
スーパーフレアや、それに伴うコロナ質量放出(CME)と呼ばれる現象は、太陽表面で発生する爆発・噴火現象であり、太陽嵐という地球にも大きな被害を及ぼす大災害を引き起こします。
現在のところ、私たちの太陽でスーパーフレアが観測されたことはありませんが、この潜在的に危険な自然現象は、太陽とよく似た星を監視することで研究が進めています。
そして今回、日本の国立天文台や米国コロラド大学などの研究チームが、若い頃の太陽によく似た星「りゅう座EK星(EK Draconis)」から、スーパーフレアに伴って巨大なフィラメントが噴出する様子捉えることに成功しました。
太陽型星でスーパーフレアの可視光線による分光観測がされるのは初めてのことであり、その規模は太陽で起こった史上最大級の質量放出の10倍以上だったとのこと。
これは私たちの太陽でも発生する可能性があるといいます。
研究の詳細は、2021年12月9日付で科学雑誌『Nature Astronomy』に掲載されています。
目次 宇宙の危険な自然災害「スーパーフレア」若い太陽から観測された「スーパーフレア」 宇宙の危険な自然災害「スーパーフレア」 太陽の周囲には、コロナ…
参考文献
太陽型星のスーパーフレアから噴出する巨大フィラメントを初検出 —昔の、そして今の惑星環境や文明に与える脅威—
https://www.nao.ac.jp/news/science/2021/20211210-okayama.html
A young, sun-like star may hold warnings for life on Earth
https://www.colorado.edu/today/2021/12/09/ek-draconis
元論文
Probable detection of an eruptive filament from a superflare on a solar-type star
https://www.nature.com/articles/s41550-021-01532-8