを受…