CO2排出量を削減するために、バイオ燃料の普及が加速する:永田暁彦──「THE WORLD IN 2022」 ALTERNATIVE FUEL

国際的に議論されているCO2排出量の削減目標の達成には、カーボンニュートラルな燃料の普及が鍵を握る。ユーグレナが量産に取り組むバイオ燃料は、その流れを加速させることになる──。本誌特集「THE WORLD IN 2022」に収載した、ユーグレナCEO・永田暁彦へのインタヴュー(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

プラスティック汚染を解決する拘束力ある世界条約を──「THE WORLD IN 2022」 PLASTICS TREATY

世界中の政府が海洋汚染に取り組むために団結し、2022年には拘束力ある条約をとりまとめる予定だ。プラスティックの循環型経済への取り組みが加速する未来をエレン・マッカーサーは描く(雑誌『WIRED』日本版VOL.43より転載)。

シリアの種子銀行「国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)」の生き残りをかけた戦い

レバノンのベッカ渓谷にある国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)には14万以上の種子や植物のサンプルが保管されている。ビル・ゲイツが「これほど最貧層の家族が栄養のある食事を食べられるようにしてくれた組織はない」と書くこの研究センターネットワークの種子銀行は、いまやシリア内戦の混乱を乗り越え、温暖化した世界に食糧を供給するのに役立つ遺伝子を見つけるという最重要な課題に取り組んでいる。

庭先養鶏の愉しみ:SZ Newsletter VOL.112[ENVIRONMENT]

かつてフランク・ロイド・ライトは「鶏小屋をつくるのも大聖堂を建てるのとまったく同じ芸術的営為だ」と言った。今春、庭先養鶏を始めた本誌編集長も、そのきっかけとなったのは10年前のメイカームーヴメントで出合った一冊だった。今週のSZメンバーシップのテーマ「ENVIRONMENT」を受け、食肉の社会システムが地球環境や動物倫理に照らしてますますクリティカルになる時代に、“庭先”からマルチスピーシーズの思考を紡ぐ編集長からのニュースレター。

「食の主権」はリジェネラティヴなアプローチで再興する──サラ・ロヴェルシ:フードイノヴェイションの未来像(第8回)

自分たちが食べるものを選び、生産・流通するといった「食の主権」は、食の工業化に伴って人々が手放していった権利だ。しかし、一人ひとりの行動が地球環境にインパクトを与える時代に、再度この権利を見直す動きがある。食のエコシステムをつくるあらゆるコミュニティを巻き込むかたちでイノヴェイションを促すFuture Food Institute創設者のサラ・ロヴェルシをゲストに迎えた人気ウェビナーシリーズ「フードイノヴェイションの未来像」第8回をレポート。

環境負荷の少ない肉を選ぶとより多くの動物を殺すことになる:「サステイナブルな食肉」のジレンマ

環境負荷の少ない肉を選ぶなら、断然、牛肉よりも鶏肉だ。だが牛1頭と同じ量の肉を食べるには鶏134羽が必要となり、結果的にこの選択は、より多くの動物に過酷な生活を強いてその命を奪うことになる。もしヴィーガンを選択肢に入れずにこの「サステイナブルな食肉」のジレンマを解決するなら、環境面のコストと動物福祉のコストを考える必要がある。

二酸化炭素を吸収する“海藻の森”をラッコが救う

海中に森のように広がって大量の二酸化炭素を吸収してきた海藻のジャイアントケルプが、カリフォルニア沖でウニの食害によって危機に瀕している。そこで米国の水族館が始めたのが、ウニの天敵であるラッコの個体数を増やすことで、この“海藻の森”を取り戻す試みだ。

10億頭の牛によるメタンガスを削減しても、食肉と乳製品の環境問題は終わらない

現在地球上では10億頭の牛が飼育されている。その牛が吐き出すげっぷに含まれるメタンガスが地球温暖化の大きな原因になっていることはいまや広く知られ、海藻を餌に加えることで82%もメタンを削減できるという実験結果もあるなど対策が急がれている。だが、食肉や乳製品のための牛の畜産が環境に与える影響は、メタンガスを出さなければいいというほど単純な話ではない。